2016年08月04日

米軍政下の財政援助をめぐる国会論戦(60)

米軍政下の財政援助をめぐる国会論戦(60)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問57 医療保険制度の内容如何。またどのような方向で整備改善するか。

沖縄の医療保険制度は1966年7月から施行されたが、これは本土の政府所管健康保険制度及び公務員共済制度の短期給付に相当するものであり、その骨子は概要次のとおりである。

1.根拠法:医療保険法(1965年7月立法第108号)
2.対象:被用者(政府及び公共団体並びに常用5人以上雇用の事業所の被用者)
3.保険者:琉球政府
4.対象人員:約138,000人(家族344,000人)
5.費用の負担
@事務費⇒全額琉球政府負担 
A給付費⇒事業主及び被用者の保険料負担並びに保険者の一部補助 
B保険料率事業主16/1000 被用者16/1000 計32/1000

6.保険給付の種類及び給付の程度
@療養費の支給 本人7割(1967年7月から8割)、家族5割(1967年7月から6割)
A分娩費の支給、葬祭費の支給⇒定額5,670円

なお、この制度の本土の政府管掌健康保険制度と異なる主な点は次のとおりである。
・医療保険法で公務員と一般被用者を一括適用対象としていること
・療養の給付は現金給付方式であること
・保険料の算定は総報酬額を基礎としていること
・受給要件として被保険者期間100日間の待機期間が設けられていること
・疾病手当、出産手当、育児手当等手当金の給付がないこと

以上のとおり、この制度はその対象内容とも本土のそれと比較し十分とは言えず、琉球政府はこの医療保険制度を出発点として長期計画により、逐次適用範囲の拡大と保険給付の充実を図り1970年には皆保険制度を実施しようとしている。

政府としては、沖縄における民生の安定及び住民福祉の向上を図るためには、医療保険制度の整備は緊急不可欠なものである

沖縄財政援助の中に、1966年度6,000万円、1967年度9,000万円(うち3,000万円は1968年度に計上)をいずれも制度発足当初に当たり運営の財政的基盤を強化する趣旨で計上している。

今後において医療保険制度の内容が充実改善され、また、早急に皆保険制度が実施されるよう一層有効な技術援助、その他必要な援助を行う所存である。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:28| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする