2017年06月19日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(17)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(17)

■ITのハブ沖縄[上]

近年、県外から沖縄への情報通信関連産業の立地が増加している。立地企業は2005年度103社であったが、2014年度は346社まで拡大。業種別にみると情報サービス業は22社から75社へ、コールセンターは33社から76社へ、コンテンツ制作業は9社から52社へ、ソフトウェア開発業は33社から113社へ、その他の業種6社から30社へ大幅に増加している。

沖縄へ立地した情報通信関連産業の雇用者数は9926人から25912人へ増加し、沖縄のリーディング産業として成長している。沖縄の持つ優位性、税制上の特例措置の立地メリットが影響したと思われる。

本土と沖縄間の通信環境の整備で通信コストの低減が図られており、沖縄はITビジネスのハブとして企業立地が顕著である。

東京を始め札幌、大阪、九州等から浦添市のフアーストライディングテクノロジー(株)へ国際海底ケーブルがつながっている。ここを拠点にして、うるま市のIT津梁パーク、沖縄情報通信センターと県内の各データーセンター、沖縄IT津梁パーク、OIST(沖縄科学技術大学院大学)を結び、クラウドコンピューティング拠点を形成している。

沖縄から香港、シンガポールへGIX回線が結ばれている。沖縄はわが国の国際情報通信拠点としてアジアの架け橋となっているのだ。

国際海底光ケーブルの整備は、沖縄から直接アジアや首都圏に接続する高速・大容量・低価格の通信ネットワークである。沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)が活用された。総事業費75億円で国費60億円投入。

沖縄情報通信センターは総事業費73億円で国費59億円投入。公設民営で2015年4月供用開始、管理運営は(株)沖縄データーセンター。

沖縄クラウドネットワークは総事業費は5億円で4億円の国費投入。ネットワークは浦添市のフアーストライディングテクノロジー(株)─OIST(沖縄科学技術大学院大学)─名護市のクオリサイトテクノロジーズ(株)─宜野座村のNTT西日本九州沖縄支社─クオリサイトテクノロジー(宜野座村)─うるま市のIT津梁パークを結ぶネットワークである。
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2017年06月16日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(16)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(16)

■アジアのハブ・沖縄[下]

2013年無菌充填システムの部品加工、半導体検査機器等の組立企業が旧特別自由貿易地区の賃貸工場に進出した。2015年12月、自社で製造したLED検査装置を香港へ初出荷した。

沖縄の地理的優位性を活かした特色ある企業の進出が目立つ。半導体製造装置の製造・販売目的に進出した企業もある。沖縄の年平均気温は23度が半導体生産基準温度と同一であることに着目。2014年旧特別自由貿易地区の賃貸工場に進出。沖縄進出で恒温クリーンルーム電気代が約40%節減。沖縄貨物ハブを活用した短期的対応やアフターサービスの向上により、海外販路拡大を目指している。

モノづくり再生の処方箋は沖縄にある。アジアの時代、設備投資の低減、国際物流拠点産業集積地域の制度利用、優遇税制の側面から沖縄で製造業がよみがえる。

業種の広がりがビジネスを展開する。化粧品・医薬部外品・健康食品のOEM企業は2015年、国際物流拠点産業集積地域那覇地区(旧自由貿易地域那覇地区)に進出。ファンデーション等の化粧品の充てん作業を行ったうえで、沖縄貨物ハブを活用してアジア各国へ出荷する。物流を担う沖縄ヤマト運輸(株)と連携し、越境通販の総合的な支援拠点として事業展開中だ。

沖縄の地理的優位性に本土企業が進出し、製造業が輝きを取り戻す。日本の製造業は沖縄を足場にアジアとビジネスを展開する。

アジアと日本本土を結ぶ沖縄。ANA沖縄貨物ハブ。経済の磁場としての沖縄。全日空は2009年10月、「ANA沖縄貨物ハブ」を運行開始した。沖縄のアジアにおける地理的優位性を活化し、那覇空港と国内(羽田、成田、関西、中部)、海外(ソウル、上海、アモイ、青島、香港、台北、バンコク、シンガポール、)を深夜貨物便ネットワークで接続する「ANA沖縄貨物ハブ」で国際ビジネスを展開。

アジアを取り巻く経済環境、市場の性格、競争ルールが変化する中で沖縄に着目。経済のグローバル化、ボーダレス化を背景として比較優位の「ANA沖縄貨物ハブ」が新しい発想を生んでいる。





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2017年06月15日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(15)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(15)

■アジアのハブ・沖縄[上]

日本地図を見ると、沖縄は日本の片隅にあるが地図をひっくり返してみるとアジアの中心地に位置する。沖縄はアジアのハブである。航空機で4時間以内に人口20億人の巨大マーケットがある。日本列島はすべて含むが、アジアでは、台北、北京、上海、広州、ハノイ、ホーチミン、バンコク、マニラ等が広がる。

那覇空港は24時間空港だ。アジア経済のダイナミズムを取り組むビジネス拠点としてのポテンシャルを有する。経済の磁場としての沖縄。なぜ今、沖縄か。経済の引力はアジアに重力が移っている。

2012年4月、改正沖縄振興法が施行され、従来の自由貿易地域、特別自由貿易地域が廃止され、「国際物流拠点産業集積地域」が創設された。

沖縄はアジアの中心という地理的優位性を活用し、近隣アジアの成長や活力を取り組むことで、沖縄の産業振興のみならず、我が国全体の経済発展にも波及効果が期待されている。

沖縄県では物流拠点の形成を沖縄振興策の大きな柱として捉え、沖縄特有の経済問題や雇用問題の改善を図る目的で推進している。

国際物流拠点産業集積地域は@那覇空港地区(貨物上屋)、A那覇港地区(野積場)、B那覇地区(旧自由貿易地域那覇地区)、C中城湾新港地区(旧特別自由貿易地区)が指定された。

沖縄進出企業の実績を見てみよう。半導体製造装置向け流量計の製造を手掛けている企業は、東日本大震災を契機に、生産リスク分散のため2011年に旧特別自由貿易地区に進出。国内外から調達した部品を沖縄で組み立て、精度保証し国内及び海外の半導体製造装置メーカーに出荷する。

那覇空港を離発着する国際線、国内線、貨物便への航空機機内食も沖縄で調達する企業もある。将来的には、外国の航空会社向けにも機内食の調整を行う予定だという。

本土食材、沖縄食材を活用した加工食品の製造・販売の進出企業は、現在、国内向け販売であるが、将来的には沖縄貨物ハブを活用してアジア諸国への販売戦略も描く。

自動車を始め、大型建設機械等の排ガス用触媒金型の一貫製造会社も沖縄に進出した。2010年、旧特別自由貿易地区の賃貸工場に入居した。製造した金型は、日本本土はもとより深刻な環境問題を抱える中国、韓国及び欧州市場へも供給している。

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