2016年07月21日

■政治家の情報学『戦略の失敗』

■政治家の情報学『戦略の失敗』
〜選挙は人にあり〜

7月14日付のブログ、『ギブ剛候補・落選の波紋』を見た数名の知人からメールが寄せられた。なぜ島尻安伊子氏は大敗したのか。

おおさか維新が島尻氏とセットで比例区『ギブ剛』氏を売り出したのは、情報感性の欠落だったというものであった。島尻氏の言動から何を学んだのか? 選択の時代をいかに読み切るか。

選挙とは人間力への評価である。島尻氏の人間力は県民に通用しない。変転極まりない言質をみれば分かる。

参院選後の報道で沖縄2紙も指摘していたが、島尻氏は公約破棄の経緯を持つ。その政治姿勢は『県民との断層』だ。県民の立ち位置ではない。権力の立ち位置で沖縄と対峙してきた。県民は政治家の行動には敏感だ。

島尻氏大敗は県民感覚に裏打ちされている。『おおさか維新沖縄支部』、『政党そうぞう』が『島尻あい子』氏を推薦したことは、政治情報学では『感性欠如』と表現される。

『情報整理学』の視点でいえば、『ギブ剛』氏が島尻氏とセットで選挙戦に出たことは、公約破棄の島尻氏と政治理念を共有したことになる。政治家の背骨を選挙で見せたが、『ギブ剛』氏の敗北は意外なところにあった。

歴史を振り返ってみよう。下地幹郎氏が大臣の要職にあった時、辺野古移設を容認し、直後の衆議院選挙で県民は『ノー』を突きつけた。このことは際立って指摘された。県民感覚に裏打ちされた落選だった。

『ギブ剛』氏落選を見ると歴史から学ぶ学習効果は活かされていない。情報力の現代では、政治家の資質・理念が県民の目にさらされる。島尻氏の『公約破棄』は見苦しいものであった。選挙は肩書よりも『信用』が重視される。

世界的な経営者『ビルゲイツ』は『指先に情報』をというマルチメディアの普及に成功した。『ビルゲイツ』は経営理念やビジョン、顧客を重視した経営戦略で世界的指導者になった。経営は情報を制する者が市場を制すると語る。MBA教科書に出てくる言葉だ。人間力の行使は顧客重視である。この言葉は、政治の世界にも当てはまる。

政治は県民の中にある。県民とどう向き合うか。選挙はやはり『人にあり』というべきか。県民が価値情報を選択する時代である。

県民の政治意識は高いレベルにある。政治家に求められるのは『県民を見る眼』である。

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2016年07月20日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(51)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(51)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問45 沖縄における農林漁業制度資金を沖縄における産業団体に活用させる方法は可能か。

本土の農林漁業金融公庫、農林中央金庫等の制度、系統資金を直接沖縄の農林関係団体へ貸し付けることについては、それぞれの機関の業務について規定している法律が日本政府の施政権の及ぶ本土内において、個々の経済主体の需要に応じ、一定の本土内農林政策目的に沿った金融を行うことを前提としている関係上、現行法上困難である。

従って、沖縄に対する制度資金の融資に関する同種機能を持つ農林漁業中央金庫に対する琉球政府の出資金の原資の一部並びに琉球政府の漁船建造資金融通特別会計への繰入金の一部を財政援助金として助成することとしている(中金への出資金1962年度1億3千万円、63年度3億円、64年度3億円、65年度3億6千万円、67年度3億6千万円(予定)。

漁船建造資金1965年度5761万円、67年度5000万円(予定)。

なお、輸出入銀行資金については、本土からプラント類の輸出並びに投資等を通じてこれを活用することができるので、当面はこの資金の活用の拡大を図っていく所存である。

■問46 観光資源の現状、保護育成及び開発などどうなっているか。

沖縄における観光収入は見えざる輸出として対外収支改善に重要な役割を果たしている。

沖縄は、従来世界戦史上最大の激戦地としての戦跡と外国品が安く買えるという国際的特殊事情で観光客を吸収してきたが、今後においては沖縄本来の自然景観、文化風俗等を中心にした観光資源を開発する必要がある。

沖縄の観光資源としては
@亜熱帯気候であるため年中暖かいこと。
A自然景観等に海、空、海岸線が観光資源として恵まれていること。
B風俗、民俗芸能については沖縄固有の古い伝統があること。
C戦跡地が多く、現在のところ沖縄観光の中心となっていること。
D立地条件が良く、沖縄は東南アジアの観光ルートになっていること。
等が挙げられる。

観光資源の保護については、琉球政府では沖縄戦跡政府立公園、沖縄海岸政府立公園及び与勝海上政府立公園を三地域に指定し、これらを保護するため区域内に特別地域を指定し、その場所における工作物の構築、土石、砂利、木材の採取や物件の設置等に規制を加えている。

また、その中でも学術上及び文化上希少価値のある場所は特別保護地域に指定し、自然公園としての景観維持のため厳しく保護している。
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2016年07月19日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(50)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(50)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問44 沖縄水産業の実情はどうか。また、その振興については如何なる施策を講ずべきか。

沖縄の水産業は、その国民所得を占める比率は全産業中1.3%、第1次産業の中では9.3%に過ぎないが、その立地条件から見て伸長の可能性は大きい。

沖縄の1965年の漁獲高は24,430トン、漁船数2,881隻、水産業従事者は9,489人であるが、漁獲高は戦前の約3倍に増加しているが、これは広島県22,000トン、県別下位から4番目)と佐賀県(23,000トン、県別下位から5番目)を凌いでいる。

漁獲高構成についてみると、遠洋マグロ漁業47%、近海鰹釣り漁業30%、沿岸漁業23%であり、1963年までは鰹節漁業が第1位を占めていたが64年からはマグロ漁業がこれに代わった。漁獲高の増加は主としてマグロ漁業の進展によるものである。

従来、沖縄の水産業の盛衰は、鰹釣り漁業の豊凶に左右されてきたが、沖縄だけでは鰹釣り漁業のための傾斜の自給が不可能であることがその発展と近代化の障害となっている。

沿岸漁業については、沖縄は黒潮流域にあるための根付け資源が少なく今後の進展には大きな期待はできないが、近海漁業については、本土漁船の沖縄周辺の漁獲から見て、今後ともその発展は相当期待できるものと考えられる。

沖縄の漁港については、漁業生産基盤としての役割を果たし得る者は2、3港にすぎず、また、漁船は大部分が老朽船である。

さらに漁獲物の販売の大部分は、婦人による小売りに依存しており、水産物流通の近代化は進んでいない。

また、漁業協同組合は弱体であり、そのため漁業金融は円滑を欠いている。以上のような沖縄の水産業を振興するためには、近海遠洋漁業に重点を置きつつ漁港の整備、漁船の近代化、流通機構の合理化、漁業協同組合の育成強化並びに試験研究機関の拡充等全般的な水産業振興対策を講ずる必要がある。

なお、1967年度財政援助においては、漁船建造資金(融資)5000万円、水産資源調査費2782万円、漁港建設9000万円(うち2700万円は68年度計上)、海岸無線局建設3769万円(うち1131万円は68年度計上)を予定している。

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■コーヒーブレーク【coffee break】
1962年『ケネディ沖縄新政策』発表、沖縄統治の財政負担を要求。日本政府は『琉球政府に対する財政援助』を閣議了解。1963年度予算で沖縄財政援助費計上する。

琉球政府(市町村含む)の諸施策、事業等の水準を本土並みに引き上げ、住民の所得向上に努めた。沖縄に日米琉諮問委員会を設置し、援助については沖縄住民の意思を反映して実施された。

敗戦後の沖縄に日本政府は戦後18年目に初めて財政援助を実施。敗戦後の沖縄復興は米国のガリオア資金(戦災地復興資金)が使われていた。1947〜59年度に沖縄に投下されたガリオア資金は603億円。現在の貨幣価値で約1兆5679億円。琉球政府への現金供与、道路、空港、ダム開発、電力施設、水道施設、食糧援助、船舶など敗戦後の復興に使われた。

敗戦から17年間、沖縄は日本の財政援助から取り残された。復帰後は5度目の振興開発計画が実施されているが、所得は全国平均の7割台である。

日本は1950〜60年代に沖縄米軍基地建設を受注し、莫大なドルを獲得し戦後の経済発展を遂げてきた経緯がある。今、日本の経済と安全保障は『沖縄の犠牲』の上で成り立っている。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:04| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする