2016年11月11日

「土人」発言の本質(1)

北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設工事の警備に本土から500名の機動隊が導入された。大阪府警の機動隊員が、沖縄県民に「土人」「シナ人」と暴言を吐いた。機動隊員は「どこつかんどんじゃボケ。土人が」と発言した。「シナ人」とも呼んだ。

看過できないと思い、琉球新報論壇に投稿した。担当者が封印し掲載されることはなかった。島尻安伊子氏が沖縄担当大臣に就任した際に、公約違反を指摘したら、担当者が封印したこともある。政治家批判は取り上げないようである。native(ネイティブ)発言に「蓋(ふた)」をしたのである。ジャーナリストの作法を疑わざるを得ない。封印された「土人発言の本質」の投稿原稿をブログに掲載する。

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「土人」発言の本質(1)
松井大阪府知事の人権感覚を疑う
   
大阪府警機動隊員の「土人」「シナ人」発言に対し、大阪府の松井一郎知事がツイッターで「一生懸命、命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」と書き込んだ。沖縄の尊厳を否定する構造的沖縄差別の活断層と見るべきだろう。

土人とは、その土地に土着する人間のこと。英語のnative(ネイティブ)で野蛮、未開の生活形態を残す先住民族を指す(ウィキペディア)。

「土人」「シナ人」は差別用語であり、松井知事の人権感覚は見るに堪えない低レベルである。

沖縄は日本政府からも差別を受けてきた。日本政府南方連絡事務所は琉球住民を「原住民」と呼び、「在外勤務地手当」で差別していた。差別は政治的差別、社会的差別、経済的差別に分類されるが、@沖縄分断、A援護法の適用除外、B17年間見捨てられた財政援助─が米軍政下の沖縄差別の事例である。

1954年2月17日、衆議院外務委員会の議事録に驚愕すべき差別発言がある。石井通則南方連絡事務局長は「本土国籍の邦人に関しては保護の機能が与えられていて、不法に逮捕されたり拘留されたりするような場合は米国と協議できるが、琉球に戸籍を持つ琉球住民に対する弾圧や不当な取り扱いは、陳情があっても米民政府と交渉する権能は与えられていない」との見解を示した。

沖縄差別は今も活断層のように残っている。「土人」「シナ人」発言を擁護する松井大阪府知事の人権感覚もその事例である。松井氏は表現が不適切としても、府警の警官が一生懸命、職務を遂行していると「差別」発言を擁護しているが、政治家の品格と資質が疑われる。

心のボルテージが低い松井知事への批判がネットで拡散している。土人発言を擁護? なにが「出張ご苦労様」なの? 大阪のイメージダウンだ─品性、資質を疑問視する意見だ。

10月21日に松井知事は、「機動隊勤務ご苦労様だというのは当然だ」と持論を再度展開。「出張ご苦労様」と警察官をねぎらう発言内容を撤回しないと述べた。政治家の言葉は社会に可視化される。

理不尽な米軍基地建設と機動隊の対峙。悪いのは、だれなのか。トンデモナイ、浅薄な歴史理解だ。差別発言の断罪は免れまい。政治家としての「美学」「矜持」が問われている。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| 米軍基地・評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする