2011年11月18日

「基地とリンクした振興策」

シリーズ 「沖縄経済の特異性はどうしてつくられたか」−(7)


<「基地とリンクした振興策」>


 基地所在市町村の財政は、基地交付金、基地所市町村在活性化事業(島田懇談会事業)、北部振興事業で「箱モノづくり」がなされてきたが、維持・管理等のランニングコストで市町村財政は硬直化し、地域は閉塞感から抜け切れていない。


 基地所在市町村には,年間約280億円の防衛施設生活環境資金(民生安定施設補助)、特定防衛施設交付金、国有提供施設交付金、基地施設所在市町村調整交付金等が交付される。その他、基地受け入れの対価として基地所在市町村活性化事業(島田懇談会事業)1000億円、北部振興事業1000億円が担保された。


 島田懇談会事業は、基地市町村の閉塞感を緩和し、経済を活性化することで若い世代に夢を与える事業として1997年度にスタートしたが、地域は潤っていない。08年度までに837億円が事業採択されたが、「箱モノ」がつくられ、雇用機会の創出、経済の自立、人づくりを目指す事業目的は達成されず、将来の展望は描かれていない。


 北部振興事業は、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」として2000年度に特別予算100億円が計上され、新たな基地建設の代償措置としておおむね10年間で1,000億円が担保された。2000年度から2007年度までの北部振興予算の実績は、公共事業442億円、非公共事業252億円、計694億円が事業採択された。北部振興事業は基地とリンクしているため、基地受け入れの条件が付いている。例えば、07年度予算は、V字型の代替海上基地建設を認めない沖縄側に防衛省が反発し、10カ月も予算が凍結され、新規・継続事業がストップし、年が明けた08年1月22日、会計年度がわずか2カ月の期間で予算凍結の解除を行ったが基地とリンクしている地域振興の在り方が問われている。


 基地交付金、基地とリンクした予算で地方自治を行うことは、地域の主体性を失うことになり魅力ある地域づくりはできない。


 基地所在市町村には深刻な財政問題も発生している。基地依存度の高い自治体は嘉手納町40%、次いで宜野座村35%、金武町は35%である。これらの市町村は、基地収入が税収の2倍を超えており、基地収入がないと予算が組めない構造的な問題を抱えている。


 普天間飛行場移設関連経費としては、北部市町村には基地周辺対策費、基地交付金、北部振興事業費、SACO関連経費等3,800億円の財政移転がなされた。移設受け入れ先の名護市は法人事業税収入の減少、起債残高の増加、失業率の増加等がみられる

posted by ゆがふ沖縄 at 01:06| Comment(0) | 沖縄経済の特異性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: