2016年12月20日

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(20)

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(20)
〜政治利用の不条理を突く〜

■政治が介入した振興事業A
◎島田懇談会事業の本質(下)
政府が支援すべき事業は、@経済活性化に役立ち、米軍基地所在による閉塞感を緩和し、若い世代に夢を与えるもの、A継続的な雇用機会を創出し、経済白立につながるもの、B長期活性化につながる人づくりに資するもの、C広域的振興や環境保全につながるもの─といった趣旨で実施されたが、経済効果はなく単なる「箱物」建設に公的な資金が費やされた。

予算は内閣府に一括計上し、実施省庁へ移し変えて実施されてきた。基地所在21市町村に888億円(1997年度〜2013年度)の振興予算が投人されたが、地域の閉塞感は緩和されず、経済は疲弊したままである。若い世代に夢を与える事業として基地とリンクした形で特別予算が投人されたが、事業目的、自立性のあるプロジェクトの趣旨は活かされていない。採算性が取れない「箱モノ」行政が多く見られ、ランニングコスト負担で市町村財政を圧迫している。

例えば、中の町・ミュージックタウン整備事業は、沖縄市の歴史的背景から培われた音楽芸能を21世紀の新たな街づくりへの大きな可能性を秘めた地域資源活用拠点として「沖縄音楽市場」が整備された。市街地再開発事業により6、795uを確保、音楽広場、セミナールーム、練習スタジオ、レコーデイングスタジオ、サテライトスタジオを設置。ホールの稼働率は50%未満で採算が取れず民間業者へ委託しているが、採算が取れず沖縄市は管理料を補助している。

島懇事業を導入して整備した中核施設「コザミュージックタウン」の施設は、費用対効果の検証もなくスタートしたが、基地受け入れのパフォーマンスとして「箱もの行政」の典型的な事例である。隣接した施設は空き店舗対策として、市敦育委員会、PTA連合会の反対を押し切り、「遊技場・ゲームセンター」を誘致したが、地域振興の在り方も問われる。

基地とリンクした振興策からは雇用機会の創出、経済誘発効果は発生しない。沖縄市の周辺市街地はシヤッターが閉ざされ、地域の閉塞感は緩和されず、経済は低迷している。経済自立や雇用機会の創出など事業目的は達成されず、将来の展望は描かれていない。

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2016年12月19日

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(19)

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(19)
〜政治利用の不条理を突く〜

■政治が介入した振興事業@
政治主導で基地とリンクした振興策としては、島田懇談会事業と北部振興事業がある。島懇事業とは、1996年11月、「沖縄米軍市町村に関する懇談会の提言(会長:慶応大学教授・島田靖雄)」を受け、基地所在市町村活性化特別事業として1997年度予算から7年間で1、000万円が予算措置された。

2000年度以降は、普天間飛行場の辺野古移設とリンクした形で北部振興事業1、000億円が予算措置され、10年間実施されてきたが、現在も継続して実施している。

予算の性格は、米軍の訓練などに伴う騒音や事件・事故などで住民生活や経済活動の圧迫などの閉塞感緩和措置として振興事業を目的とした予算である。

◎島田懇談会事業の本質(上)
島田懇談会事業は、日米安保体制下で米軍基地が集中している沖縄の基地所在市町村に対し、基地の存在からくる重圧感・閉塞感を和らげ、将来への希望につながる夢のあるプロジェクトの実現を目的に1997年度から実施された。国が直接市町村の事業活動に支援することは異例のことである。

背景には、1995年7月、米兵による少女暴行事件を契機に反基地運動が起こり、沖縄問題が国政の重要課題となり県民感情を抑える緩和措置として、内閣官房長官の私的諮問機関として設置された。いわゆる基地とリンクした振興策である。
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2016年12月17日

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(18)

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(18)
〜政治利用の不条理を突く〜

■国の責任「償い論」A
沖縄振興法の制定に当たっては、@各般の復帰諸施策を速やかに樹立する、A沖縄県民の将来についての展望を明らかにする、B沖縄県民が喜んで復帰を迎える体制を整えることが最大の責務とされたのである。

このような観点から、沖縄の祖国復帰の円滑な実現と、明るく豊かで平和な沖縄県を実現することが沖縄振興法の基本的な目標となっている。沖振法に基づき、沖縄振興開発計圃が策定され、各種の振興事業を推進しようということで「特別措置」が講じられてきたのである。

「償いの心」の考え方は、特別措置の内容に関して、本土の地域開発立法で採られている各種の手法を総合的に駆使し、これらの地域振興法の内容をひとつの制度にまとめ、それを沖縄県に適用するという考え方に基づいている。

いずれにしても、今後の沖縄の自立、発展を図るには、沖縄県をはじめ県民一人ひとりの並々ならぬ努力も大事であるが、国としてもその行政責任を明確にすることが大事であり、また、沖縄の実情に即応した振興開発計画を立て、これに基づいて各般の施策を計画的、一体的に推進していくことが政府の責務とされた。このような観点から総合的な沖縄振興開発計画を作成、これを一体的に推進する機関として沖縄開発庁が設置された。

沖縄開発庁は、国の縦割り行政の弊害をなくし、沖縄施策に関して国が責任を待って沖縄振興開発計画を策定し、これを効率的・総合的に実施する機関であり、他府県には見られないユニークな存在としてスタートした。また、沖縄は本土から遠隔地にあり、本土の制度への不慣れや本土の制度への移行に伴い、事務の混乱が予想されるなどの特殊事情がある。このような現状にかんがみ、県民の使益を図るために、沖縄総合事務局が設置され、県民生活と密接にある許認可事務、補助金事務、振興開発事業が実施されている。
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