2012年02月16日

宮田裕の「アジアリポート」(6)

宮田裕の「アジアリポート」(6)

 まず、はじめに全体概要を鳥瞰しよう。


 スーパー・コリドーは生き残りをかけてマレーシアを創造、あるいは改造する計画だが、世界の眼が向けられている。サイバージャヤの中核部分は2800ヘクタール。1998年完成の予定であったが、約半年遅れの19997月正式オープンした。 


■ サイバージャヤ・プトラジャヤ開発の状況
 MSCの中心地、サイバージャヤ、プトラジャヤの状況を見ると、7月の正式オープンを受けて、プトラジャヤには一部政府機関(首相府)が 入居していた。サイバージャヤにはMDS本社サイバー・ビュー・ロッジ、NTTMSC、テレコムマレーシア(一部未完成)マルチメディア大学が完成、NTTが事業開始、マルチメディア大学では学生が学んでいる。その他の施設では、4月に政府が発表していたインキュベーションセンターが2カ所完成しており、3番目のセンターを建設中であった。インフラの整った貸しビル(オフィス空間を各企業に提供)であるインキュベーションセンターには、IT関連の中小企業がすでに複数入居しており、マルチメディア大学敷地内にあるインキュベーションセンターでは、38社が入居済みとのことであった。

 通信のバックボーンは、テレコムマレーシアが整備する。プトラジャヤ地域は10Gのバックボ−ン、サイバージャヤ地域は2.5Gのバックボ−ン。通信インフラは埋設敷設が終了。各施設には2Mbpsの回線が接続されている。通信コストに関してMSC内は優遇されており、その他の地域より国際回線使用料が15から20%程度安いとのことであった。

 400ヘクタールのマルチメディア工業団地には、世界有数の約40社が進出決定、用地はほぼすべて埋まっている。日本からは、NEC、富士通の合弁企業が進出するようだ。MSCステータスを取得した企業は、20007月までに、進出することが義務づけられている。

  199911月末時点でサイバージャヤ(2800ヘクタール)進出ステータス企業は339社。このうち、79%にあたる268社がMSCステータスを取得している。

 高度な知識を有する技術者が、MSC計画の鍵であるとの認識の下、人材育成に力を入れていた。MDC社によれば、2005年までには、10万人以上の高級技術者を供給することを予想している。

マルチメディア大学

 インターネットの進展は、資本主義経済の本質を変えるという。情報技術は文化の発展、文明の転換をもたらすともいう。マハティールの戦略は、情報化のトップランナーの人材育成にあった。マルチメディア大学は緑の丘の上にあった。すばらしい環境がそうさせるのか爽快な気分になる。しかし、理想郷ともいえるその偉容さには驚いた。

 サイバージャヤの一角にある同大学は、テレコムマレーシアが100%出資する民間私立大学。サイバージャヤキャンパスが設置されたのは19997月であるが、199510月設立されたマレーシア初の民間大学テレコム大学の姉妹キャンパスとなっている。


 大学設立の背景は、MSCIT人材(ヒユーマンリソース)を確保することで、MSCで働くITスキルを身につけた人材を数多く排出するための大学である。スタンフォード大学がシリコンバレーの人材をサポートしているのと同様だと言える。サイバージャヤキャンパスでは、マルチメディア学部、IT学部があり、今後MSCの活動を支える人材を育成するものと期待されている。学生は5800名、2002 年には学生数12000人を見込んでいる。199710月からは、修士コース(80人)、博士コース(42人)を開設。講義内容は全てオンライン化、学生は講義をウェーブで見ることが可能である。特に、テキストベースのみならず、映像、音声を利用した講義で教授は全ての講義を電子化している。アクセスにはIDとパスワードが必要である。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:06| 宮田裕のアジアリポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする