2016年03月18日

沖縄振興法成立をめぐる国会論戦(15)

沖縄振興法成立をめぐる国会論戦(15)
〜1971年11月・国会質疑のポイント〜

■問40 「特定の事業用資産の買換えの場合の特例の適用があるものとする」とはどういう意味か。

この規定は、工業開発地区以外の地区(本土ではすべて該当する)にある事業用資産を譲渡して工業開発地区にある製造の事業の用に供する事業用資産を取得した場合には、租税特別措置法第三十七条または六十五条の六の規定による譲渡所得の課税の特例の適用がある旨を規定したものである。

その趣旨は、特定の事業用資産の買換えの場合の課税の特例を適用することにより工業開発地区内に企業を誘致し、地域開発を図ろうとするものである。

このため、租税特別措置法第三十七条及び第六十五条の六の規定の改正が行われる予定であり、租税特別措置法第三十七条の規定は、個人が特定の事業用資産の買換えをした場合の譲渡所得の課税の特例を定めたもので、その内容は工業開発地区以外の地域内にある土地若しくは土地の上に存する権利、建物又は構築物を譲渡し、その年の翌年の12月31日までに工業開発地区内にある製造業の事業の用に供する土地等及び土地の取得に伴い取得される建物、構造物又は機械及び装置で当該土地等において事業の用に供されるものを取得し、かつ、取得の日から1年以内に当該取得した資産を工業開発地区内にある当該個人の事業の用に供し、または供する見込みであるときは、譲渡による収入金額のうち買換え資産の取得価格に相当する部分について譲渡がなかったものとするものである。

租税特別措置法第六十五条の六の規定は、法人が特定の事業用資産の買換えをした場合の課税の特例を定めたものである。

その内容は工業開発地区以外の地域内にある土地建物又は構造物を譲渡し、当該譲渡の日を含む事業年度又は翌事業年度開始の日から1年以内に工業開発地区内にある製造の事業の用に供する土地等及びこの土地等の取得に伴い取得される建物、構造物又は機械及び装置で当該土地等において事業の用に供されるものを取得し、かつ、取得の日から1年以内に当該取得した資産を事業の用に供し又は供する見込みであるときは、当該買換資産につき圧縮限度額の範囲内で、その帳簿価格を損金経理により減額したとき等に限り、その減額した金額等は、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入するというものである。
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2016年03月17日

沖縄振興法成立をめぐる国会論戦(14)

沖縄振興法成立をめぐる国会論戦(14)
〜1971年11月・国会質疑のポイント〜

■問38 この法案における税制上、金融上の優遇措置で沖縄に優良な企業が立地すると考えられるか。

この法律では、税制上の優遇措置として、農民に対する農地を工場用地として譲渡した場合の譲渡所得の特別控除、立地企業に対し事業用資産の買い換えの場合の課税の特例、減価償却の特例及び事業税、不動産取得税、固定資産税の減免を行った地方公共団体に対する地方交付税による補てん措置を定めて、これまで地域開発立法で講ぜられた最大の優遇措置を規定しているほか、特定事業所の制度及び特例の準備金の制度を新たに規定している。

金融遇上の優遇措置としては、新たに沖縄振興開発金融公庫が設立される予定で、その資金の活用を図ることとしている。さらに、工場用地、工業用水道、道路等の産業関連施設や職業訓練施設等の整備の促進に努めるものとしている。

以上の措置により、企業側の本土の過密都市における用地、労働力等の不足に対処するための地方分散の気運の増大といった現実を勘案すれば沖縄に優良企業を導入することができるものと考えられる。

■問39 個人がその有する工業開発地区内の農用地等を工業用地の用に供するため譲渡した場合にその譲渡所得についての所得税を軽減する理由は何か。

現在、相続特別措置法第三十四条の三において農村工業導入地区内の農地の譲渡については150万円の特別控除を認める制度が設けられているが、今回の工業開発地区内の農用地等の譲渡についても農村工業導入地区内の譲渡の場合におおむね同様の事情にあると認められるので150万円の特別控除を同様に認めることとするものである。

すなわち、本来この規定は農地保有の合理化に資することを狙いとしている制度であるが、農村地域工業導入促進法においては、単に農村地域に工業導入を促進するだけでなく、これと相まって農林漁業構造改善を促進することを狙いとしていることから、通常の誘致地区と異なり、ある意味で農地保有の合理化の一環と考えられるものとしてこの優遇措置が認められている。

本法案も工業開発地区の指定に当たって農林漁業構造の改善について配慮するものとしており、その意味は農林漁業の従業者が工業に就業することを促進するとともに、これと相まって農林漁業構造の改善を積極的に促進することであるとしている。従って、農村地域工業導入促進法と同様の趣旨である。
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2016年03月16日

沖縄振興法成立をめぐる国会論戦(13)

沖縄振興法成立をめぐる国会論戦(13)
〜1971年11月・国会質疑のポイント〜

■問36 工業開発地区の指定の解除は、どのような場合に行われ、どのような効果があるか。

工業開発地区の指定の解除は例えば、工業開発地区の指定の際、具備していた第十一条第一項の政令で定める要件が日時の経過により失われたとか、その地区の工業の開発が進展して、その地区について税制上の優遇措置を続けることが適当でないと認められるにいたった場合が考えられる。

これは本来第六項の沖縄開発庁長官の権限による指定の解除についても同様である。

指定の解除が行われると、その解除後税制上の優遇措置の適用はないが、その解除以前に税制上の優遇措置の適用を受けつつあるものについては、そのまま既定の優遇措置を講ずる。

■問37 工業開発地区の規定のスケジュールはどうなっているか。

工業開発地区に関する規定は、本法案が施行されてから、すなわち、復帰後できるだけ早い機会に沖縄振興開発審議会を開き、地区指定の基準等の審議をし、地区指定を早急に行いたいと考えている。

ただ、申請を準備する沖縄県の事情あるいは、指定地区についての調査も必要であるので、いつ、何地区を指定するかは今後の検討を待つことにしたい。
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