2018年06月03日

■政府の沖縄振興策は何をもたらしたか

■政府の沖縄振興策は何をもたらしたか
〜前泊博盛教授の「うまんちゅ講座」〜

6月2日(土)沖縄国際大学の「うまんちゅ講座」を聞いた。講師は沖縄国際大学教授・前泊博盛氏。沖縄振興、基地、経済について過去、現在、未来を語った。

20数年来のつきあいである。ジャーナリストとして培われた取材力、分析力、表現力はすごい。沖縄振興の経緯、予算、国税納付額について触れていた。Power Pointで引き付ける内容である。

沖縄振興の「償い論」、振興事業費と国税納付額についても触れた。

沖縄総合事務局と沖縄防衛局の公共事業費が逆転している現状について例示。基地重視の公共事業の実態が浮かび上がる。復帰特別措置で50年近く企業に国税を軽減したが、軽減税額が破格な役員報酬に転嫁している事例は興味深い。

基地経済の非合理性、沖縄経済の現状は数字で示していたが説得力がある。

前泊教授の講義を聞いた私の見解を述べる。
復帰時から2015年度までの振興事業費は10兆3646億円。この間、沖縄が国に納めた税金は9兆5771億円。

2018年度までの振興事業予算の総額は11兆1994億円。40%は本土ゼネコンに還流。財政依存度は23.5%から37.6%に拡大。財政を投入しても本土へ還流する構図。資金循環論から見ると「ザル経済」の一因。

1人当たり所得格差は59.5%から74.2%に改善。産業構造からみると問題点が多い。
第1次産業に1兆5000億円投入したが、県内総生産に占める第1次産業の構成比は7.3%から1.5%に低下。沖縄予算の産業連関効果は乏しく、製造業の構成比は10.9%から4%に低下。

11兆2000億円の財政が投入されたが、雇用者の41%は非正規雇用。ニート、フリーターが増加。年収200万円未満の88%は非正規雇用。若年者失業の増大。賃金格差。子供の貧困と進学率の低下。これが今の沖縄の姿である。

沖縄振興「償いの心」は果たされたか? 沖縄予算は2014年度以降、基地問題と関連付けて毎年減額されている。官邸操縦型で政治が振り回すのは異常だ。

沖縄予算は基地の対価ではない。政府は骨太の方針で沖縄を日本経済を牽引するフロントランナーと位置付けている。だが実際は基地問題で予算を締め付け、フロントランナーの前に障害物を置いている。
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2018年05月20日

■戦後100年「沖縄の未来像」シンポジウム


■戦後100年「沖縄の未来像」シンポジウム
〜沖縄大学地域研究所「土曜講座」〜

5月19日、沖縄大学アネックス共創館で沖縄の未来像に関するシンポジウムがあった。2045年を展望した「土曜講座」である。

地域と共に生きる「沖縄大学」。その思想は地域に根差している。県内外の識者が登壇。沖縄の未来像について語った。

この企画はすばらしい。100名余の県民が聞き入った。沖縄は成長し続けるだろうか。6次振興計画はあるだろうか。沖縄は自らの力で未来を切り開いていかねばならない。県民は「志」を抱いて、沖縄の未来を築いていかねばならない。

2045年の沖縄はどうなっているだろうか。国も県も「生命力あるビジョン」を描くべきだろう。元琉球大学・故山里将晃教授から聞いた言葉が脳裏に思い浮かぶ。

「過去を知ることで現在を認識し、未来につないでいこう」3次振興計画策定時に山里先生は国の沖縄振興開発審議会委員であったが、出張先の北の大地、札幌でこう語った。

沖縄振興50年後の沖縄。我々は白いキャンパスの前に立ち、絵筆を持ち沖縄の未来像を描こうではないか。
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2018年05月16日

■5月15日は「沖縄復帰46年」


■5月15日は「沖縄復帰46年」
〜沖縄振興の本質を問う〜

米軍政下から日本復帰してから46年。那覇市与儀、「日本政府南方連絡事務所の跡」を訪ねた。

ここに立つと、戦後沖縄の歴史を思い浮かぶ。GHQが沖縄に関与したことだ。占領後の沖縄に苦慮した米軍。本土との分断、遺骨の散乱、県土の破壊、1年間の無通貨時代。米軍政下の沖縄に「日本政府・南連」設置。国家の沖縄差別の構造。

1970年5月、沖縄・北方対策庁発足。この地で沖縄復帰対策に携わった。1972年5月15日、沖縄復帰記念式典で会場案内係。大粒の雨が降り注いだ。隣の与儀公園では核付返還反対の県民が集結し大衆デモ。天が沖縄復帰に涙を流した。

復帰時に沖縄開発庁発足。沖縄振興の新たな歴史が胎動した。歴史の節目に関わった。あれから46年。沖縄はどう変わったか。

沖縄振興予算は2018年度まで11兆2,000億円。96万人の人口は144万人に増加。県内総生産は4,592憶円から4兆511億円に大幅に拡大。社会資本は本土並みになった。44万人の観光客は1,000万人に届く勢いだ。だが、1人当たり県民所得は全国の74%。失業率は全国一高い。子供の相対的貧困率29.9%(全国13.3%)。失業があふれる社会だ。

「償いの心」で沖縄予算が投入されたが、基地問題と共振し「官邸操縦型」予算に変質、歪みが生じた。2014年度以降の沖縄予算は基地問題と関連付けて毎年減額、自主財源の乏しい県・市町村財政は硬直化する。自由度の高い一括交付金も切り込まれるありさまだ。

11兆円余の沖縄振興予算は本土資本優先。沖縄予算はODAのように本土に還元し、資金循環しない構造がつくられたのだ。

復帰46年・・・沖縄振興の本質を問う。
posted by ゆがふ沖縄 at 11:57| 検証・戦後67年の沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする