2016年07月26日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(53)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(53)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問48 沖縄における労働事情、特に労働力の需給状況はどうか。また、本土企業の求人活動はどのようになっており、その問題点は何か。

終戦により特殊な事情に置かれた沖縄においては、見るべき産業を持たぬため、過剰人口を控え、かなりの潜在失業者が存在していた。しかし昭和30年頃から本土の経済発展に伴い、沖縄は本土に対する有力な労働力供給地域となった。

しかし、最近においては、沖縄にいても経済発展に伴う雇用の増加及び基地雇用の増大につれ、本土との賃金格差も漸次縮小する傾向にあり、本土への労働力流出は停滞気味であり、一部の職種では労働力不足も顕在化し始めている。

今後、沖縄における労働力供給上の問題としては、技能労働者の養成の必要であり、沖縄精糖産業、パイン産業における労働力需要がきわめて季節性が高いので、これら熟練労働力の他産業への年間平準活動の促進等があげられる。

■問49 本土と沖縄における失業保険の相互保障の問題はどうなっているか。

かねてから、本土で失業保険の受給資格を得た者が離職後、沖縄に帰省し失業している場合、及びその逆の場合のこれらの失業者に対する失業保険給付に相当する給付の実施については、関係各方面より政府に対し要請もあり検討していたところであるが、この問題については、政府は1967年1月19日、沖縄において琉球政府及び米国民政府と意見の調整を行い、これが実施計画の大綱において合意を得たところである。

政府はこの合意に基づき、所要の関係法律案を今国会において提案を行うこととしているので、関係法律及び予算措置が国会で審議可決された場合には、琉球政府及び米国民政府と実施上必要な覚書を締結し、できる限り早期に本計画を実施することとしたい。

(注)本措置が実施された場合、沖縄においてその適用を受ける者は、本年度においても年間約2400人、給付額は約1億9000万円と推定される。

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2016年07月25日

■沖縄へ弾圧を強める国家権力

■沖縄へ弾圧を強める国家権力
〜市民排除の暴挙〜

今、沖縄で起こっているか。辺野古移設、高江ヘリパット着工で国家権力が再び沖縄に襲いかかった。辺野古新基地建設を巡り、国が沖縄県を再提訴した。一方、高江ヘリパット着工で市民を排除する暴挙に出た。

連日報道される記事を読むと『選挙で示された民意』が無視されている。沖縄県民を『足の裏』で踏み続ける。

島尻安伊子沖縄担当相が7月10日の参院選で落選した直後のことだ。自民党は沖縄で衆参の議席を全て失った。国家は事態打開への道筋を閉ざし、県民への弾圧を強める。米軍政下の高等弁務官の恐怖と圧政の再現だ。

米軍属による女性暴行・殺人事件で県民の反基地感情が一気に高まり、事態は一段と複雑になった直後、島尻安伊子大臣が落選した。県民は島尻沖縄担当相の公約違反の醜態を観察していただけに敗北は予想していた。

その直後、このような始末だ。国と県は2016年3月の代執行の『和解』で、埋め立て工事を中止し、『円満解決に向けた協議』を続けてきた。国は訴訟も一つの解決策として提訴に踏み切ったとマスコミは報道する。

米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村『高江ヘリパット建設』。2年間中止していたが、参議院選挙後いきなり工事が着工された。現場は大きな衝撃と不安が襲う。沖縄タイムス、琉球新報は社会に可視化されて報道する。機動隊との激しいもみ合い、50代男性がろっ骨を折る全治1ヵ月の重症を負った。強行に市民が排除されていく。

『国の暴力』は、トンデモナイ浅薄(せんぱく)な歴史理解である。私たちのまわりは、悲劇や不平等や理不尽にまみれ,誰かがその犠牲になっている。

悪いのは、誰なのか。沖縄か、国家権力か。沖縄で民主主義の剥がれ落ちた『残像』を見る思いだ。

島尻安伊子氏の話をする。島尻氏は嘘で塗り固めた公約違反の経歴を持つ、その政治姿勢は県民との『断層』があった。公約を破棄し、辺野古推進の旗振り役を演じた閣僚だ。沖縄に『スピリッツ』を持たない。北方担当大臣として『歯舞』の字が読めず、薄っぺらな知識をさらした。資質を欠くような人物を国会に送り込んだことを県民は反省し落選させた。しかし、不条理な国家権力は沖縄社会に深く根を下ろす。

参議院選挙後、国は機動隊500人を導入し、ヘリパット建設を再開した。なりふり構わず市民を弾圧する。沖縄2紙の報道で可視化されるが本土紙の関心は低い。

沖縄戦の犠牲と、苦労、悲しみを抱えながら辺野古で新基地建設反対を叫ぶ古老がテレビに映し出されていた。県民の心の中に響き続ける悲痛な叫びだった。一方で根源的理解を欠き続ける国家権力がある。

菅義偉官房長官の定例記者会見が放映されていた。『訴訟も一つの解決策である』と、薄っぺらな言葉を飛ばした。言葉は説得力に欠ける。政府側の発言を聞くと教訓がなく、また感動もない。沖縄県民は置き去りにされているのだ。

国と沖縄との距離は遠い。不安は募るばかりである。国家の姿・・・日曜日の朝、構造的な問題を考えた。
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2016年07月22日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(52)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(52)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問47 観光施設の整備状況はどうか。また、政府は如何なる方向で援助を考えているか。

沖縄の観光事業は、その受け入れ側の諸体制の不備に問題点がある。従って観光事業の振興策としては、観光資源の開発、保全及び宿舎、休憩者等の観光施設の整備拡充等に重点が向けられなければならない。

観光施設の現状を見ると、1962年観光ホテル整備法が制定され、観光ホテルその他の外客宿泊施設の整備を図り、外客接遇の充実に資することを目的として、その整備を進めており、宿泊施設の収容能力は約1600人となっているがまだ十分ではない。

その他道路、展望台、休憩所及び洗面所等の整備の緒に就いた段階である。また、政府立公園法に基づき1965年10月、@沖縄戦跡政府立公園、A沖縄海岸政府立公園、B与勝海上政府立公園─の三公園を指定し、これらの施設についても公園計画を立てて整備を進めており、更に沖縄の海の美しさを生かして海中の珊瑚礁の自然景観の優れた海域に海中公園を設定すべく調査を進めている。

これに対し、本土政府としては沖縄の観光収入が沖縄にとって砂糖に次ぐ重要な収入源となっていることから、これまで運輸省、厚生省及び民間の観光に関する専門家を派遣し技術指導を行ってきたが、これからも専門家の派遣並びに研修生の受け入れ等によって援助を行っていきたい。
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