2016年08月02日

米軍政下の財政援助をめぐる論戦(58)

米軍政下の財政援助をめぐる国会論戦(58)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

次に主要な分野毎にその現状と問題点を説明したい。

沖縄の生活保護基準は本土のものと比較して約70%程度である。その反面、保護率は、人口千人対で本土の15.97人に対して23.5人と非常に高く、低所得階級の厚いことがうかがえる。

また、この生活保護基準は勤労世帯の消費支出の45程度にしか満たない。そこで1967年度財政援助においては、13%の基準の引き上げを図っている。

老人福祉法は1966年5月に公布施行され、主要な制度は一応整備されたが、福祉施設の数が本土に比して少ないことや財政的制約、技術職員の不足等により十分な給付等が行われていない。施設の増設と給付内容の改善並びに技術職員の養成が必要と考えられる。

その他、未施設の制度のうち児童扶養手当法の創設への要請が高まりつつある。従って政府としてはこれらに対して十分な技術援助を継続的に実施していく所存である。

医療保険法が公務員退職年金法とともに1966年7月から施行されさらに本年7月から老齢福祉年金制度の施行が予定されることになり、残る国民健康保険、厚生年金、国民年金の3制度も向こう3年以内に創設の運びとなる予定である。

しかし、既存の制度も内容的には必ずしも十分なものとは言えず、給付内容の改善等今後に残された課題が多い。

沖縄においては、占領当初から米側が公衆衛生事業に強力な指導を行ってきた関係もあって、制度的には一応本土の関係制度に類似した制度が設けられて、公衆衛生及び医療活動が行われているが、ここにも財政的制約、技術職員の不足により、なお解決を要する問題が多く残されている。

特に、結核はまだ国民病としての重点的施策が必要とされており、また精神衛生対策が本土に著しく立ち遅れ、ハンセン病対策もなお重点的配慮を必要としている。

医療機関の整備状況は、本土に比して著しく立ち遅れ、また医師不足に加え医師の都市地区への偏在が目立ち、地域全般特に離島地区の医療機関の充実が要請されている。

また都市地区への人口集中、生活水準の向上に従って生活環境施設の整備の遅れが目立っている。清掃関係施設は那覇市において1966年度からその整備が一部開始されている状況である。

今後、経済の成長、生活水準の向上を勘案しつつ可及的速やかに本土相当県並み水準に達し得るよう、他の行政施策との均衡を考慮しながら有効適切と考える財政的、技術的援助を講じて参りたい。


posted by ゆがふ沖縄 at 00:00| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする