2016年07月19日

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(50)

米軍政下の沖縄財政援助をめぐる国会論戦(50)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問44 沖縄水産業の実情はどうか。また、その振興については如何なる施策を講ずべきか。

沖縄の水産業は、その国民所得を占める比率は全産業中1.3%、第1次産業の中では9.3%に過ぎないが、その立地条件から見て伸長の可能性は大きい。

沖縄の1965年の漁獲高は24,430トン、漁船数2,881隻、水産業従事者は9,489人であるが、漁獲高は戦前の約3倍に増加しているが、これは広島県22,000トン、県別下位から4番目)と佐賀県(23,000トン、県別下位から5番目)を凌いでいる。

漁獲高構成についてみると、遠洋マグロ漁業47%、近海鰹釣り漁業30%、沿岸漁業23%であり、1963年までは鰹節漁業が第1位を占めていたが64年からはマグロ漁業がこれに代わった。漁獲高の増加は主としてマグロ漁業の進展によるものである。

従来、沖縄の水産業の盛衰は、鰹釣り漁業の豊凶に左右されてきたが、沖縄だけでは鰹釣り漁業のための傾斜の自給が不可能であることがその発展と近代化の障害となっている。

沿岸漁業については、沖縄は黒潮流域にあるための根付け資源が少なく今後の進展には大きな期待はできないが、近海漁業については、本土漁船の沖縄周辺の漁獲から見て、今後ともその発展は相当期待できるものと考えられる。

沖縄の漁港については、漁業生産基盤としての役割を果たし得る者は2、3港にすぎず、また、漁船は大部分が老朽船である。

さらに漁獲物の販売の大部分は、婦人による小売りに依存しており、水産物流通の近代化は進んでいない。

また、漁業協同組合は弱体であり、そのため漁業金融は円滑を欠いている。以上のような沖縄の水産業を振興するためには、近海遠洋漁業に重点を置きつつ漁港の整備、漁船の近代化、流通機構の合理化、漁業協同組合の育成強化並びに試験研究機関の拡充等全般的な水産業振興対策を講ずる必要がある。

なお、1967年度財政援助においては、漁船建造資金(融資)5000万円、水産資源調査費2782万円、漁港建設9000万円(うち2700万円は68年度計上)、海岸無線局建設3769万円(うち1131万円は68年度計上)を予定している。

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■コーヒーブレーク【coffee break】
1962年『ケネディ沖縄新政策』発表、沖縄統治の財政負担を要求。日本政府は『琉球政府に対する財政援助』を閣議了解。1963年度予算で沖縄財政援助費計上する。

琉球政府(市町村含む)の諸施策、事業等の水準を本土並みに引き上げ、住民の所得向上に努めた。沖縄に日米琉諮問委員会を設置し、援助については沖縄住民の意思を反映して実施された。

敗戦後の沖縄に日本政府は戦後18年目に初めて財政援助を実施。敗戦後の沖縄復興は米国のガリオア資金(戦災地復興資金)が使われていた。1947〜59年度に沖縄に投下されたガリオア資金は603億円。現在の貨幣価値で約1兆5679億円。琉球政府への現金供与、道路、空港、ダム開発、電力施設、水道施設、食糧援助、船舶など敗戦後の復興に使われた。

敗戦から17年間、沖縄は日本の財政援助から取り残された。復帰後は5度目の振興開発計画が実施されているが、所得は全国平均の7割台である。

日本は1950〜60年代に沖縄米軍基地建設を受注し、莫大なドルを獲得し戦後の経済発展を遂げてきた経緯がある。今、日本の経済と安全保障は『沖縄の犠牲』の上で成り立っている。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:04| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする