2016年11月23日

桜井さんと「沖縄」

桜井さんと「沖縄」
〜沖縄問題の本質を考える〜

土人発言が社会問題化しているが、旧総理府官僚・櫻井溥さんの著書にこのような記述がある。

■琉球人お断り
歴史をずっと遡れば、東北エゾの地は、大和(朝廷)に、「まつろわぬ民」とみなされ、「まつろう」ように平定されることになるが、この「まつろわぬ民」的な感覚で本土の人は沖縄県民を見ていた節があるように思われる。櫻井溥著『あれから』。

桜井さんからこんな話を聞いたことがある。
「東京赤羽の一杯安飲み屋に「琉球人お断り!」の張り紙が張られ、大きな社会問題となった」ことがあると・・・。

私もその張り紙があったことを知っている。復帰前に琉球列島高等弁務官の発給するパスポートを持参し上京した時、琉球人下宿お断りということに直面したこともあった。琉球人呼ばわりに違和感を感じていた。山手線界隈・東京池袋、大塚、巣鴨で授業をさぼり、沖縄返還運動をしていたころだ。ケネディが沖縄新政策を発表し援助を開始することが放映されていた。

そのころ、初めて日本政府総理府が沖縄担当窓口であることを知った。後で知ったが、担当者は桜井さんであることも知った。

桜井さんは今、静岡県の標高600メートルの高地で隠居生活をしている。隠居後から「沖縄タイムス」を購読し、沖縄の事情に詳しい。沖縄タイムスの元重役や屋良主席時代の部長クラスとも旧交を温めていた。老木に一輪の花が咲いたように沖縄研究を続けている。

■米軍政下で財政援助担当
櫻井溥さんの仕事は、「北方領土」と「沖縄問題」一筋だった。沖縄が困っていた時、「コメ資金」を発案し、琉球政府が最も頼りにした方である。旧総理府(現内閣府)で沖縄財政援助金を担当していた。沖縄関係著書も多数ある。沖縄開発庁時代、私の上司であった。

桜井さんは、沖縄復帰の恩人・山中貞則総理府総務長官の側近の部下として仕えた。

以前に、沖縄タイムス「茶飲み話」にも書いたが、桜井メモから復帰時の高率補助適用について紹介したい。

大蔵省の法規課長が「沖縄補助率一覧(案)」を懐にしのばせて山中貞則総理府総務長官に補助率の説明をしたら大臣は説明を遮ったという。

山中大臣「沖縄はなあ、27年間も本土と切り離されていたんだよ。そこを考えなきゃ。その間、本土ではいろんな補助率があっただろう。これらは一切沖縄には適用されていなかったんだよ」

相沢主計局長「しかし、大臣。沖縄はいろいろ苦労してきたでしょうが、公共施設も十分ではないにしても、結構整備されているのもありますよ。終戦直後のような補助率や、奄美復興時の補助率をこれからの沖縄に適用するのは不適当ですよ」

相沢主計局長は、とにかくわれわれ(大蔵)の案をぜひ見てください。これをご覧になりますと、きっと大臣も満足されると思いますが、と1枚の紙を取り出して差し出そうとしたが、大臣はそれを制して受取りを拒否した。

山中大臣「さっきのおれの案でないと国会は通らんよ。沖縄の補助率は、戦後存在したもの、また、現行の高率補助のうちの最高のものをすべて法律に盛ることにする」と断を下し、沖縄の補助率が決まったと櫻井さんは述懐する。

今の沖縄はどうか?
菅義偉官房長官は、辺野古の新基地建設の進展が図られない場合、内閣府の沖縄関係予算を減額する考えを示している。
鶴保庸介沖縄担当相は「消化できないものを無理やりお口開けて食べてくださいでは、血税を無駄遣いしているという批判に耐えられない」と予算減額を示唆する。

沖縄を軽視し、基地と振興策が絡み合う。土人発言で沖縄県民が侮辱されているが、菅義偉官房長官と鶴保庸介沖縄担当大臣は「差別と断定できず」という。

一国の興亡は指導者にあり! 堕落する政治家に思考も意識も感じられない。日本は美しい国家といえるのか。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:38| ◆「時の動き」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする