2017年05月26日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(1)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(1)

5月23日、沖縄県選出衆議院議員主催の勉強会「未来会」があった。数年前から毎月開催されているという。県選出衆議院議員とは、野田政権時代に金融、防災担当大臣を務め、各省庁への影響力のある議員である。現在も官僚の人脈ネットワークを積極的に活用する機能を発揮している。

今回は「沖縄振興」がテーマであり、私にも声がかかったので参加した。東京と沖縄を同時中継で結んで実施。「IT時代」を駆使し即時につながる情報感性が実感できる勉強会だ。

講師は、内閣府大臣官房審議官の古谷正彦氏。内閣府沖縄振興局総務課長、財務省理財局総務課長を務め、現在は内閣官房副長官を支える内閣審議官であり、内閣府大臣官房審議官として沖縄政策及び沖縄振興局を担当している。

勉強会のテーマは「半世紀を迎える沖縄振興の実績と課題」で100名近い参加者が聞き入った。未来会のメンバーは、沖縄県内の各界各層を網羅した方々。最後の質疑応答は議論が白熱した。

今年は、5次振興計画の折り返し点を迎える。祖国復帰から45年の節目だ。

沖縄振興の原点は沖縄の特殊事情にある。沖縄の特殊事情とは、焦土と化した沖縄戦の戦禍、戦後27年間、日本から分断され米軍政下に置かれたこと、本土から遠隔地であり広大な海域に多数の離島が点在すること、米軍施基地の存在などだ。

歴史を振り返ってみよう。1971年5月、沖縄・北方対策庁発足。総理府総務長官・山中貞則氏は、戦後沖縄の歴史認識に触れ、沖縄県民に謝罪した。

山中大臣は「沖縄振興は、『県民への償いの心』が原点だ」と述べ、日本政府は『贖罪意識』すなわち『償いの心』をもって沖縄振興に全責任を持つ」と明言した。

沖縄の祖国復帰から45年。日本官僚の沖縄認識が知りたい。沖縄振興はどうあるべきか。沖縄の将来を決めるのは、官僚の力量も影響するが、そのパワーは鋭敏な沖縄認識に裏打ちされているだろうか。

勉強会に参加するにあたり、私の関心事項は、官僚の基本動作を知ることであった。

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2017年05月25日

検証・沖縄大使(22)

検証・沖縄大使(22)

(歴代の沖縄大使と沖縄の動向)
■12代大使・川田司[3]任命2016年6月3日

歴代大使の中でも最も無責任な発言ではないか。自らの発言を認識してほしい─沖縄県議会基地関係特別委員長・仲宗根悟氏の言葉である。

県議会代表団への説明で川田大使は、普天間飛行場の5年以内運用停止要請に対し、「これは私の役割ではない」と答えている。

この人は何のために沖縄に赴任してきたのか? 川田大使への信頼の低下、県民の不信感は止まない。県民が抱く懸念に向き合おうとしない。この人の感覚は見当違いも甚だしい。外務省の司令塔として沖縄への認識が改めて問われる。

はっきり言えば、あまりにも愚かで。開いた口がふさがらない。

国からの財政移転を持ち出し、恩着せがましい基地経済について披露して見せた。ごまかしの率直な認識にも驚いた。分析力はゼロに等しい。

「財政移転しているから沖縄を見殺しにしていない」と述べる発想は沖縄に対する根源的な理解を欠いている。あえて言わせてもらうが、沖縄に対する甘い認識は捨てるべきだ。県民との意識の乖離が顕著である。

2017年4月1日付の琉球新報は「沖縄大使発言 もうお引き取り願いたい」と社説で取り上げた。

同紙は「職責への自覚がうかがえない。県民代表に対する狭量と独善ぶりが宿る理解不能な言動だ」と指摘する。

さらに「米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止を求めた県議会代表に対し、外務省沖縄事務所の川田司沖縄担当大使が、国からの財政移転を持ち出して、基地負担の見返りとして県民に十分配慮しているかのような発言をし、その上で「5年以内運用停止」の約束を破り続けているのは安倍政権の側であるにもかかわらず、普天間飛行場の辺野古移設を「県民のため」と正当化する認識を示した」と報道。

「沖縄の基地負担に関連し、川田大使は「沖縄経済の4兆円のうち、2兆円は本土からの移転経費だ」とあえて述べ、全会一致の意見書を携えた県民の代表に約束を果たせと迫られた側が、臆することなく基地負担と予算をリンクさせる厚顔ぶりに驚く。沖縄は金で優遇されていると印象付けようとする狡猾(こうかつ)さが際立つ」と指摘。

運用停止への見解を問われると、川田氏は「私の役目ではない。役目は皆さんの要望を外務大臣に伝えることだ」と述べた。この発言を批判されると、「なんであなたが決めるのか」「そういう議論をしても仕方ない」と開き直った。

社説は「最低限の役割も放棄したに等しい」と糾弾する。当たり前のことを指摘しているが、川田大使はこのようなメッセージ力をどう受け止めるのだろうか。

川田大使には、問題意識が整備されてなく外交官としての志は感じられない。そう思うのは私だけではなかろう。信頼の確立こそが沖縄大使の基本と思う。沖縄を映し出す沖縄大使像に触れたが、外交官特権の権威は沖縄では通用しない。(本稿終わり)
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2017年05月24日

検証・沖縄大使(21)

検証・沖縄大使(21)

(歴代の沖縄大使と沖縄の動向)
■12代大使・川田司[2]任命2016年6月3日

川田大使着任後の沖縄は、すでに述べたが米軍族による強姦致死・殺人及び死体遺棄事件があった。在日米軍のMV-22オスプレイが墜落した。

川田大使は、沖縄にどのように向き合ってきたのか。沖縄担当大使は、沖縄県からの要望等を踏まえ、1997年2月から任命されている。

沖縄に駐留するアメリカ合衆国軍隊に関わる事項等についての沖縄県民の意見及び要望を聴取し、これを外務省本省に伝えるとともに、必要に応じ、米軍等との連絡・調整を行う等の業務に従事していることが仕事である。(2015年九9月25日・鈴木貴子衆議院議員に対する政府答弁書)。

川田大使の言動を見ると、存在意義はない。3月30日、普天間飛行場の5年以内運用停止を要請するために訪れた沖縄県議会議員団に対し、政府が対米交渉をしたかは「私も知らない」とし、「辺野古移設が県民のためになる」と述べた(3月31日付・琉球新報)

運用停止に向けた外務省の取り組みについて、「知らない」と川田大使が発言したことに、「翁長知事が統治者能力がない」と指摘しているが、川田大使は「自ら証明する発言だ」と皮肉った報道もなされた。

川田大使は主張の説得力を完全に失ってしまっている。外交官として信ぴょう性を揺るがす発言と言わざるを得ない。

沖縄は基地で食っているとの認識も示したが、認識不足も甚だしい。沖縄の基地負担については、「沖縄経済の4兆円の所得のうち、2兆円は本土からの移転経費だ」と基地負担の見返りに経費が入っているかのように反論した。琉球新報報道に接し、驚愕した。

煌びやかな肩書を持つ沖縄大使。間違った沖縄認識で色をなして県議会代表団に反論する一幕。県議会代表に対する対応は、失礼じゃないか。

沖縄から見た視点がまったくない。このバランス感覚のなさは何だろう。


posted by ゆがふ沖縄 at 00:13| ◆「時の動き」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする