2016年01月26日

■「宜野湾市長選」に見る政治環境

■「宜野湾市長選」に見る政治環境
〜佐喜真氏勝利は「潮の流れ?」〜

沖縄の政治環境は「オール沖縄」の現象を生んだが、翁長県政誕生後、2016年1月24日実施された「宜野湾市長選」で翁長知事の求心力に陰りが見えた。翁長知事にとっては痛い敗北だった。

「魚の目」という言葉がある。魚は潮の流れを見て回遊する。佐喜真氏は「潮の流れ」を読んでいた。「辺野古移設」の焦点化を避けて選挙を「潮の流れ」に位置付けたのではないか。

宜野湾にとって何が必要かを訴えた。佐喜真氏の戦略の基本ソフトは市の将来発展に目を向けていた。宜野湾市民に直結する政策を訴えたことが勝利の原因と思われる。

佐喜真氏の選挙戦略は「西普天間の跡地利用」だった。米軍キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区(51ヘクタール)が地権者へ返還された。同地域は、がん治療の重粒子線治療施設の導入や琉球大医学部・琉大病院が移転され「国際医療拠点」構想の形成が現実化していく。市民の共感を呼んだ。「戦略」は最高の選挙市場であることを示した。

一方、志村氏の「普天間の即時撤去」スローガンは、市民の共感を呼ぶものではなかった。宜野湾市長の手に負えないロードマップのない呼びかけは、言葉が一人歩きした感が強い。普天間問題対応への指標がなかった。辺野古移設問題が選挙の焦点にはならなかったのである。市民に直結しないジレンマがあったのではないか?

今回の選挙はインターネット選挙でもあった。佐喜真氏の戦略行動は市民を引き付けた。インターネットなどの草の根メディアが普及すると選挙は情報戦となる。市民の意見が選挙にフィードバックされる。佐喜真氏の「戦略思考」勝ちと受け止められる。

NHKが報道した翁長知事と志村候補の戸別訪問がネットで炎上していたが、モグラたたきの露骨な書き込みも散見されたが、ネット市場では情報戦略が飛び散ったことも影響したと思われる。ネットは情報連関を強める怖さがある。

志村氏は知名度不足を回復できなかった。宜野湾市の将来展望を訴える力を描けなかった。選挙の技術の差だった。佐喜真氏はリーダーシップ論を訴えてフオーカスに奏功した。

宜野湾市長選は「選挙のマーケティング戦略」の物語だった。ネット市場が持つ機微を理解しなければならない。

県民の辺野古移設反対は不動であるが、政治の活断層が出始めている。政治の活断層は戦略によって起こり得る。7月の参議院選挙に向けて沖縄政治は「分水嶺」になるか、あるいは新しい思考で「オール沖縄の再構築」を図るか。

志村陣営には「ゼネラルマネージャー」がいなかった。選挙技術を磨くことができなかった。佐喜真氏は公約の市民共感に成功した。志村氏の動員数は多かったが成果につながらなかった。選挙のプレゼンテーションに差を感じた。組織は一体感を伴い一人一人の行動を変える。本人の気づきを高める。

普天間はどうするか。沖縄の課題だ。「戦略の待機時間」は限られている。翁長知事は思いを巡らせ、腹をくくって答えなければならないだろう。

「オール沖縄モデル」は再構築を求められる。辺野古推進派は自信をつけつつあるからだ。選挙方程式の「回路の強化」が課題になる。

「ロジック」と「共感」で政治は動く。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| ◆「時の動き」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月22日

■普天間移設問題の増悪(44)

■普天間移設問題の増悪(44)
〜普天間移設をめぐる日米共同声明〜

2010年5月28日、普天間移設をめぐる日米共同声明発表。日米同盟は日本の防衛、アジア・太平洋地域の平和、安全、繁栄にとって不可欠であることを確認。沖縄米軍のプレゼンスは日本防衛の抑止力と説明する。

2006年5月1日の「米軍再編のための日米ロードマップ」の実施を確認。2009年2月17日「沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定(グアム協定)も確認された。

海兵隊8千人、家族9千人のグアム移転に向けて普天間代替施設の完成、グア移転により嘉手納以南の返還を実施。1800メートルの滑走路を持つ代替施設をキャンプ・シュワブ辺野古の水域に設置することを確認。

訓練移転として徳之島、日本本土への自衛隊基地を予定する。施設の共同使用は米軍と自衛隊と共同使用。嘉手納飛行場の騒音削減にも言及。

日米共同声明を受け、日米実務者協議は移設報告書をまとめる。それによると滑走路(2本併記)は現行計画に沿った「V字型」と「I字型」滑走路を併記する。

「V字型」は205ヘクタール、1800メートル滑走路2本、経費約3500億円を見込む。約160ヘクタールの海域が埋め立てられ、2100万立法メートルの土砂が必要。約78.1ヘクタールの海草類、約6.9ヘクタールのサンゴ類が影響を受ける。

「I字型」は150ヘクタール、1800メートルの滑走路1本。経費はV字型より約3%小さくなる。約120ヘクタールの海域が埋め立てられ、1890万立法メートルの土砂が必要。約67.0ヘクタールの海草類、約5.5ヘクタールのサンゴ類が影響を受ける。

米側は着陸と離陸を使い分け、海上飛行場を想定。集落上空を回避できる「V字型」が最適と主張。日本側は「I字型」への変更を主張。日本側が主張したのは@埋め立て面積の減少、A環境への影響が比較的小さい、B計器飛行の際に名護市北東の陸上部にある陸上部を飛ぶが、海上を飛行するV字型より集落から遠くなり、埋め立て面積も縮小できる、というものであった。

日米決着は2010年11月28日以降に先送りされた。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:00| 米軍基地・評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月21日

■普天間移設問題の増悪(43)

■普天間移設問題の増悪(43)
〜米軍再編を閣議決定〜

2006年5月30日、政府は在日米軍再編最終報告の実施に向けた方針を閣議決定。軍民共用空港建設や北部振興策を盛り込んだ1999年12月28日の閣議決定は廃止した。振興策に関する新たな協議機関を設置する。

普天間移設ではV字型滑走路を基本とし、現行の普天間飛行場の危険性除去や周辺住民の安全、実行可能性に留意し「早急に代替施設の建設計画を建設する」とした。

基本計画や安全・環境対策、地域振興で県・関連自治体と協議する機関を設置。早期実施のための経費を捻出するため「防衛関係費の合理化、効率化を行う」と明記し、現行の中期防衛力整備計画(2005年度〜2009年度、計24兆2400億円)を見直す。

閣議決定のポイントは下記の通り。
@日米安保体制の維持・発展のため、抑止力維持と地元の負担軽減が必要。
A新たな負担を担う地元の要望に配慮し、地域振興などの措置を実施。
B海兵隊のグアム移転は沖縄県の負担軽減に重要で、所要の経費を分担し早期に実施。
C再編を的確かつ迅速に実施する。防衛関係費の思い切った合理化・効率化を行い、中期防衛力整備計画は再編経費全体の見積もりが明確になった次第見直す。
D普天間飛行場は日米安全保障協議委員会で承認された案を基本とし、早急に建設計画を策定。政府、沖縄県、関係自治体による協議機関を設置して対応。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| 米軍基地・評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする