2016年05月23日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(24)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(24)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問14 昭和42(1967)年度から新たに資金運用部に対する財政援助が計上されることになったが、琉球政府の資金運用部資金運用の現状と今後の方針を示せ。

政府は、資金運用部資金の原資を充実するため、昭和43(1968)年度に3億円の援助金の支出を予定している。

沖縄の資金運用部資金法は。1966年8月8日立法第111号によって成立した。同法の内容は、本土の同名の法律とおおむね同様である。

同法によれば、運用される資金は、郵便貯金、政府の特別会計の積立金及び政府の余裕金等である。

また、資金は次のものに運用することになっている。
(1)政府債又は市町村債
(2)政府又は市町村に対する貸付
(3)特殊法人の発行する債券
(4)特殊法人に対する貸付
(5)農林漁業中央金庫の発行する債券
(6)農林漁業中央金庫に対する貸付

資金運用部資金の運用利率は、長期資金の場合で6.0%である。琉球政府は、資金運用部資金法に基づき1966年12月1日から原資1055万3千ドルで運用を開始した。1967会計年度の運用計画は@長期運用として電信電話公社100万ドル、土地住宅公社128万ドル、大衆金融公庫100万ドル、中央金庫100万ドル、市町村330万ドル、小計758万ドルである。

A短期運用としては、一般会計、その他で139万ドル、支払準備金として158万3千ドルで運用計画の合計は1055万ドル3千ドルである。

今後の運用部資金の運用方針ついては、原資の大部分が一般大衆の貯蓄であることにかんがみ、安全かつ確実な方法により公共の利益の増進を図ることを基本方針として、毎年度資金運用部審議会の審議を経て運用の公正適切を図りつつ運用されることと思う。
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2016年05月20日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(23)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(23)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問13 市町村に対する交付税制度はどうなっているか。日本政府による援助の考えはないのか。

沖縄における地方制度は、市町村自治法、市町村財政法、市町村交付税法等一連の立法が制定されており、おおむね本土市町村と同様であり、現在所得税、法人税、酒税、タバコ消費税、葉タバコ輸入税の政府6税の合計額の22.6%を交付税の総額とされているが、大部分の市町村財政は基盤がぜい弱な状態であるので、この程度の交付税をもってしては、市町村の行政施策に要する財政需要に対し不十分な状態であり、その財源は非常にひっ迫している。

市町村自治振興のためには、その財源基盤を強化することが必要であるが、琉球政府自体の財政基盤の弱さからこの交付税を一挙に増加することは難しいと考えられるが、日米財政援助金の最近における増額措置にかんがみ適当と考える。

■沖縄と佐賀県(類似県)の人口一人当たり歳入比較
(1964年度決算:全琉球市町村決算)
@市町村税:1,079円(佐賀県:3,975円)
A市町村交付税:1,172円(佐賀県:地方交付税3,906円)
B政府支出金:716円(佐賀県:国庫支出金2,536円)
C他の項目の詳細は省略
1人当たり総額:4864円(佐賀県:16,382円)
琉球市町村決算から見ると、沖縄は自主財源である市町村税、市町村交付税、政府支出金の1人当たり金額は類似県の佐賀県に比べると極端に低い現状である。
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2016年05月19日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(22)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(22)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

(3)次に日米協議委員会においては、昭和42(1967)年度、43(1968)年度ともあくまで国会での承認を前提として援助額に合意したものであって、政府としては当然この合意が実現することを希望するものであるが、この合意を行ったことによって法律的に、または外交的に日本が責務を負ったという筋合いのものではなく、また、この際42(1967)年度予算とともに43(1968)年度分についても国庫責務負担行為の承認を得て、責務負担の権限を授与されなければならないということでもない。

むしろ43(1968)年分については、43年4月〜44年3月の沖縄援助費の一環として、43年度予算において併せて審議していただきたいと考えている。

また、琉球政府は、自らの予算策定に当たって、その会計年度に対する日本政府援助取り決め額に基づいて、政府予算に歳入見積もり額を掲げ、これに見合う歳出予算を計上すれば、事業執行の権限は得られるのであって、これは米国援助については既に同様な方法で処理してきているところであるから、琉球政府にあっては、日本政府援助の43(1968)年度分について、この際、国債が付せられていなくとも何ら支障はないものである。
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