2012年08月02日

沖縄地域開発の系譜(44)

沖縄地域開発の系譜(44)

沖縄経済振興の基本構想F

 昭和44年10月22日 総理府特別地域連絡局


(6)国土の保全と開発
 沖縄は、台風により年々多額の資金を喪失しているので、国土の保全には特に留意するとともに、国土の開発、離島の振興について総合的な見地から施策の推進を図る必要がある。

 国土保全のための造林、治山、治水事業、災害復旧事業等については、計画的重点的な実施を図り、その実施に当たっては、地域的にも時間的にも極力経済効果、雇用効果を考慮して行う必要がある。

 水道、下水、住宅等の社会環境施設については、都市化現象の顕著な那覇市その他の主要都市において公園、下水施設の不足、住宅難等のアンバランスが目立ち、都市計画の立ち遅れが深刻な社会問題となりつつある現状から、すみやかに都市計画の策定、都市機能の分散、公共施設の適正配置、産業立地の適正化、公害の発生防止等に努める必要がある。

 離島振興については、農漁業、観光等の開発を積極的に推進するとともに、とくに離島の社会的、経済的阻害要因となっている離島と主要島嶼を結ぶ交通通信網については、すみやかな整備を図り、あわせて集落規模適正化への誘導、生活環境施設整備等の諸施策を総合的に推進する。

 離島振興の一環としての西表島の開発については、未開発資源の開発という観点から、資源、港湾その他同島の立地条件に関する専門的調査を基礎に開発の推進を図る。

 なお、このほか沖縄の経済開発の起動力の一つとなるものとしてあげられるものに、パイロットの養成訓練のための訓練飛行場の設置がある。

(7)労働

 本土に見られる労働力不足の深刻化、賃金上昇、物価上昇という現在の労働経済のパターンは、沖縄においてもすでにその萌芽が現れている。技能労働者の求人難、連年の賃金の大幅な上昇、低生産性部門の価格上昇がそれである。


 したがって、今後における労働経済の課題は、なお当分の間続くとみられる労働需要の窮迫から一層活発化するとみられる本土からの求人活動に対処して、いかに域内労働需要の安定を図り基幹労働力を確保するかということであり、そのためには企業経営の安定と労働能率の有効発揮が必要となる。

 雇用については、労働需給の深刻化、産業構造の変化、経済全体の効率化に即応し、労働力の産業間、職業間、地域間の移動を円滑に進めるための条件の整備を図り、特に比較的高度の技能を有する基地関係雇用者等の転職対策には積極的な施策を講ずる必要がある。

 また、労働力不足を背景として企業における技術革新が急速に進行するものとみられるので、労働力の質の向上と新技術に対する適応性を高める職業訓練、技能検定等の一層の拡充が重要な課題となる。

 さらに若年労働者の不足に伴い、今後は高齢者、中高年女子などの就労が増加するものと思われるので、これらを円滑に雇用するための企業の賃金、雇用制度等について再検討、各種施設の充実が必要になろう。

(8)金融
 沖縄経済の振興を図るためには、開発資金の確保、金融体制の整備が必要である。開発資金の確保については、琉球開発金融公社の琉球政府への移管問題を含めて、長期開発資金の一元的管理に当たる金融機構、例えば、沖縄開発金融公庫(仮称)の設立について検討するとともに、琉球政府の財政状態にかんがみ、日本政府の財政援助、投融資により、長期低利の開発資金の確保と円滑な供給を図る必要がある。

 金融体制の整備については、民間金融機関について多数各種の金融機関の並立は経営効率の低下を招く要因ともなっているのでその統合について検討し、また民間金融機関の受け持つ分野についても、開発資金確保の状況を考慮しつつ、逐次長期金融から短期金融を主体とするよう指導し、その他金融制度一般とくに金利体系、金利水準について、なるべく早い時期に本土との斉一化を図るよう措置する必要がある。

 また沖縄に対する本土企業の投資、金融機関の投融資については、政府の適切な誘導のもとその活用を図る見地から、許認可に当たり特別の考慮を払う必要がある。



posted by ゆがふ沖縄 at 00:04| 沖縄地域開発の系譜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする