2016年06月10日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(36)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(36)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問26 沖縄の企業課税の問題点如何。

沖縄においては、企業に対する課税の特例措置として租税特別措置法による所得税、法人税等を軽減若しくは免除等の特例を設けているが、沖縄における企業経営、立地条件並びに本土における企業課税の特例措置から見てまだ十分とは言えない。

すなわち、次の諸点について検討の余地があるものと考える
(1)企業課税の中で最も主要な地位を占めている法人税は所得税と同じく、琉球政府発足当初(1952年)、本土法人税法にほとんど準拠して立法されたものであるが、その後、税制改正の主眼が所得税軽減策に置かれてきたこともあって、法人税の改正は税制の部分的手直し程度にとどまっており、本土のように経済環境の推移や経済政策に伴う企業課税に対する幾多の改正措置に見合っての改正がほとんど行われていないこと。

(2)法人税率においては、本土に比べて相当高額であり、自己資本率の低い沖縄企業、特に中小企業の資本充実を図るための税率の引き下げ等合理化を図ること。

(3)企業内留保資金を拡充させるため、減価償却率を固定資産の耐用年数に対応させるよう改善すること。

(4)沖縄の所得税法には、青色申告制度と専従者控除制度がないか沖縄における零細企業の経営安定のため、この制度の採用が有効と考えられること。

■本土と沖縄の所得税比較
本土:10万円以下8.5/100(沖縄100ドル以下10/100)
本土:10万円〜30万円10/100(沖縄100ドル以上15/100)
本土:30万円〜60万円15/100(沖縄200ドル以上20/100)
本土:60万円〜100万円20/100(沖縄400ドル以上25/100)
本土100万円〜150万円25/100(沖縄700ドル以上30/100)
本土150万円〜220万円30/100(沖縄1200ドル以上40/100)
本土220万円〜300万円35/100(沖縄2000ドル以上40/100)
本土300万円〜400万円40/100(沖縄3000ドル以上47/100)
本土400万円〜600万円45/100(沖縄5000ドル以上53/100)
本土600万円〜1000万円50/100(沖縄8000ドル以上59/100)
本土1000万円〜2000万円55/100(沖縄15,000ドル以上65/100)
本土3000万円〜4500万円65/100
本土4500万円〜6000万円70/100
本土6000万円以上75/100

■法人税についても本土より沖縄が高い(詳細な税率は省略)。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:02| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月09日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(35)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(35)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問25 沖縄の第2次産業の振興策如何。

沖縄経済は輸入依存型度及び基地経済依存度が高いため不安定な状況であるので、その自立安定性を高めるためには、第2次産業の振興を図り、自給度を高め、更には積極的に輸出の伸長がなされなければならないと考えられる。

しかも、第2次産業の現状は、その就業者数においても、所得においても10%台という低位にある。

第2次産業の振興を阻害する要因として第1にあげられるのは資本の不足であるが、沖縄の所得水準が低いため、島内での貯蓄のみでは需要に見合う資本蓄積は期待できない。

従って、この資本不足をカバーするためには、本土と米国からの資金援助、外資導入等に頼らざるを得ないと考えられる。

第二にその地理的条件、島内資源の貧弱等であるが、これらの要因が自給産業に対しては、物品税や輸入規制による保護措置が必要とされ、輸出産業にあっては、本土の保護によって成立させている現状である。

要するに、沖縄の産業は国際競争力がきわめて弱いので、まず第1に既存産業のコストを低減させる等合理化を進めつつ新規産業の開発が必要であると思われる。

コストを左右する要因として、原材料、電力、水の問題及び企業の合理化の問題が考えられる。

原材料は、海外への依存度が極めて高く、砂糖、パインを除けばコスト低減に関し考慮する余地はほとんどない。従ってこの面で問題になるのは原材料としての砂糖、パインのコスト低減及び電力コストをより安く供給することが検討されなけれればならない。

コスト低減の内的要因として、生産設備の近代化、技術者の養成及び幹部の再教育による生産管理の能率的運営を図り、企業の合理化を推進するとともに、企業の合理化を推進するとともに、企業の合併による経営規模の適正化が考慮されるべきである。

現状においては、沖縄の輸出は砂糖とパインによって支えられている。しかし、この両産業の国際競争力はきわめて弱く、保護措置がないと成り立たない。

従って、沖縄における第2次産業の振興は、この両産業への輸出依存度を引き上げる新規輸出産業の開発に焦点をしぼらざるを得ない。

沖縄の置かれている立地条件、その他から見て、豊富な人的資源を活用する軽工業、例えば自由貿易地域を利用する機械組み立て工業、繊維工業、水産物、畜産物加工食品工業等が検討される必要がある。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月08日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(34)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(34)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問24 輸出入銀行資金の沖縄産業への活用の実績はどうか。また貸付の条件はどうか。

輸出入銀行資金が沖縄産業に活用された実績としては、1966年度末現在まで輸出資金では11件、14億4200万円(輸銀融資分)、投資資金では4件、1億7906万円(輸銀融資分)となっており、その貸付条件は年と品目によって若干の相違はあるが、輸出資金にあっては年利約5%、貸付期間は3〜5年、投資資金にあっては年利6〜6.5%、貸付期間は約5年となっている。

なお、貸付条件については、従来、沖縄向けについてはいわゆる「潜在主権地域留保」をつけて外国向けに対するよりも若干不利に扱っていたが、1966年以降はその留保条件を撤廃して外国並みとし、年利については1%の低下を図っている。

また、沖縄産業への直接的活用ではないが、タグボート、火力発電所関係施設等バイヤーが米軍であるものについては、輸出資金で44件、36億5841万円、輸入資金で1権、6300万円となっている。

(注)
輸出資金とは、本邦で生産された設備等を外国へ輸出される場合に必要とされる資金を言う。

投資資金とは、海外投資資金として本邦法人が外国法人に出資するに必要な資金を言う。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:02| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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