2016年05月13日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(18)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(18)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

しかし、ここ数年の日本政府の対沖縄援助金の決定は、本土法に準拠して行うことが当該制度ないし施策の実現を図るうえで、当面かつ効果的であると考えたもので施政権者である米側の了承を得たものについては、逐次、本土法に準拠して補助金を決定している。

例えば、昭和39(1964)年度の場合、教科書無償供与(義務教育諸学校の科料用図書の無償措置に関する法律)、昭和40(1965)年度の場合、教科書無償供与、精神衛生(精神衛生法)、昭和41(1966)年度、教科書無償供与、精神衛生、教職員給与(義務教育費国庫負担法)、原爆被害者対策(原子爆弾被害者の医療等に関する法律)を実施してきた。

昭和42(1967)年度は、教科書無償供与、精神衛生、教職員給与、原爆被害者対策、生活保護(生活保護法)、児童措置(児童福祉法)の補助金を決定した。

以上の他にも、本土の補助立法の趣旨を援用して補助しているものが多い。

今後においても沖縄における教育、民生、福祉、その他の水準が本土のそれと格差がある部門においては、その格差の縮小ないし解消の状況に応じ、また、本土との一体化を促進するという援助の基本方針にかんがみて、政府としては、能う限り実質的に本土法を適用した場合と同程度の援助を行うことを目途として努力する所存である。

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2016年05月12日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(17)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(17)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

(1)沖縄については、@元南西諸島官公署職員の身分恩給等の特別措置に関する法律、A戦傷者戦没者遺族等援護法、B戦傷病者特別援護法、C未帰還者留守家族等援護法、D未帰還者に関する特別措置法、E戦没者の妻に対する特別給付金支給法、F戦没者の遺族に対する特別弔慰金支給法、G引揚者給付金等支給法─の一部を除いては、本土における国政相当事務及び地方事務が一体として行われているのに対し、本土においては、現在、一応国と地方公共団体との事務配分を前提として、国政事務と地方事務との体系的な負担区分を策定し、これに基づき補助立法がなされている。

この補助体系及び立法体系をそのまま沖縄に当てはめる援助費を算出することは不適当である。

(2)沖縄の租税制度は、本土における国税相当税と地方税相当税とが概ね琉球政府税として、また、その一部が地方税として制定施行されている。

沖縄の財政運営は、この租税制度による税収入、米国財政援助金及び日本政府財政援助金の三つの財源をもって行われている。

従って、本土の補助立法を適用して日本政府の援助を決定することとした場合においては、沖縄の租税及び米側の援助金との調整をいかにしてとるか、技術的に至難な問題がある。

(3)以上のように、本土法を沖縄に適用した場合と実質的に同様の援助金の額を決定することは、現状においては不合理または効果的でないと考えられる面が多く、また、技術的にも至難である。
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2016年05月11日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(16)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(16)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問9 沖縄を本土の府県とみなして本土法を適用した場合に援助すべき額の相当額を援助費として見なすべきだはないか。

政府としては、沖縄援助の基本方針を「沖縄の本土復帰に備え、沖縄住民の民生、福祉の水準をできるだけ速やかに本土国民のそれと同水準に引き上げることを目途として、教育、社会福祉、公衆衛生その他の分野における格差の解消及び経済の発展を図り、もって沖縄と本土の一体化を推進する」ことにおいている。

ここ数年度における沖縄に対する財政援助の決定においては、この基本方針に則り、沖縄の施政権を有する米国との外交上の取り決めに基づき、我が国の財政事情を勘案して、最も緊急にして効果的と考える施策実現のための所要経費を援助することとしている。

従って、お説のようにほとんど全面的に本土法を適用した場合の相当額を援助費として決定することについては、なお次の諸点に問題があると考える。

(1)沖縄における住民の教育、民生福祉、公衆衛生、産業経済の各分野における現状水準が本土のそれらと相当の格差があることは事実である。

特に沖縄は、戦後20数年米国施政権下の下にあって戦後の復旧が行われてきたのであり、上記の各行政分野における制度の実態は必ずしも現在の本土の諸制度とは同一ではない。

このように法域を異にし、制度上の相違を持つ沖縄に本土法をそのまま適用した場合を想定して援助費を算出することには問題がある。
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