2016年08月05日

米軍政下の財政援助をめぐる国会論戦(61)

米軍政下の財政援助をめぐる国会論戦(61)
〜1967年特別国会質疑のポイント〜

■問58 国民健康保険制度が早急に創設し得るよう日本政府は協力すべきではないか。

1966年7月から発足した沖縄の医療保険制度は本土の政府管掌健康保険制度及び公務員共済制度の短期給付に相当するものであり、公務員、公社職員及び常時5人以上雇用の事業所の被用者を対象とするものであって、この制度の適用推定人数は約482,000人で全琉人口94万人の約半数であり、他の半数は対象外となっている現状であり、これら住民の所得状況にかんがみ、皆保険制度創設への要請はきわめて強いものがある。

琉球政府は1970年度までに国民保険制度を実施すべく検討を進めている段階にあるが、琉球政府の財政負担の問題や特に辺地等での医療従事者の不足並びに医療機関の整備が遅れていること等の難問題を抱えているため、予定通りの制度発足が危ぶまれている実情である。

日本政府としては、沖縄住民の皆保険制度が実施され、これらの人々の不安が解消されることを望むので、予定通り制度が発足できるよう、諸問題解決のため友好適切と考えられる諸施策の実施のための財政的技術的援助を引き続き積極的に行なってまいりたい。

■問59 生活保護制度の内容如何。また、本土との格差をどのように縮小すべきか。

沖縄の生活保護制度は、本土と比較して制度的にはかなりの格差がある。すなわち、生活保護制度の主柱たる生活扶助基準をとってみても、1967年度における扶助基準額は本土のものに比較して70%程度にしか満たない現状にあるが、この他さらに各種の加算給付、または所得認定に当たっての各種控除の有無及び程度の差を考慮すれば、その格差は一層大きくなるものと思われる。

このような格差が存する反面、保護対象階層の数は多く、人口千人対の保護率は1966年9月現在で23.5人であり、本土の類似県よりもかなり高い。すなわち、低所得階層の分布の厚いことを裏付けている。

これに対して、琉球政府は低所得者の自立更生、福祉の増進を図るための施策として、生活保護制度の充実には特に力を入れており、本土並み水準を目標に当面経済の成長、所得及び生活水準上昇の動向を勘案しながら、本土との格差を徐々に詰めていく方針を持している。

政府としては、これまでにおいても琉球政府の施策が円滑に進められるよう財政援助を行ってきたが、今後においても援助対象を全扶助項目に拡大することを検討するとともに、生活保護基準を最終的には本土並み水準に引き上げることを目標に、当分の間は関連施策との調和を考慮しながら改定を図り、社会保障制度の最終的制度としての生活保護制度を充実させ、住民福祉の向上に寄与して参りたい。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:38| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする