2016年03月17日

沖縄振興法成立をめぐる国会論戦(14)

沖縄振興法成立をめぐる国会論戦(14)
〜1971年11月・国会質疑のポイント〜

■問38 この法案における税制上、金融上の優遇措置で沖縄に優良な企業が立地すると考えられるか。

この法律では、税制上の優遇措置として、農民に対する農地を工場用地として譲渡した場合の譲渡所得の特別控除、立地企業に対し事業用資産の買い換えの場合の課税の特例、減価償却の特例及び事業税、不動産取得税、固定資産税の減免を行った地方公共団体に対する地方交付税による補てん措置を定めて、これまで地域開発立法で講ぜられた最大の優遇措置を規定しているほか、特定事業所の制度及び特例の準備金の制度を新たに規定している。

金融遇上の優遇措置としては、新たに沖縄振興開発金融公庫が設立される予定で、その資金の活用を図ることとしている。さらに、工場用地、工業用水道、道路等の産業関連施設や職業訓練施設等の整備の促進に努めるものとしている。

以上の措置により、企業側の本土の過密都市における用地、労働力等の不足に対処するための地方分散の気運の増大といった現実を勘案すれば沖縄に優良企業を導入することができるものと考えられる。

■問39 個人がその有する工業開発地区内の農用地等を工業用地の用に供するため譲渡した場合にその譲渡所得についての所得税を軽減する理由は何か。

現在、相続特別措置法第三十四条の三において農村工業導入地区内の農地の譲渡については150万円の特別控除を認める制度が設けられているが、今回の工業開発地区内の農用地等の譲渡についても農村工業導入地区内の譲渡の場合におおむね同様の事情にあると認められるので150万円の特別控除を同様に認めることとするものである。

すなわち、本来この規定は農地保有の合理化に資することを狙いとしている制度であるが、農村地域工業導入促進法においては、単に農村地域に工業導入を促進するだけでなく、これと相まって農林漁業構造改善を促進することを狙いとしていることから、通常の誘致地区と異なり、ある意味で農地保有の合理化の一環と考えられるものとしてこの優遇措置が認められている。

本法案も工業開発地区の指定に当たって農林漁業構造の改善について配慮するものとしており、その意味は農林漁業の従業者が工業に就業することを促進するとともに、これと相まって農林漁業構造の改善を積極的に促進することであるとしている。従って、農村地域工業導入促進法と同様の趣旨である。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする