2012年02月14日

宮田裕の「アジアリポート」(4)

宮田裕の「アジアリポート」(4)

 タイからマレーシアに向かった。


 広大なクアラルンプール新国際空港に降り立ち、そのスケールの大きさに吃驚した。80のゲートと2本の平行滑走路を備えた空港は森の中にあった。環境的にも美しくマルチメディア・スーパー・コリドーにふさわしい国際的な玄関だった。熱帯の強烈な太陽と空気、原色鮮やかな熱帯植物、陽射しが強く地面から焼き付ける暑さで喉が渇き、ミネラルウォーターが気持ちよいほどに体に吸収されていく。
 空港から数分でると、高層のコンドミニアムが屹立し近代的なマレーシアの匂いを感じた。クアラルンプールは高層ビルが林立しハイブリッド・アジアの象徴に見えた。マレーシアの人々は豊かさのなかに自分の人生を求めたのであろうか。


 我々は、新時代の未来都市に感慨が湧き、クアラルンプール・シティー・センター、新行政都市プトラジャヤ、情報産業都市サイバージャヤを結ぶ都市開発、マルチメディア・スーパー・コリドー(南北50キロ、東西15キロのエリア)のマハティール構想を聴くためにマルチメディア開発公社(MDC)を訪ねた。

■ マハティールの挑戦
 ジャングルを切り開いてつくったという産業情報都市サイバージャヤは、サイエンスパークに生まれ変わっていた。その一角にMDCはあった。平屋でしゃれたデザイン、すばらしい環境は高度化戦略として位置づけられていた。

 NTTから出向した鈴江マネージャーは、21世紀のマレーシアは世界の情報ハブになると力説し、「マハティールの挑戦」をビデオで紹介した。


 「MSCプロジェクトは世界で初めてだ。我々はアジアにおける情報化時代の成果を求める先端企業のニーズに応えるため、特別に設計された環境を持つ地域を創造しようとしている。このようなプロジェクトは、構想をたてている国はまだない。マルチメディア・スーパー・コリドーは情報化時代のグローバルな促進剤で、そのメカニズムは、先端的な技術を駆使する企業や国、および国境なき世界を皆、豊かにする構想である」。マハティールは21世紀に先進国入りするマレーシアの姿を強調する。 

「マレーシアは急速な工業化を成し遂げ、そのためにかつては一次産品が輸出の100%を占めていたのが、いまでは輸出価格の七八%を工業製品が占めるようになっている。それでもマレーシアは先進国ではない。先進国になるためには、従来通りの製造産業の段階にとどまらず、次ぎに情報産業へ進まなければならない。それを達成するためには全世界の才能と力を借りる必要がある」。クアラルンプール国際空港、世界一のツインタワー、情報をベースとする産業のR&Dセンター、新しい電子政府センターをそれぞれ光ファイバーで結び情報化時代の価値を創造するための新しいパラダイム。ビデオを見ながら、21世紀が近づくにつれてめざましい変化が生じていることを実感した。 

 先行き不透明な時代にあって、きちんとした未来のビジョンを持ち、しっかりと将来を見据える政治家、マハティール。クアラルンプールは21世紀のアジアを代表する国際都市として著しく変貌を遂げようとしている。次回はマレーシア発展の追い風となった情報戦略に焦点をあててみたい。

□ □

◎マレーシア

1.面積
33万平方キロメートル(日本の約0.9倍)

2.人口

2,840万人(2010年統計局)

3.首都

クアラルンプール

4.民族

マレー系(66%)、中国系(約25%)、インド系(約8%)

(注:マレー系には中国系及びインド系を除く他民族を含む)

5.言語

マレー語(国語)、中国語、タミール語、英語

6.宗教

イスラム教(連邦の宗教)、仏教、儒教、ヒンドゥー教
、キリスト教、原住民信仰



posted by ゆがふ沖縄 at 00:08| 宮田裕のアジアリポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。