2016年06月13日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(37)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(37)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問27 琉球政府の中小企業施策はどうなっているか。

沖縄における中小企業とは資本金10万ドル未満、授業員100人未満の企業(商業、サービス業では資本金2万ドル未満、従業員20人未満)を言うのであるが、この沖縄経済における位置を見ると、企業数において全企業の9割、従業員数において7割、製造業における付加価値生産額の5割を占めている。

沖縄の企業は本土の企業に比較すると全体に小規模であり、これまで琉球政府は企業対策として大企業、中小企業という区別はとっていなかったのであるが、最近になって経済の高度成長に伴い、いわゆる経済の二重構造が意識されるようになり、中小企業問題の解決の必要に迫られている。

中小企業は沖縄経済においてきわめて重要な位置を占めているにも関わらず、大企業との間には生産性や賃金等の面で格差を生じており、特に規模の小さい企業になるにつれてこの傾向は顕著であり、年々格差が開きつつある。

このような事態に対処するため、1965年9月には行政機関の諮問機関として「中小企業基本問題調査会」が設置された。同調査会は66年3月第1回の答申を行い、その内容は次のとおりである。

(1)中小企業の範囲
(2)中小企業の金融対策を中心とする関係法規の早期制定が必要であるとして「中小企業近代化促進法」の   立法勧告を要請し、66年8月に制定された。
(3)政府の機構として「中小企業課」の設置を建議した。

なお、同調査会は、今後、物的生産の向上、生産技術、企業規模、形態の適正化、企業の協業化、組織化、金融の円滑化、税制、労働生産性、雇用条件、雇用の確保、流通機構、流通政策等に関し、各専門部会において調査、研究を行う方針である。

一方、琉球政府工業開発地区研究指導所では、企業診断、講演等を通じて製造工程の改善指導、経営の科学的管理指導等生産性向上運動を推進する等の基本方針を立て企業の改善を図っているが、中小企業者の組織的体制が不十分であるためあまり効果はあがっていない。

金融面においては、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする中小企業者に対して必要な事業資金の貸付をすることを目的として1954年大衆金融公庫を設立し、中小企業対策に当たっている。

沖縄では中小企業を対象とする金融機関は、この大衆金融公庫だけであるが資金が不足がちで1966年度における貸付高は交付申込額の55.8%にとどまっている。


posted by ゆがふ沖縄 at 00:00| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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