2015年11月30日

■普天間移設問題の増悪(7)

■普天間移設問題の増悪(7)

沖縄問題の根幹は基地問題である。沖縄の米軍基地の維持に日本政府は神経をとがらす。沖縄政策協議会は日本政府が沖縄に向き合う動機となった。国土庁(現・国土交通省)は振興拠点整備の活用として「国際貢献都市OKINAWA構想」に理解を示す。

多極分散型国土形成法に基づく振興拠点地域として沖縄本島中南部地域を国際都市として「国際貢献都市OKINAWA構想」を1997年12月3日に承認したのだ。
対象市町村は、7市9町8村の46,674ヘクタール。対象市町村(当時)は、沖縄市、宜野湾市、具志川市、石川市、浦添市、那覇市、糸満市、与那城町、勝連村、嘉手納町、北谷町、西原町、南風原町、東風平村、与那城町、佐敷町、読谷村、北中城村、中城村、豊見城村、大里村、知念村、玉城村、具志頭村。

この地域は、人口、産業集積が最も高く都市機能が集積しているのが理由だ。大田県政は最重要課題として国際都市形成構想を位置づける。開発整備方針はアジア・太平洋地域への国際貢献を沖縄発展の戦略に据える。「平和交流」「技術協力」として沖縄の未来像を描く。

国際平和交流拠点として位置付けたのは糸満市、具志頭村。平和の礎やひめゆり資料館がある。国際平和を沖縄から発信する。平和創造の機能を導入し、慰霊塔、豪(ガマ)、平和を祈念する既存の施設との有機的連携を図り、中核的施設として「沖縄県平和記念資料館(仮称)」を設置する計画だ。

 国際都市として沖縄から平和を発信する。
* * *
沖縄戦後70年─沖縄戦と米軍統治、復帰、現在そして「未来」をテーマに、日本平和学会が2015年11月28日、琉球大学であった。

鳩山由紀夫元首相は、持論の「東アジア共同体」創設を訴え、「東アジアの国々が自立し、ウインウイン(相互利益)の関係で助け合うことが大切。軍事力の競争は抑止力を低下させる」と力説。東アジア議会を沖縄に置き、沖縄を軍事の要石から「平和の要石」に提案した(11月29日付・沖縄タイムス報道)。

沖縄から「平和の風」が吹くことを望んでいるが、辺野古の新基地建設は真理に従えば、「邪(よこしま)な風」が吹いている。「苦しみの風」で生きてきた沖縄は常に悲しみの雨が降っている。苦しみと悲しみはいつも沖縄に付きまとっている。それでも沖縄県民は苦しみと悲しみを噛みしめて生きている。
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2015年11月27日

■普天間移設問題の増悪(6)

■普天間移設問題の増悪(6)

普天間問題が日米の政治課題となり、国の沖縄政策は大きく変わるようになる。

沖縄問題について内閣総理大臣談話に基づき、1996年9月17日、「沖縄政策協議会」が閣議決定される。10月1日、第1回沖縄政策協議開催。協議会には@社会資本部会、A産業・経済部会、B環境・技術・国際交流部会が設置された。沖縄問題は国政の最重要課題であり、政府と県との協力作業の場として設置したものだ。日米安保条約及び米軍基地の存在を前提として沖縄の声に具体的に答える政府の姿勢を示した。

大田昌秀沖縄知事は次の4点の実現を求めた。
1.基地返還アクソンプログラ
2.21世紀・沖縄のグランドデザイン(国際都市形成構想)
3.規制緩和等産業振興特別措置
4.主要プロジェクトの推進

沖縄知事の要請について各大臣は積極的に取り組むと約束した。具体的取り組内容は次のとおりであった。
1.社会資本部会
 @総合・地域計画プロジェクトチーム(第1 PT)
 A基地跡地の利・転用プロジェクトチーム(第2 PT)
 B通信・空港・港湾等のインフラ整備プロジェクトチーム(第3 PT)

2.産業・経済部会
 @国際貿易・物流基地の形成プロジェクトチーム(第4 PT)
 A産業創造・雇用開発プロジェクトチーム(第5 PT)
 B情報通信産業集積プロジェクト(第6 PT)
 C国際観光・保養基地の整備プロジェクトチーム(第7 PT)

3.環境・技術国際交流部会
 @環境共生型地域の形成プロジェクトチーム(第8 PT)
 A亜熱帯特性等を活用した研究開発の推進プロジェクトチーム(第9 PT)
 B国際協力・交流の推進プロジェクトチーム(第10 PT)

私の手元に1998年5月、内政審議室がまとめた「沖縄政策協議会・最新検討状況」資料がある。部内限り扱いだが、沖縄政策を知るうえで重要と思われる部分の要点を掲げる。

基地問題を抱える沖縄振興の課題として、復帰後の国費投入で格差縮小の成果はあるが、本土からの遠隔地、多数の離島などを抱え沖縄の不利性を指摘する。アジア・太平洋地域の平和に果たした役割を強調する。日米安保体制で0.6%の国土面積に米軍基地の75%が集中し、その負担は重いと示す。

発展可能性を持つ沖縄は、「太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)として位置付ける。国際交流圏を形成し、経済の自立と雇用の確保を進め、地域社会と共生し、国際平和に貢献する自立的な地域を構築する─とある。

沖縄開発庁は第三次振興計画後期展望を総括する。内容は省略するが、沖縄が地域経済として自立し、雇用が確保され、県民の生活の向上が図られ、我が国経済社会の発展に寄与する地域として引き続き沖縄振興への積極的な姿勢を見せる。

次回以降、各プロジェクトについて各省庁の検討状況についてポイントを掲げる。次は11月30日に掲載する。
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2015年11月26日

■普天間移設問題の増悪(5)

■普天間移設問題の増悪(5)

今回は在沖米軍基地の特徴と海兵隊について述べる。

米軍基地のほとんどは沖縄本島にある。米軍基地は沖縄本島の18.4%。人口の91%は沖縄本島が占める。

復帰後43年余が経過したが、沖縄の海と空は米軍が管理する。沖縄県の県域は東西1000キロ、南北400キロに及ぶ海域に点在する160の島々からなる。沖縄の陸地面積は約2276平方キロメートル。米軍の訓練区域(管理区域)は水域28ヵ所、空域20ヵ所。海と空の空域が米軍の管理下に置かれ、自由に使えない状況だ。

米軍基地の73.9%が沖縄に集中する。次いで青森県7.7%、神奈川県5.9%、東京都4.3%、山口県2.6%、その他5.7%だ。

沖縄の基地の特徴は98.4%が常時使用できる専用施設(全国は10.2%)である。東アジアに配備されている米軍基地の42%は沖縄が占める。東アジアの米軍兵力の34%が沖縄に集中する。

沖縄の米軍施設面積の76%は海兵隊基地である。海兵隊は駐留兵力の61%を占める。沖縄海兵隊の実戦部隊は、歩兵大隊「第4海兵連帯(歩兵)はキャンプキンザーに配備され北部訓練場で弾射撃訓練を行う。キャンプ・ハンセンには第12海兵連帯(砲兵)で実弾射撃訓練を実施。

普天間飛行場は「第1海兵航空団」の実戦部隊を配備。「第36海兵航空群」及び支援部隊である「第18海兵航空管制群」が戦力。

沖縄海兵隊基地は、復帰に伴い主力の陸軍に代わり暫時強化され、1975年7月に「在日四軍調整官」が陸軍司令官から海兵隊司令官に代わった。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:02| 米軍基地・評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする