2015年11月04日

■基地受け入れの失敗から学べ

■基地受け入れの失敗から学べ
 〜振興策で疲弊する北部地域〜
  
連日、オスプレイが轟音を響かせて沖縄上空を飛んでいる。日本政府は、沖縄の地理的環境に身を置いて、日米安保を唱え沖縄を犠牲にしてきた。米国従属の日本外交というものだ。

冷戦後、明らかな変化が生じているが、「地政学」「抑止力」という言葉で塗り固め、邪(よこしま)な心でオスプレイの沖縄配備を正当化した。座標軸のない日本外交が、過重な基地負担を押し付ける。復帰後も忍土・沖縄の現実は変わらない。

国土面積1%に満たない沖縄に74%の過重な米軍基地の存在。この現実を沖縄大学元学長・新崎盛暉さんは構造的差別と呼ぶ。

日本政府の沖縄政策は、右手に基地誘導策、左手に振興策といってよいだろう。基地誘導策として編み出されたのが島懇事業、北部振興事業というものだ。基地を維持するために不満を抑えることは不可避の戦略とされた。基地が集中している基地所在市町村に対し、財政を投入し、不満を和らげるというのが振興策である。

基地受け入れの代償に振興策を振りかざし@地域活性化で若い世代に夢を与えるA雇用機会を創出し、経済自立を図るB地域の人づくり─といった趣旨で宣伝されてきた。

島懇事業888億円、北部振興事業費1049億円、計1937億円の財政資金が基地所在市町村に流れたが、地域の閉塞感は緩和されず、経済は疲弊したままだ。

なぜか。採算性が取れない事業(箱もの)が多く、ランニングコスト負担で市町村財政を圧迫しているのだ。経済活性化や雇用機会の創出など事業目的は達成されず、将来の展望は描かれていない。

基地を受け入れれば地域は豊かになりますよという言葉はキャッチフレーズとして、いくどと唱えられてきた。実際は機能しなかった。北部地域は閉塞感が漂い、潜在力を十分に発揮できないでいる。過疎化が進み、雇用不安、財政悪化などがみられる。北部の苦悩はそれを物語っている。人口は減少し続ける。経済活動は停滞し、若い人に仕事はない。夢の持てるプロジェクトのうたい文句は、中央主導で進められ、地域の発展に結びつくことはなかった。政府が意図した振興策は基地受け入れの仕組みの一つであったのだ。

地域は資源、人材、技術が融合して発展する。沖縄に問われているのは、基地があるから振興するという恩着せがましいことではない。

基地の維持装置としての振興策は、新しい時代の要請に応えられない。この失敗から学ばなければならない。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| 大学の窓から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする