2016年10月11日

沖縄返還協定・復帰に伴う諸問題質疑応答要旨(37)

沖縄返還協定・復帰に伴う諸問題質疑応答要旨(37)
1971年10月〜12月:第67国会(臨時会)
●沖縄返還協定特別委員会
●沖縄及び北方問題に関する特別委員会

基地に関する了解覚書E
■基地提供リストのうち変更のある部分はどういう面か。

(外務省吉野アメリカ局長)
返還協定の覚書のA、B、C表と現実に5月15日現在をもって先方に提供する基地の違いについてはまだ先方と折衝中であるが、一部変動がある。例えば、那覇空港について本来なら空港の分は全面返還されるところであるが、P3その他の海軍機の一部が那覇空港に代替施設が完了するまでとどまっておるという現状に照らし、空港の一部について新たな期間を区切って二条一項(a)の基地としてこれを提供する。

これがいまとりあえず浮かんでおる、了解覚書のA、B、C表と現実に行われるであろう合同委員会の決定の違いの予見されるところである。

■5月15日の零時に、日米合同委員会をもって基地の施設、区域の提供を決めるのであるが、その主管たるのは外務省であるのか。

(外務省吉野アメリカ局長)
これは日米合同委員会の合意であるからその所管は外務省であるが、その前に閣議で提供すべき基地について日本政府全体の承認を得るわけである。従って
外務省の書簡であるが、基地全体の提供は日本政府全体の合意である。

■伊波城は協定交渉中は全然問題にならず、新しく出てきた基地の提供だ。返還協定との関係あるいは基地の提供との関係で、伊波城問題をどう処理しようとするのか。

(外務省吉野アメリカ局長)
伊波城は昨年の6月ごろ海兵隊があのホテルに入り、自後そこに宿泊しているわけである。われわれとしては、これは単に海兵隊の宿泊施設である。普通のホテルに宿泊しているのと変わらない、こういうことでこの問題を見ておったが、よく調べてみると、彼らは5年間の契約を伊波城の持ち主としており、従って、形式的にみると伊波城の持ち主は5年間は海兵隊にこのホテルを提供しているわけである。

一方、ここにおる従業員の地位を考えると今までは米軍の直接雇用の従業員であるから、返還までは問題ないわけだが、返還後になると地位協定に従い米軍の直接雇用の従業員というものは原則として許されないわけであるから、もし米軍の従業員とすることであれば、これは間接雇用に切り替えなければいかぬわけであるが、なにせ伊波城がもし基地でないとしたならば、彼らはその地位を保てないわけである。

従って、今後5年間、海兵隊が少なくとも持ち主の同意を得て使用しておる宿泊施設であるならば、その従業員が復帰と同時に基地雇用者としての地位を失うならば、これは現地の従業員に対して困難な状況になるのじゃないか、と考えておる次第である。

解決方法は現状をそのままにしておいて、現地の従業員は単なるホテルの従業員とする、こういうことも可能だと思う。しかし、一方、5年間海兵隊が住んでおる。しかも、これは伊波城の持ち主の同意を得てあそこに住んでおるという事態が変わらないとしたならば、むしろ率直にこれを基地として認め、そこの従業員も同時に間接雇用に切り替えるほうがすっきりしているのではないかと考えられるが、この点については目下米側と調整中である。
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