2017年06月22日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(20)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(20)

■基地返還と跡地利用[2]

〇安波訓練場(全面返還)
国頭村安波川上流一帯にある海兵隊の訓練場。総面積480ヘクタール。安波海岸沖合9キロの扇状の安波訓練水域と一体となって水陸両用作戦の訓練に使用。1981年にはハリアー機の離発着訓練実施。87年には同機訓練場建設問題で揺れた。98年4月の日米合同委員会で、北部訓練場からの海への出入り口確保のため陸水域の追加提供を条件に全面返還が合意。

SACO最終報告でも施設面積480ヘクタールは全面返還が合意されていたが、北部訓練場から海への出入用の土地及び水域が提供され、1998年12月全面返還された。

〇ギンバル訓練場(全面返還)
SACOで施設面積60ヘクタールの全面返還が合意。返還条件はヘリコプター着陸帯の金武ブルービーチ訓練場への移設及びその他の施設のキャンプ・ハンセンへの移設であったが2011年7月、全面返還された。

ギンバル訓練場跡地利用計画として、金武町は「ふるさとづくり整備事業」を実施。ギンバル訓練場一帯は、美しい海岸線やマングローブが群生する億首川、田芋や稲などの水を湛えた田園風景が広がる豊かな自然環境にある。

ウェルネスの里づくりを目指し、ギンバル訓練場の跡地利用計画として策定された事業が「金武町ふるさとづくり整備事業」。

当該事業は、地域住民の健やかな成長と安全・安心を守ることを推進するため、住民健診や医療の充実、リハビリ等による健康増進と心身の癒しを図ることを目的に地域医療施設及びリハビリ関係施設等を整備するもの(金武町役場の話)。

2013年10月末に下記の施設が完成している。

@施設名称:「KIN放射線・健診クリニック」
管理者:医療法人社団 菱秀会(りょうしゅうかい)

住民健診や特定健診、人間ドック等を実施し、病気の予防、早期発見、治療を行い、地域住民の健康維持増進目的。最新の放射線治療機器を導入し、がんの放射線治療を実施。

A施設名称:「金武リハビリテーションクリニック」
管理者:ぎんばるの杜
金武リハビリテーションクリニック

筋肉や骨、関節などの疾患、外傷を治療する整形外科。また、生活習慣予防等の疾病予防のため運動療法を実施。

B施設名称:「株式会社 佐喜眞義肢」
管理者:株式会社 佐喜眞義肢

主に変形性膝関節症という高齢者の多くが抱える加齢性膝疾患の痛みに対処する義肢装具の製作。製造する義肢装具は特許を取得しており、県内外で広く活用されている

C施設名称:「発達支援センターぎんばるの海」
管理者:学校法人 智晴学園

発達障害児支援の充実を目的に3歳から18歳までの児童を対象とした児童デイサービス。海域でのトレーニングを含めた感覚統合療法を実施。

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2017年06月21日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(19)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(19)

■基地返還と跡地利用[1]

1995年11月、SACO(Special Action Committee on Okinawa)が発足した。SACOとは、沖縄における特別行動委員会のことだ。沖縄の米軍基地負担軽減のため日米両国による協議の場として発足した。

1996年12月、SACO最終報告で返還合意された米軍基地の返還は進んでいない。

SACOで返還合意された進捗状況は下記のとおりだ。

〇普天間飛行場(全面返還)
普天間飛行場は481ヘクタールが返還合意されたが、実現していない。海兵隊飛行場関連施設等のキャンプ・シュワブへの移設が条件になっている。

2006年5月の「再編の実施のための日米ロードマップ」により再編事案で全面返還が記載されている。2013年4月、統合計画に「2022年度またはその後」に返還が可能となる旨が記載。

2017年4月25日、日本政府は県民の反対を無視し強権的に埋め立て工事を着工した。地元紙始め全国紙、本土の地方紙でも報道された。

札幌在住の知人から北海道新聞が送られてきたが、社説を見て関心の高さを知った。

日米の返還合意から21年、沖縄に軋む国家権力は容赦なく新基地建設を進めている。沖縄タイムスが実施した県民世論調査で移設反対は61%と賛成の23%を大きく上回る。移設問題での政権の姿勢も「妥当ではない」が65%を占める。沖縄の自治は形骸化している。

〇北部訓練場(過半返還)
施設面積7513ヘクタール、そのうち3987ヘクタールが返還合意された。1998年12月、海への出入用の土地約38ヘクタール及び水域約121ヘクタールを追加提供。2016年12月ヘリコプター着陸隊の移設工事完了、約4010ヘクタールが返還された。

北部訓練場の過半返還で県内の米軍専用施設は2万2619ヘクタールから1万8609ヘクタールに減少。全国の米軍専用施設も3万369ヘクタールから2万6359ヘクタールに減少。米軍専用施設の沖縄への割合は74・4%から70・6%となったが過重な基地負担に変わりはない。

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2017年06月20日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(18)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(18)

■ITのハブ沖縄[下]

情報通信関連産業の進出背景は、安全・低コスト・高品質のサービス提供が影響している。

沖縄におけるIT関連産業は全体として成長。リーディング産業として今後も期待される分野である。災害リスク分散の観点から沖縄の地理的特性が改めて注目される。

就業者の7割をコールセンター等の労働集約型事業が占め、付加価値化が課題でもある。IT関連産業の一層の集積(バックアップセンター、ビジネスプロセスアウトソーシング等)と高付加価値(デジタルコンテンツ、組込みソフトテスティング等)への取組が急務とされる。

2012年改正された「沖縄振興法」の特例措置を掲げる。

■情報通信産業振興地域・特別地区
従来の「情報通信産業振興計画」は沖縄県知事が策定し、主務大臣(内閣総理大臣、総務大臣、経済産業大臣)の同意を求めていた。改正沖振法では、情報通信産業振興計画を含む分野別計画は計画の必要性を含めて沖縄県が自主的に判断して策定し、法定計画としないことになっている。

@ 情報通信産業振興地域
情報通信産業振興地域等の指定は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興審議会の意見を聴いて主務大臣が指定する。主務大臣が対象地域を指定することで引き続き国の責任において情報通信産業の育成を図るという性格を有する。

情報通信産業振興地域は、情報記録物の製造業、電気通信業、映像・ビデオ制作業、放送業、ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、小売業、製造業等のコールセンター、クラウド(インターネット付随サービス業)、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)が対象業種である。

支援措置
投資税額控除(機械装置・器具備品15%、建物等8%)。下限投資額は機械装置・
器具は100万円超に緩和(従来は1千万円)、建物等は1千万円超

事業税、不動産取得税、固定資産税の課税免除等

A 特定情報通特別地区
特定情報通特別地区は、特に集積する事業でデーターセンター、インターネットイクスチェンジ、インターネットサービスプロバイダー、バックアップセンター、セキュリティデーターセンター、情報通信機器相互接続業が対象業種である。

支援措置:所得控除制度と投資税額控除は選択制
〇所得控除制度(40%控除)
・特区内に本店又は主たる事務所を有する企業
・2012年5月24日以後に特区内で設立され、10年以内の企業
・特区内で専ら特定事業を営むこと
・常時使用従業員が5人以上であること(従来は10人)

〇投資税額控除(機械装置・器具備品15%、建物等8%)。下限投資額は機械装置・器具は100万円超に緩和(従来は1千万円超)、建物等は1千万円超

〇事業税、不動産取得税、固定資産税の課税免除等


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