2015年10月17日

沖縄戦後70年(273)

沖縄戦後70年(273)
■沖縄復帰記念式典における佐藤首相式辞
 
本日、天皇、皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、アグニュー・アメリカ合衆国副大統領をはじめ内外貴賓多数のご参列を得て、沖縄復帰記念式典を挙行いたしますことは、わたくしの深く喜びとするところであります。

沖縄は、祖国に復帰いたしました。わたくしは、まずこのことを過ぐる大戦において尊い犠牲となられた幾百万のみ霊に、謹んでご報告いたしたいと思います。

大戦の末期に戦場となり、尊い多くの人命を失った沖縄の地は、戦後長きにわたって米国の施政権下におかれてきたのでありますが、今日以降、わたくしたちは同胞相寄って喜びと悲しみをともに分かちあうことができるのであります。

わたしどもの感激はいうまでもありません。祖国愛に燃えて身命を捧げたひとびとを思い、現代に生きるわれわれとして、ここに、重ねて自由を守り平和に徹する誓いを新たにするものであります。

わたくしはまた、27年の長年月にわたって、大いなる苦悩に耐え、ひたすらに祖国復帰の日を待ち望んでこられた沖縄同胞百万の心情に思いをいたすとき、まことに深甚な感慨を禁じ得ません。

戦中、戦後における沖縄県民各位のご苦労は、何をもってしても償うことはできませんが、今後本土との一体化を進めるなかで、沖縄の自然、伝統的文化の保存と調和を図りつつ、総合開発の推進に努力し、豊かな沖縄県づくりに全力をあげる決意であります。

さらにわたくしは、国民各位とともに、沖縄の祖国復帰を慶賀するとともに、その歴史的意義について深く考えてみたいと思います。

戦争によって失われた領土を、平和のうちに外交交渉で回復したことは、史上きわめて稀なことであり、わたくしはこれを可能にした日米友好のきずなの強さ痛感するものであります。

今後、日米両国は太平洋をはさむ先進国としてともに世界の平和と発展に大きな責任を持つ立場におかれます。この日米関係の新時代は、これまで以上の信頼と理解による協調をもって特徴づけられなければならないと信じます。

わたくしはこの機会に、沖縄返還にあたって、米国政府並びに米国民より示された友誼に感謝し、その大局に立った英邁な決断に敬意を表するものであります。

国民の皆さん、われわれは尊い歴史の教訓を生かし、さらに平和への決意を新たにし、わが国のアジア太平洋諸国に対する友好と協力の架け橋として、平和で豊かな沖縄の建設に努めなければなりません。

歴史的記念の日を迎えるにあたって決意の一端を述べ式辞といたします。
   昭和47年5月15日
    内閣総理大臣 佐藤栄作

posted by ゆがふ沖縄 at 00:08| 歴史の証言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする