2016年12月02日

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(5)

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(5)
〜政治利用の不条理を突く〜

■税制措置の基本的考え方
沖縄の税制措置を講ずるにあたっての基本的な考え方は、おおむね次のとおりである。

直接税については、個人、法人を通じ総合負担の見地から見て、沖縄法より本土法の方が軽減されているものは、復帰時に本土法を適用する。

間接税については、沖縄法が安く設定されていた。例えば、酒税は本土の40%で、その課税体系にかなりの相違があった。復帰に伴い本土税率の適用によって急激に価格が上昇しないよう、また企業の存続が従来どおりできるように所要の軽減免除措置が講じられた。

酒税の特別措置を巡って政治利用(酒類業界について自民党の職域組織設置の圧力)が取りざたされている。

沖縄振興法と復帰特別措置法の精神を踏みにじるものだ。

復帰直前の1971年11月10日、沖縄及び北方問題に関する特別委員会が開催された。「沖縄振興特別措置法案」と「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律案」の趣旨説明があった。当時、私は沖縄北方対策庁沖縄事務局に勤務していた。

沖縄の苦難の歴史に国はすべての責任を負う。歴史の痛みに対する『償い』を基本に沖縄復帰関連法案が国会に提出された。

私の手元に「沖特委」の議事録がある。沖縄復帰関連法案の趣旨説明について掲げる。山中貞則大臣の沖縄への思いがひしひしと伝わる。
* * *
■「沖縄振興開発特別措置案」「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律案」の趣旨説明[1]

昭和46年11月10日
沖縄及び北方問題に関する特別委員会
(説明者)
総理府総務長官 山中貞則

わが国多年の悲願である沖縄の祖国復帰がいよいよ明年に実現する運びとなったことは、国を挙げての喜びであります。

沖縄は先の大戦において最大の激戦地になり、全島ほとんど焦土と化し、沖縄県民十余万の尊い犠牲者を出したばかりか、戦後引き続き26年余の長期間にわたりわが国に施政権外におかれ、その間、沖縄百万県民はひたすらに祖国復帰を叫び続けて今日に至ってまいりました。

祖国復帰が現実のものになったいま、われわれ日本国民及び政府は、この多年にわたる忍耐と苦難の中で生き抜いてこられた沖縄県民の方々の心情に深く思いをいたし、県民への「償いの心」をもって事に当たるべきであると考えます。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:00| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする