2017年04月13日

沖縄予算一括計上の本質㉟

沖縄予算一括計上の本質㉟
〜敗戦後の財政援助から沖縄予算へ

沖縄振興計画は、沖縄振興特別措置法では沖縄県知事が原案を作成し、内閣総理大臣が決定する仕組みになっている。沖縄現地では沖縄総合事務局と沖縄県が密接に協議し情報交換を行っていた。当時私は、沖縄総合事務局で沖縄振興を担当していた。

沖縄総合事務局を巡っては、県にとっては中二階的な存在になっているという声が聞かれていた。地方分権の制度的枠組みとして「沖縄開発庁不要論」が出ていた。格差是正を優先したため国、県、市町村の役割分担という観点からこのような意見が出ていたのだろう。

沖縄開発庁本庁と総合事務局が一体となって振興事業費について県と調整していたが、県幹部から沖縄開発庁不要論が出ていたことには驚愕した。沖縄にとっては不幸な出来事であった。

沖縄総合事務局は、沖縄振興のワンストップセンターの機能を果たしていたからだ。1千人単位の職員を抱え、沖縄振興、直轄事業、戦後処理として復帰後の沖縄に果たした役割は大きい。

県幹部から出た「沖縄開発庁不要論」についてブログで書いたら、当時、沖縄開発庁でかかわっていた職員から意見が寄せられた。

今回は、2次振興計画後期の課題についての議論を当時の日誌から書くことにする。

1985年夏だった。国の沖縄振興開発審議会総合部会が開催され、同部会に専門委員会を設置し、「第2次沖縄振興開発計画の展望と戦略について」調査・審議を行うこととなった。

専門委員会では二年の歳月をかけて@沖縄振興の現状と問題点、A人口及び経済フレームの見通し、B2次振興計画の課題と方策が調査・審議されたが、その取りまとめはひとえに教授のご功績によるものと言っても過言ではない。当時1987年に行われる海邦国体以後の2次振計後期(1987年度〜1991年度)において政府の財政事情等から考えても、財政支出の落ち込みが予想され、沖縄経済への影響が懸念されていた。

沖縄経済を特徴づけているのは、基地依存型・公共投資依存型経済だ。このような状況から沖縄経済の自立化を図るための産業の振興が緊急の課題とされた。

2次振計後期においては、主要プロジェクトを発掘し、財政の落ち込みを食い止めていくことが重要な課題とされた。そのために自立的発展を支える産業基盤整備へ全力投球していく必要性が指摘された。同じく沖縄の地域特性を活かした産業振興の方向づけについても模索された。

議論の主軸は、1次、2次振計における沖縄振興開発の現状と課題の総括と、併せて2次振計終了後の沖縄の経済社会を展望した沖縄振興開発の進め方に置かれた。

検討結果は、わが国全体の中で沖縄の有する特別な位置づけに思いを致すとき、ボーダレス化の進展とともに沖縄の地理的有利性が増してきており、沖縄の自立的発展は単に一地域としての発展にとどまらず、広くわが国全体の発展に積極的に寄与していくことができる可能性を有しているということであった。

したがって今後は、沖縄の特性を十分に活用し他の地域では容易に求めることのできない種々の特色を有する地域として、亜熱帯農業、情報通信産業等の産業の振興、学術・文化・経済等の交流拠点、国際的規模の観光・保養地域を形成すること等により、県民福祉はもとより、わが国経済社会の中で沖縄が果たし得る役割を発揮する必要があるということであった。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:36| 宮田裕の「沖縄振興論」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする