2016年07月29日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(56)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(56)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問53 沖縄における職業訓練の現状はどうか。これに対し援助を強化する考えはないか。

琉球政府は昭和29(1954)年制定の職業安定法に基づき昭和30(1955)年11月に那覇及びコザの二ヵ所に公共職業訓練所を開設し現在までに2000名余の修了者を沖縄の産業界に送り出している。

那覇公共職業訓練所は事務科、家政、自動車整備、溶接板金、測量、電気機器修理科があり、コザ訓練所は事務科、和文タイプ、英会話、測量科がある。

沖縄においても経済の発展に伴い雇用の増大はめざましいものがあり、単純労働の求人は充足率が80%を超えるにもかかわらず、技能工の充足率は40%と著しい差が生じている。

これを業種別にみると、最も不足しているのは建築大工、電工、ミシン縫製工、自動車整備工である。

琉球政府はこのような技能不足を補い、産業界の需要に応じるため公共職業訓練所を拡充強化する方針を検討している。

日本政府としては、昭和41(1966)年度上述の実情にかんがみ既存の訓練所の機能を強化するため、溶接板金科実習場、配管科実習場の建築費と施盤等備品購入費の80%、725万4千円を援助した。

また専門家を沖縄に派遣し本土の訓練所への入所選考を併せて行い、昭和41(1966)年度19名、昭和42(1967)年度約20名入所予定である。

今後は、日米協議委員会を通じて沖縄の技能労働者確保のためさらに努力したい。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:07| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月28日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる論戦(55)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(55)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問52 駐留沖縄米軍に雇用される労働者の労働三権はどのようになっているか。

駐留沖縄米軍に雇用される沖縄労働者は民立法を適用されるものではなく、布令第116号「琉球人被用者に対する労働基準及び労働関係法」の適用を受ける。

この布令第116号は、@米民政府に雇用される職員、軍の事務員、カード等の第1種労働者は団体交渉権及び争議権が禁止されていること、A労働者の苦情処理機関としての労働関係委員会の構成が労働者代表を含まない等その公平性について若干問題があり、また、委員の身分保障も明らかではないことである。

現在、この布令第116号で駐留米軍に雇用される沖縄人労働者19万人の約20%を占めている。

このような布令の改廃をめぐって琉球政府立法院も第32回臨時議会において、各派共同提案による「布令第116号の廃止に関する要請決議」を1966年12月19日全会一致で可決している。

このような沖縄の人々の布令改廃の動きに対し、米国民政府は本国労働省により専門家を招聘して慎重に検討している。

(参考)
在日駐留米軍に雇用される日本人労働者の身分、勤務条件は「日本国との平和条約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基づく行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律」(昭和27年法律第174号)により規定されている。

@身分は国が雇用するが国家公務員ではない。
A労働三法の適用がある。
B勤務条件は防衛施設庁長官が決定する。


posted by ゆがふ沖縄 at 00:02| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月27日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(54)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(54)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問50 教育公務員に対する立法が最近大きな問題となっているが、沖縄における公務員及び公共企業体職員の労働関係制度はどうなっているか。これに対する政府の関係を問う。

琉球政府公務員に対しては、1953年1月26日立法第4号として「琉球政府公務員法」が、琉球電信電話公社及び郵政関係の公共企業体職員については1960年8月25日立法第107号として「公共企業体等労働関係法」が施行され適用されている。

これらの法律は、いずれも本土の地方公務員法、公共企業体等労働関係法に準拠して法文化されているためほとんど同一内容みなしてと差支えない。

ただ、市町村等の職員並びに教職員に対する身分関係、団結権、政治行為等を定めた法律は現在のところない。

■問51 沖縄における労働組合の組織状況はどうか。

沖縄における雇用労働者は約19万人、(1964年労働力基本調査)、そのうち、組織労働者は20%の3万8000人、組合数にして124組合であり、15万余の未組織労働者が存在している。

組織労働者は県労協(沖縄県労働組合協議会)と沖労連(全沖縄労働組合連合会)に集約される。

沖縄には1961年に初めて中央組織として全沖労連が結成されたが、1963年春闘の中でバス共闘(私鉄総連加盟)のストを契機として組織が分裂し1964年9月県労協が結成された。

県労協は、組合数54(1964年12月琉球政府調べ)組合員数3万1000人で全組織組合の90%に当たり、その主体は官公労組合である。

沖労連は19組合1200人で3%、残り7%程度がいづれにも加盟していない組合である。




posted by ゆがふ沖縄 at 00:02| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする