2016年05月18日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(21)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(21)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

そもそも沖縄援助費は、事業の進捗に応じ琉球政府の支払いの必要となった段階で、日本政府より琉球政府に対し支出されることになっている。

従って、日本政府援助が琉球政府の行政に密着したものであるところ、琉球政府の会計年度は7月〜6月であって、日本政府援助に係る事業は、これに即して行われることとなるから、3月に終わる日本会計年度内は原則としてその支出は終了しないこととなる。

しかしてこの場合、日本政府としては年度内に支出されないことが明らかな経費をその年度予算に計上する途はないのであって、これは年度内に支出されるべきものとは別途の予算措置をとらざるを得ないところである。

従って、今回の援助額に関する日米交渉は昭和42(1967)年4月〜43(1968)年6月までの期間に対するものであり、それは103億円ということで合意されたが、これは日本政府の予算に計上するに当たっては、その年度区分については、個々の援助項目について、それぞれの年度内の支出額を算定し、その積み上げによって決定したのであり、日米協議委員会において合意された総額は当然に昭和42(1967)年度、43(1968)年度に区分計上されることとなる。
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2016年05月17日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(20)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(20)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問11 日本政府の沖縄援助には長期計画がなく単年度について定められているので、琉球政府は長期的な財政展望を行うことが困難である。政府においては、少なくとも5ヵ年程度の日本政府援助計画を示すべきではないか。

ご承知のとおり、現在の沖縄援助は日米両国協力して行われているところであるが、近年、特にその援助額の増加が画期的であるのは、沖縄と本土との格差が大きく、速やかにこれを是正したいという日本政府の姿勢のあらわれである。

今後どの程度に援助を行っていくべきかは、日本の財政事情、米側の援助の増加の動向にかかっているので、長期援助計画の策定は理想ではあるが困難である。

従って、政府としては各年度ごとに当該年度の琉球政府の財政需要とその財政と米国の援助の動向を勘案しつつ、本土との格差を速やかに解消するよう援助を充実して参りたい。

■問12 日米協議委員会に提案した昭和42(1967)年度日本政府財政援助の予算計上年度が昭和42年度と43年度に区分して計上してあるが、その考え方を問う。また、このような方式で日米間の合意を行うためには、財政法上国庫債務負担行為が要るのではないか。

(1)1967年3月1日の日米協議委員会において合意された沖縄援助費(対米交渉を必要とする分)は総額103億5277万円であって、その内訳は42(1967)年度予算計上分が82億1757万円、43(1968)年度予算計上分21億3520万円となっている。

(2)このように従来の援助費と異なり、次年度の予算計上額まで含めて米国側と合意した者は、援助費の質量ともの増大により援助内容の策定が、援助を受ける琉球政府の行政に即して考慮される結果にほかならない。
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2016年05月16日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(19)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(19)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問10 沖縄援助の方式は、今後も現在のように補助金交付方式進めるのか。
また、沖縄援助金は地方交付税方式とすべきであるという議論もあるが、政府
の考え如何。

沖縄援助は、沖縄に潜在主権を有する我が国が米国の統治の下に置かれている
沖縄住民の民生福祉の水準を速やかに本土国民のそれと、同水準にまで引き上
げることを目途とすることを基本方針としている。

従って援助金は、この基本方針に則り沖縄における教育、社会福祉、公衆衛生そ
の他の民生上の各般に亘り、それらの本土との間の格差を解消するため、個々
具体的に緊急にして実効性の高い施策経費について援助金決定に関する日米間
の取り決めの手続を経て決定されるのである。

本土における地方交付税方式によって使途を決定しない包括的な一般財源とし
て援助額を決定することに関しては、元来、地方交付税は関税三法(所得税、法
人税、酒税)の一定割合を地方公共団体の共通の財源として(間接課徴型態の地
方税)、その配分が団体相互の財源調整と基準行政の財源補償の両機能を果たす
よう行われるものであるから、次の理由によりそのままこれを沖縄に適用する
ことにはなお検討すべき問題点がある。

1.本土の租税制度と法域を異にする沖縄においては、地方交付税の共有性がないこと。

2.沖縄の租税は、本土における国税相当分と地方税相当分とを併せて琉球政府税としており、また毎年度米国援助金を受け入れて財政運営がなされているので、その自主財源の額、すなわち財政力を本土の地方公共団体のそれと比較することは難しいこと。

3.しかし、沖縄援助金を個別補助金とせず、本土における地方交付税算定方式の応用により、かつ本土相当県の財政力、行政需要を比較指標に用いて、一括交付金により援助することとしてはどうかという議論もあろうが、このことは、沖縄における民生、福祉その他各般の行政水準、行政執行の態様等から見て、今直ちに現在の援助方式を変更することは技術的にも至難であり、かつ、適切とは思われない。

しかし、将来において沖縄における行政財政運営が安定向上し、本土との一体化がより一層進んだ段階において十分検討すべきであると考える。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする