2016年08月26日

沖縄返還協定・復帰に伴う諸問題質疑応答要旨(7)

沖縄返還協定・復帰に伴う諸問題質疑応答要旨(7)
1971年10月〜12月:第67国会(臨時会)
●沖縄返還協定特別委員会
●沖縄及び北方問題に関する特別委員会

■沖縄の基地使用について1969年11月の共同声明で再協議が約束されているが、この際、日本側から積極的にベトナム戦争が今後さらに拡大されることがあっても、沖縄基地は絶対に特別扱いをしないよう米国に申し入れる必要があるのではないか。

(福田外務大臣)
事前協議の適用には誤りなきを期待したい。ことに沖縄についてご心配のようだが、事前協議を必要とするような状態は、私は起こるまいと思う。

しかし、万一そのような事態が起こるようなことがあっても、政府としてはアメリカのそのような要請には応じないという方針を決めておる次第である。

■沖縄の返還も近づいたが、一方、ベトナムにおいて北爆が激化している。沖縄の基地について返還後どういう態様になるのか国民に不安がある。

従来の政府の答弁では一貫して日米安保条約及び関連取り決めの枠内に入るとのことだが、69年の日米共同声明第四項の中の再協議の問題について何かあるのではないのかと思う。

北爆激化の今日、安保条約というような枠組みでは律しきれないものがある。協議をするのが当然ではないかと思うがどうか。

(福田外務大臣)
69年の共同声明のいわゆる沖縄再協議事項はプエブロ事件後の状態を踏まえてできた声明であり、その時点での日米両国の認識が基礎にあったものだと思う。

ところが朝鮮半島の事態は収まったが、ベトナムの状態は不幸にして最近において激化している状況である。しかし、沖縄の返還はすでに期日が決まり、これを動かすことはできない。

また沖縄返還の実態も協定及び付属書文書によりことこまやかに決まっており動かすことができない。

あとはベトナムの新事態に即し、沖縄を戦闘作戦行動の基地として事前協議の対象となるケースがあるかどうかだが、今日、沖縄がベトナム戦争の作戦行動の基地として使われる可能性はないと考えており、従って安保条約並びに関連取り決めは本土同様適用され、これに対し何ら特例を設ける必要はないと考える。
* * *
(注)プエブロ号事件は、1968年にアメリカ海軍の情報収集艦プエブロが朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拿捕された事件である。
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2016年08月25日

沖縄返還協定・復帰に伴う諸問題質疑応答要旨(6)

沖縄返還協定・復帰に伴う諸問題質疑応答要旨(6)
1971年10月〜12月:第67国会(臨時会)
●沖縄返還協定特別委員会
●沖縄及び北方問題に関する特別委員会

■米中の接近、こういったような大きな転換が行われている。しかも中国が国連祝福されて迎えられる。この際、ナショナル・プレスクラブの演説の取消しとか修正ができるならば、近く将来において両巨頭が必ずどっかで合われるだろうから、そういう場合に1969年11月の共同声明の軌道修正をなすべきではないか。

(佐藤内閣総理大臣)
私、ただいまニクソン大統領と最近に合うというような予定をとっていないし、また、ニクソン大統領と会談を持つということもない。

しかし、ただいま言われるようなことはアメリカとしても、日本の国会において議論が交わされることに無関心であろうはずはない。ましてや沖縄返還国会だと、こういう状態であるから、この国会における審議の状況はもうアメリカも耳をそばだてておることだ、また括目してみていることだと思っている。

従って、ただいまのような考え方、いわゆる自主的に日本の国益を守る立場においてコンセンサスを得られるべく日本政府は努力している。こういうことは理解してくれる、かように私は思っている。こういう立場に立って、軌道修正する要ありと思えば、そのとき軌道修正に積極的に乗りかかるべき問題だろうと思う。

■基地返還後は、今度は安保の枠に入れるということになれば、当然この極東の範囲がまた新たに問題になってくると思う。この際、この極東の範囲というものを、周辺というような漠然とした言い方でなしに、その周辺とは具体的にどういうことなのか明らかにしておいていただきたい。

(佐藤内閣総理大臣)
安保というところの極東の範囲については、沖縄返還が行われても何ら変更するというふうに考えていない。

一般的用語として用いられておる「極東」は、地政学上正確に固定されたものではないが、安保条約上の極東は、日米両国が平和、安全の維持に共通の関心を有しておる区域であって、かかる区域は大体においてフィリピン以北云々であることは、安保国会当時の統一見解に示されておるとおりである。



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2016年08月24日

沖縄返還協定・復帰に伴う諸問題質疑応答要旨(5)

沖縄返還協定・復帰に伴う諸問題質疑応答要旨(5)
1971年10月〜12月:第67国会(臨時会)
●沖縄返還協定特別委員会
●沖縄及び北方問題に関する特別委員会

■返還協定前文でうたっている1969年11月の佐藤・ニクソン共同声明が協定の基礎になっている。特に第四項の問題と、これが今後返還後の基地自由使用に通ずる恐れがあるのではないか。

政府の説明は、一方において、ナショナル・プレスクラブのように事実上自動承認ととらえられることを言っておき、公式の説明、答弁では常にイエスもあり、ノーもある。そういう点でははっきりしなければいけないのじゃないか。

(佐藤内閣総理大臣)
事前協議、このことは勿論、ノーもあり、イエスもある。その原則には変わりはない。ご指摘になった前向きという言葉は不適当のように思う。

出撃についての事前協議というものも、その時の情勢によって、戦争に巻き込まれる危険は多分にあるのだ。これが国益に合致するか否かということを判断すべき重要な点だと考えている。

われわれは、自由出撃あるいは日本を基地として出撃するという場合に、戦争に巻き込まれる危険がないように心から願っておるものであるから、そういう判断に立って、われわれは自由出撃が自動的に巻き込まれるのではなくて、自主的に日本の立場から事前協議に対応してイエスあるいはノーがはっきり言えるようにしたい、かような意味である。

■協定の前文で佐藤・ニクソン共同声明が基礎になった。これの解釈から言えば、ナショナル・プレスクラブの自動承認と思われることは決してないんだ、あくまで日本の、それこそナショナル・インタレストに従って考えるんで、どっちかと言えば、ノーの場合が私は多いのじゃないか、と思うがもう一ぺん確言できるか。

(佐藤内閣総理大臣)
はっきり言って、私どもは日本の国益を守るという立場で米軍の駐留も認めておる、これがいわゆる安保の目的とするところのものである。

その意味から日本から出撃する、そうして日本が戦禍を被る、こういうようなことがあってはならないと思う。事前協議制があるのも、そういう意味で安保の目的、その範囲を超す事柄については事前協議の対象になる。

そうして、これは日本の政府の考え方に反して行動することはないということをアメリカ政府も申しているから、ただいま言うような、われわれが自主的に決定すべき事柄だとご了解をいただきたい。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:10| 大学の窓から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする