2016年12月09日

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(10)

沖縄復帰特例(酒税)の政治利用(10)
〜政治利用の不条理を突く〜

■復帰対策と自治官僚A
岸は米軍統治下の沖縄の現状を憂い、本土の特権官僚に治外法権の沖縄に対する認識に警鐘を発したのである。岸の言葉は今でも心に響く。
 「日本の官僚に『沖縄の心』がわかるのだろうか。沖縄を占領している米軍の感覚より自由気ままである。沖縄の苦難の歴史を知り、住民の気持ちを理解するのは所詮無理なことではないだろうか」

岸論文は、米軍施政権下の沖縄で大きな反響を呼び起こした。沖縄の歴史認識に欠落した本土官僚に猛省を促し、復帰準備の精神を鋭く問う姿勢は、その後の復帰施策に大きな示唆を与えた。

オリオンビール(株)の創設者・具志堅宗精社長は、岸論文に同感の意を表され、「沖縄復帰の精神」が掲載された沖縄タイムスを持参し日本政府へ要請を展開する。復帰不安が高まる中で具志堅社長ら県内経済界の幹部は、「復帰ショック緩和策」として税制上の優遇措置を求めたが、山中貞則総理府総務長官のご尽力もあって実現した。
 
岸は沖縄の国政参加問題についても沖縄の不条理を唱え、「沖縄住民の国政参加」について本上紙に寄稿する。岸論文は日本テレビ社長・小林与三次氏の英断もあって「読売新聞」は破格の紙面を割いて、本土の世論に訴えた。さらに高辻正己法制局長官の示唆もあって論文を練り直し、当時の自由民主党国会特別委員長・園田直氏のもとに提出し、沖縄の国政参加が実現したと述懐する(岸昌『住民自治の座標』昭和47年5月)。
posted by ゆがふ沖縄 at 01:10| 日本政府の復帰対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする