2012年09月01日

琉球政府の沖縄施策(20)

琉球政府の復帰施策(20)

■幻の「屋良建議書」(13)

〜沖縄復帰の建議書〜

1971年11月18日


 次に沖縄開発庁設置法案によれば、国の行政組織の上で類例のない総合事務局が沖縄に設置されることになりますが、沖縄の総合事務局の所掌事務は総務部門、開発工事を実施する部門、許認可行政部門及び本来ならば第三者機関として設置されるべき公取委事務所など開発庁の権限以外の各省庁の業務も含まれることになっております。
復帰時の総合事務局.jpg

 沖縄のような小さな地域に膨大な国の機関が設置されると沖縄の地方自治団体の自治、特に沖縄県の自治に重大な影響を与えるように思われます。したがってこのような事務局を設置する場合には、沖縄県側の自治を最大限に尊重することを当然前提にしなければならないのであります。

 地方自治の侵害は、戦前戦後を通じて、自治権拡大を最重要課題として要求してきた沖縄県民の最も忌避するところであります。


 私たちは、これまで繰り返し強調してきたように地域開発はあくまでも地方自治の本旨に則って、地域住民の経済的水準並びに福祉の向上を目的とした地域住民本位の開発でなければならないと考え、これに対する国の配慮を強く要請するものであります。


(四)裁判の効力について


 米国の施政権下において行われた裁判の効力を復帰後どのように取扱い、国内法上これをどのように処理するかは、それが国家権力の本質と県民の人権に重大な関係を持つものであるだけに極めて重要な問題であります。そして、これは本来、国の司法権に関する問題であり、復帰後の国内措置としてこれをどのように処理するかという問題であるから、その処理の仕方については、当然日本国憲法およびその下における全国法秩序と適合するものでなければなりません。

 そうでなくても、もしそれが施政権者に対する配慮や国の外交政策上の都合によっていささかたりとも歪められるようなことがあるとすれば、国の司法権の基本理念は崩壊し、これに対する国民の信頼を維持することも困難となりましょう。

 このような観点からこの問題を考察するとき、米国の施政権下においてその発動として設置された米国民政府裁判所及び琉球政府裁判所は、如何なる意味においてもこれを日本国憲法上の裁判所と同列に置くことはできないのであります。

 これについては、何人も異論のないところであり、米国の施政権下において行われた裁判の効力を判断するに当たっては、まずこの点に留意しておく必要があります。これについては何人も異論のないところであり、、米国の施政権下において行われた裁判の効力を判断するに当たっては、まずこのことに留意しておく必要があります。


 民事裁判は、もともと裁判権そのものも私人間の紛争を処理するためのものとして設定され、裁判手続き全体が弁護主義によって支配され、裁判の結果についても法的安定性が最大限に尊重されなければならないのであるから、米国の施政権下において行われるものであっても、それは内容的に日本国憲法およびこれを頂点とする全国法体系の上で公序良俗に反するものでない限り、その効力を承認して差し支えないものであります。

 したがって、これについては、特に問題にすることなく、ただそれが適切な経過措置によって復帰後国内法体系の中に組み込まれればそれで足りるわけであります。


写真

復帰時に設立された沖縄総合事務局。
6階建てを9階建に設計変更させて国が借り上げた。
復帰の混乱期で「手書きの辞令交付」が行われた。
第二の米国民政府への懸念があった。
(瀬長浩『世代わりの記録』)
*瀬長氏は復帰対策の琉球政府代表




posted by ゆがふ沖縄 at 00:06| 琉球政府の復帰施策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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