2016年07月15日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(48)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(48)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問42 沖縄は肉牛の肥育適地と聞くが、本土市場において肉牛不測の折、これを振興させて輸入する考えはないか。

沖縄からの肉牛の輸入については、原産地証明のあるものは自由に輸入できる体制になっており、沖縄における肉牛生産の振興により本土への供給が増大することは望ましいことと考える。(一部省略)

注:原産地証明のあるものとは、日本と琉球貿易で特別措置が講じられた南西諸島物資を言う。米国極東司令部及び琉球米国民政府を仲立ちとする貿易交渉が日本と琉球当局者間で行われ、日本と南西諸島との貿易振興を目的とした。

1952年7月10日、「本土と南西諸島との間の貿易及び支払いに関する覚書」が締結された。琉球政府の原産地証明書があれは、南西諸島物資は自動承認制で関税が免除された。敗戦後の沖縄経済再建のきっかけとなった。ほとんどの沖縄産品が指定された。

問43 沖縄においても本土同様豚価の変動が大きいので本土の畜産振興事業団により、これを買い上げてほしいという要望があるが、これについてはどのように考えているか。

畜産振興事業団による豚価の買い上げ措置は、本土内における豚肉の生産と流通の実態に着目し、その価格支持と生産の安定を目的とした措置であるので、豚肉の品質も異なり、またその生産と流通の異なる沖縄産豚肉をその対象としていないので、現行制度上事業団買い上げは困難であると考えている。

また沖縄からの生豚又は豚肉の本土への輸入は、現在自由に行われており、従って事業団による売買操作によって形成される市場価格をもって輸出ができるので、沖縄産豚肉も間接的にその利益を受けている者と考えている。

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■コーヒーブレーク【coffee break】
本ブログで掲載してきた資料は、琉球列島米国民政府と直接交渉にあたっていた日本政府沖縄事務所長・岸昌さんから寄贈された特別国会資料等である。ブログ掲載に当たり一部削除した箇所もある。

岸さんは沖縄を離任後、自治省官房長、大阪府副知事から知事に登りつめ、大阪沖縄県人会に出席して沖縄県人を激励していたことを後日知った。直筆の資料を読むと『沖縄で自治の原点を学んだ』という言葉がある。

沖縄の歴史書をすべて読んで沖縄に赴任したという言葉を訓示で聞いたことがある。沖縄では末端の現地職員の意見を聞いていたことが印象的で庶民的な官僚であった。土の匂いと香りのする官僚であった。

次の言葉は感動的である。
『沖縄は日本か? 違う米国の植民地だ』・・・初めて沖縄の土を踏んだ時、米軍人の事件・事故に直面して・・・。今の日本の官僚に聞かせてあげたい言葉ですね。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする