2013年02月24日

沖縄復帰の証言(41)

沖縄復帰の証言(41)

〜政府の復帰施策に関する報告書から〜


◆総理府総務長官・山中貞則(41
聞き手・小玉正任(元沖縄開発庁事務次官)

●沖縄担当大臣の心得@
山中:新任の開発長官がみなここに来て,「心得を教えてください」と言うから,「それは簡単だよ,沖縄県民の心になり,沖縄県民の目で見えるようになるまで要らないことは言わないことだ」と言ったら,「沖縄県民の心をもち,沖縄県民の目をもてるようになれるでしょうか」と言うから,「なれないならばなれるような努力をしなさいよ」と言った。

 それは沖縄の人たちは思っていないけれども,沖縄のなかに,ほんとうに沖縄の人と変わりない付き合いを向こうのほうで許してくれるのは,何か目に見えないバリアがあるんです。そのバリアを破ろうと思っても破れません。


 入ろうと思っても入ることはできない。しかし,いつの間にかバリアの内側に自分は入っちゃったなと思うようなときがきますよね。ぼくはいま完全に沖縄の人々の,どの島に行っても,沖縄の内側の人間,私たちの山中先生,われわれの山中という, これは革新の市長であれ,何であれ,関係なしですよ。それだけは共通。

たとえば県道越えの射撃なんかは,それは総理大臣も,防衛庁長官も大分県出身である。大分県には日出生台という演習場がある。自分の郷里の県に沖縄の演習場を受け入れろと言ったんだ。衛藤はそうとう考えたようだけれども, この間,帰って,「場合によっては私ども大分県が沖縄の痛みを一部肩代わりしなければならないことがあるかもしれない。私は大分の県民に済まないけれども,担当者として,皮肉なことにそういうことをしなければならないかもしれない」という挨拶をしていた。


 ぼくは衛藤に言ったんだ。村山に, 自分の選挙区にもっていきますと言わせろ。そうしたら沖縄の人も,ほう,そんならちょっと信用するかという気になるんで,今のままの作業をやってみろ。


 おれが合意した那覇軍港の返還から何から全部,まだ実施されていないんだから,浦添の市長が要りません,お断りしますと言うと,それでもうあの計画は,合意したけれども, もう3度ぐらい合意していますよね。いくところがないんだから。だからいけるのは県道越えの演習場を大分県の日出生台にもっていく。それはたまたま総理と防衛庁長官が大分出身であったから,大分県民よ!許せ,


 沖縄の痛みを肩代わりしてくれということを言うべき絶好の立場じゃないか。総理には言ってないけれども,衛藤にはそう言った。

 そうしたら,はあ,そうですか。そういうこともありますねえと言った。それはそうだよ。まず自分の体で感じろと。この問題は沖縄開発庁長官も入れてやるべきである。というのは,おれが沖縄担当大臣になったとき,沖縄の,当時ハイコミッショナー(高等弁務官)がランパートだったからね。あれが基地のなかを見てくださいと言ったから,「お断りする,私は基地のなかには入りません。基地の外から,沖縄県民の目で見させてください」と言って,一歩も基地には入らなかった。

それでランパートが,「ただ会談を私の官舎で行う場合は来ていただけますか」と言うので,私は,「その会談の場所には行く。しかし,あっちこっち見せてくれとは言わないよ」と言った。


 嘉手納の彼らのゴルフ場に行っても,司令官が2,18番ホールで待っているわけだ。「中のほうで晩飯をいかがですか」「だめだ。おれは外から見る」と言ってずっとやってきた。


 同じ返還でも,返還したら沖縄の県民が,ああ, じゃあ使えるわ.というようなものを返さなければいけないと言って,今の嘉手納からず―っと下ってきて,ハンビーのあそこに至るまでの国道から50メートル,合わせて100メートルを全部個人に返還したんだね。あそこは国道沿いだから利用価値はいくらでもある。あの50メートルずつの間にどんどん店ができた。


 ああいうふうに,返したら地主が地料がどうのこうのと言わずに,返してくれるのか, じやあ, おれはここにああいう店を出そうというようなところを選んで,向こうも,あのときに米人の小学校が一部引っかかったんです。そこを勘弁してくれと言うから,小学校に貸してやるから返せ,いずれにしても50メートル幅と言って,小学校があそこにあるけれども,あれは米軍が逆に借りているんです。沖縄県民が借りているんじゃなくて,米軍が沖縄県民に地料を納めて借りているんです。


 だからああいうふうに思い切ったことを,国道の両幅50メートルずつ返せと。海岸のところをどうのこうのということは言わないわけです。スパーンと言えば,向こうもわかるときはわかるんですよ。



posted by ゆがふ沖縄 at 00:02| 歴史の証言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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