2016年05月26日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(27)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(27)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

4.沖縄経済は本土経済との結びつきが非常に強い。沖縄経済と本土経済は現在、施政権及び通貨を異にするものの過去の歴史的沿革、地理的条件及び住民の生活慣習等から当然のこととして、緊密な関係に置かれている。

このことは、沖縄と本土間の貿易の面に端的にあらわれており、その特徴は

(1)1965年において沖縄側輸出額の約9割(約7700万ドル、277億880万円)、輸入額の約7割(1億6900万ドル、608億8300万円)が本土との貿易額であり、また、年々輸出入額が相当増加してきており、沖縄経済にとって本土との貿易は年々その重要性を加えてきている実情にある。

(2)沖縄側輸出品総額の約75%は砂糖及びパインアップル缶詰が占めているまた、両者の輸出額は1960年以降著しく伸びてきたのは、日本政府が貿易自由化体制のもとで、沖縄経済発展のため沖縄に対する特恵措置を講じたことによるところが大きく、この2産業が対外収入の主柱となっていると同時に沖縄経済発展に果たしている役割は実に大である。

(3)沖縄側が輸入する商品は食料品と動物類は約25%、原料別製品と機械運搬用機器類が約42%、雑製品、薬品、油脂、その他が23%と住民生活各般の必要な物資の大半が本土に依存しており、沖縄経済の自立自給率の弱さが示されている。今後の沖縄産業振興等がこれらの面に向けられる必要があろう。

このように、本土の特恵措置によって保護を受けている砂糖、パインが沖縄の輸出総額に占める割合が大きく生活物資の大半を本土に求めているということは、沖縄の自立自給経済への途はまだ遠いと言える。

この打開策としては、沖縄における産業開発及び合理化のためまず資本不足に対処して低利長期の投融資を政府及び民間ベースにおいて可能な限り拡充するとともに、産業技術の注入、貿易、消費流通面の改善について一層の努力を続けることが必要と考える。

本土経済界においても昨年(1966年)7月沖縄経済と本土経済の経済情勢相互認識及び沖縄経済振興に関する諸方策を検討する場として第1回沖縄経済振興懇談会を開催し初期の効果を収めたが、さらに引き続き本年(1967年)3月第2回懇談会の開催を計画しているようであるが、政府としてもこのような会議の意義と効果について十分な期待を持っているのである。
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2016年05月25日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(26)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(26)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問17 沖縄経済の現状とその特徴を問う。

1.沖縄経済は近年において著しい成長を遂げている。沖縄における国民総生産は1960年度から年平均約14%の伸びを示しており、1966年度における総額は1,567億8千万円(435.5百万ドル)となっている。

これは、砂糖、パイン産業に対する本土の貿易特恵措置による生産、輸出の著しい増加並びに駐留米軍の需要増大によるところが大きい。

しかし、1966年度における国民所得総額は1,446億8千万円で1人当たり15万4千円であり、本土の昭和40(1965)年度における全国平均1人当たり25万円の60%、相当(類似)県と考えられる県の国民所得の1人当たりの16万円〜17万円の90%強となっている。

2.沖縄経済における自立自主経済の主な柱は、砂糖、パイン産業である。沖縄は天然資源が乏しく、また、地理的、気候的影響もあって農林業においても、その適産とされる分野が比較的限定され、また、資本蓄積の過少、貿易上の隘路等の理由から近代工業の成立発展が著しく立ち遅れている等の経済的条件から、本土の貿易上の特恵措置により支えられている砂糖、パイン産業が現状においては、沖縄自主経済の主柱となっている。

3.沖縄経済は、その対外収支にも明らかなごとく、米軍基地経済に対する依存性がきわめて高い。

1965年度における対外収支における基地収入と目される額は、軍雇用者給与、軍用地料、物品納入、工事請負等総額365億円で対外受取り総額831億2千万円の42.3%を占めている。

このことは、沖縄経済の産業構造の性格を消費経済、第三次産業の経済として特色づけられているということもできる。

第三次産業の国民所得額は1966年度で1,022億円(2億8,400万ドル)であり、国民所得総額に対し70.6%という非常な高率を示していることにあらわれている。

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2016年05月24日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(25)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(25)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問15 昭和41(1966)年度の予算執行状況はどうか。

沖縄援助には、援助金として琉球政府に交付するもの、政府が直接支出するもの及び政府が南方同胞援護会を通じて支出するもの、以上三種類の態様がある。

(1)援助金について
当初予算額の48億3117万円については、第三・四半期末までに25億3341万円(予算額の52.4%)を支出しており、第四・四半期末までに42億5617万円(88.1%)の支出を完了する見込みである。

なお、琉球政府の会計年度は6月末までであることを考慮に入れ、また、次の昭和40(1965)年度予算執行率は大幅に促進されているものと言える。

次に、補正予算で追加された災害援助費の援助金3億6千万円については、本年(1967)3月中に支出を完了する見込みである。

(2)政府が直接支出する予算及び南方同胞援護会を通じて行う援助費について

予算額は合計9億6,961万円であるが、執行は円滑に行われており、年度内にすべて完了の予定である。

■問16 沖縄援助金に対しどの程度会計検査を行っているか。また、その根拠は何か。

沖縄援助金の会計検査は毎年一度行われることが従来の原則となっているが、昨年の場合、会計検査院の職員4名で18日間に亘って行われた。

検査は書類検査、現場検査を行うが、すでに本土で行われる補助事業の場合と同程度の検査を行っている。

検査の結果、注目すべき点は琉球政府に通知しているが、今日までのところ、指摘された点は軽微なもので、琉球政府の技術水準が向上すれば改善する種類のものが多い。

次に、会計検査は会計検査院の職員を派遣して実施しているが、これは「補助金に関する覚書」第13項に基づき総理府の権限とされている検査権の執行として行われるものである。

沖縄の施政権は米国にあるので、会計検査法は沖縄に適用できないから、会計検査法に基づく会計検査の独自の権限に基づいて行っているのではない。
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