2016年04月21日

米軍政下の沖縄援助をめぐる国会論戦(3)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(3)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

さらに生活保護については、援助率を従来の20%から80%に引き上げた。これにより生活保護の援助費は、一挙に昨年の4倍に増額され、昭和42年度(1967年度)に3億3839万円、昭和43年度(1968年度)に1億1279万円の援助を予定している。

社会保険については、発足初年度の昨年度に引き続き公務員退職年金及び医療保険の両制度の健全な運営を図るため、昭和42(1967)年度、43(1968)年度において総額2億9000万円を援助し、その財政的基盤を充実させることとしている。

医療関係の援助としては、医師、歯科医師派遣を昨年とほぼ同規模とし、結核患者の本土収容治療は人員を増やしたほか、新たに結核対策として結核検診班の派遣による検診の強化を行うこととしている。

その他、精神衛生、原爆被爆者対策、清掃施設建設等を継続して援助することとしている。

(3)産業開発、国土保全、交通等の関係の公共事業は、従来より継続して緊急にして経済効果が期待される事業について援助することとした。

(4)その他の援助の重点及び新規事業の概要は次のとおりである。

農漁業融通資金、中小企業融通資金を前年同額。先島テレビ放送施設は、昨年度から2ヵ年計画で本年度に放送開始を目標に建設中であるが、来年度はその第2年次として昨年度の国庫債務負担行為の歳出分を含め約5億円を計上した。

本年度新規に計上したものは、水産資源調査、海外無線局整備、移住振興、臨時糖業振興資金助成、極超波回線建設、裁判所庁舎建設、資金運用部資金の融資、沖縄青年浜松会館建設の援助である。

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2016年04月20日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(2)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(2)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

●援助費の概要
沖縄援助費の概要及び新規事業は次のとおりである。

一般援助関係
(1)教育関係の援助は、昨年に引き続き重点的に援助することとしている。教職員給与は、本年(1967年)5月分から来年3月分までを昭和42年度(1967年度)分として24億4291万円を計上し、来年4月分ないし6月分を昭和43年度(1968年度)分として5億1581万円を援助する予定にしている。

教科書無償供与は、前年度同様中学3年まで実施することとし、学校施設、学校備品の整備改善のため昨年とほぼ同規模の援助を行うこととした。

また、国費学生の招致、育英奨学事業については、単価人員等について昨年より充実を期している。

新規事業としては、沖縄の教員の資質の向上を図るために、教職員の研修等の施設として総合的な教育研修センターを建設することとし、その建設費を計上している。

(2)社会福祉、社会保険、医療費等の厚生行政については、新規に老齢福祉年金の給付に要する経費の援助のため、昭和42年度(1967年度)に1億1184万円を計上し、昭和43年度(1968年度)に5592万円を援助する予定である。

昭和42(1967)年7月から沖縄においても70歳以上の高齢者は、本土とほとんど同内容の老齢福祉年金を受給できることとなる。

また、新たに児童福祉対策として琉球政府の児童保護措置費の80%を援助することとし、昭和42年度(1967年度)に6500万円、昭和43年度(1968年度)に2200万円を計上するとともに、特殊疾病児童を本土に招致して治療することとした。この措置によって、従来、琉球政府で実施していた児童保護措置は内容的に飛躍的充実を図ることができることとなる。


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2016年04月19日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(1)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(1)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

日本政府が沖縄に財政援助を開始したのは1963年度である。沖縄は戦後17年間、日本政府の財政援助から切り離されていた。ケネディは1962年沖縄新政策を発表。これを受けて日本政府は米軍政下の沖縄に財政援助を閣議了解する。

沖縄財政援助は国会でどのような議論がなされていたのか。ブラックボックスに包まれていた対沖縄財政援助の国会論議の論点を明らかにする。

■問1 沖縄財政援助の基本方針は何か。

沖縄援助に関する基本方針は、沖縄の本土復帰に備え住民の民政・福祉の水準をできるだけ速やかに本土国民のそれと同水準にまで引き上げることを目途として、教育、社会福祉、公衆衛生その他の分野における格差の解消及び経済の発展を図り、沖縄と本土との一体化を推進することである。

■問2 昭和42(1967)年度沖縄援助費の特色と概要を示せ@。

●特色
第12回日米協議委員会において合意された日本政府の沖縄援助費は103億5277万円については、日本政府の会計年度(4月〜3月)と琉球政府の会計年度(7月〜6月)との相違に対処して、援助項目ごとに適時に援助金を支出し得るよう配慮して、日本政府の昭和42(1967)会計年度及び昭和43(1968)会計年度におのおの分割計上した。

すなわち、昭和42(1967)会計年度においては、82億1757万円を計上し、昭和43(1968)会計年度においては21億3520万円の援助を予定している。

明年度(一部昭和43年度支出分を含む)の対沖縄援助については、昨年度に引き続き大幅な増額を行うこととし、前年度の約倍額に近い額となっている。また、援助事業の各項目及び金額については、著しく拡充強化されている。

1966年9月の第2宮古島台風により宮古島は甚大な災害を被ったので、災害復旧事業に対する日本政府援助費を計上した。
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