2015年10月21日

■『良い戦略と悪い戦略』

■『良い戦略と悪い戦略』
〜世にはびこる「悪い戦略」を喝破〜

久しぶりに本屋をはしごした。リチャード・P・ルメルト『良い戦略と悪い戦略』に出会った。この本は戦略思考を伝授する書籍だ。最近は政治、経済、詩などの本を読んでいるが、久しぶりに戦略論の本に出合った。

翻訳は村井章子さん。村井さんが翻訳した書籍は買うことにしている。ジェフリー・フェファ『権力を握る人の法則』も村井さんが翻訳した。権力論の研究はスタンフォード大学著名教授が明らかにしたビジネスマンの必読書だ。企業における「権力への道」について論じているが、目から鱗だ。

良い戦略と悪い戦略─良い戦略は驚きである。強みを発見する。悪い戦略の四つの特徴を説く。良い戦略には、しっかりした論理構造がある。著者はこれをカーネル(核)と呼ぶ。戦略のカーネルは、診断、基本方針、行動の三つの要素で構成される。リーダーが目標を立て、それをどう実現するかは部下に任せるという方法は戦略ではない。単に目標設定で設定だと述べる。

良い戦略に生かされる強みの源泉として、テコ入れ効果、成長路線の罠と健全な成長、ダイナミズム、ストラテジストの思考法も教える。

目標設定とビジョンと混同していないか? あいまいな言葉や響きの良い言葉だらけで、何を言いたいのか不明瞭になっていないか? 本当に目を向けるべき「重大な問題」を無視していないか? 間違った「戦略目標」を掲げていないか? その戦略は実行可能か?

リチャード・P・ルメルト『良い戦略と悪い戦略』について『コア・コンピタンス経営』の著者ゲイリー・ハメルは帯書で「刺激的な新著で、不都合な真実を暴き出す」と絶賛する。ゲイリー・ハメルの著書はMBAを学ぶ人の必読書である。
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2015年10月17日

沖縄戦後70年(273)

沖縄戦後70年(273)
■沖縄復帰記念式典における佐藤首相式辞
 
本日、天皇、皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、アグニュー・アメリカ合衆国副大統領をはじめ内外貴賓多数のご参列を得て、沖縄復帰記念式典を挙行いたしますことは、わたくしの深く喜びとするところであります。

沖縄は、祖国に復帰いたしました。わたくしは、まずこのことを過ぐる大戦において尊い犠牲となられた幾百万のみ霊に、謹んでご報告いたしたいと思います。

大戦の末期に戦場となり、尊い多くの人命を失った沖縄の地は、戦後長きにわたって米国の施政権下におかれてきたのでありますが、今日以降、わたくしたちは同胞相寄って喜びと悲しみをともに分かちあうことができるのであります。

わたしどもの感激はいうまでもありません。祖国愛に燃えて身命を捧げたひとびとを思い、現代に生きるわれわれとして、ここに、重ねて自由を守り平和に徹する誓いを新たにするものであります。

わたくしはまた、27年の長年月にわたって、大いなる苦悩に耐え、ひたすらに祖国復帰の日を待ち望んでこられた沖縄同胞百万の心情に思いをいたすとき、まことに深甚な感慨を禁じ得ません。

戦中、戦後における沖縄県民各位のご苦労は、何をもってしても償うことはできませんが、今後本土との一体化を進めるなかで、沖縄の自然、伝統的文化の保存と調和を図りつつ、総合開発の推進に努力し、豊かな沖縄県づくりに全力をあげる決意であります。

さらにわたくしは、国民各位とともに、沖縄の祖国復帰を慶賀するとともに、その歴史的意義について深く考えてみたいと思います。

戦争によって失われた領土を、平和のうちに外交交渉で回復したことは、史上きわめて稀なことであり、わたくしはこれを可能にした日米友好のきずなの強さ痛感するものであります。

今後、日米両国は太平洋をはさむ先進国としてともに世界の平和と発展に大きな責任を持つ立場におかれます。この日米関係の新時代は、これまで以上の信頼と理解による協調をもって特徴づけられなければならないと信じます。

わたくしはこの機会に、沖縄返還にあたって、米国政府並びに米国民より示された友誼に感謝し、その大局に立った英邁な決断に敬意を表するものであります。

国民の皆さん、われわれは尊い歴史の教訓を生かし、さらに平和への決意を新たにし、わが国のアジア太平洋諸国に対する友好と協力の架け橋として、平和で豊かな沖縄の建設に努めなければなりません。

歴史的記念の日を迎えるにあたって決意の一端を述べ式辞といたします。
   昭和47年5月15日
    内閣総理大臣 佐藤栄作

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2015年10月16日

沖縄戦後70年(272)

沖縄戦後70年(272)
■佐藤首相の沖縄百万同胞に贈る言葉(3)
 昭和44年11月21日
  内閣総理大臣 佐藤栄作

沖縄は長い間、独自の経済単位を形成し、繁栄してきたのでありますが、本土復帰後は日本経済の中に統合され、その一環としての役割を担うことになるのでありますから、私は当面の措置として、本土復帰に際し沖縄経済が急激な変動をきたさないよう、沖縄の特殊性を考慮した特別措置ないし過度的経過措置について検討を加える一方、長期的には日本経済の一環としての沖縄経済の新たな役割を探求し、沖縄の長期開発構想を樹立して、沖縄経済の振興に努力するつもりであります。

最後に、沖縄の祖国復帰対策を樹立するにあたり、沖縄住民の意思を国会に反映させることの重要性を私は痛感しております。

私はこの機会に、琉球政府及び沖縄住民の方々が沖縄の本土復帰に備えて、一致協力して総意と工夫をこらし、明日の沖縄県を築くため英知を結集されることをお願いするとともに、沖縄の祖国復帰という世紀の大事業が、本土と沖縄の官民一致の協力によって立派になしとげられるおとを信じて疑いません。

沖縄の施政権返還について日米両国の合意が行われたこの記念すべき秋に当たり、私ははるかに沖縄百万同胞の皆さんに思いをはせ、つつしんでおあいさつを申し上げる次第であります。
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