2017年04月14日

沖縄予算一括計上の本質㊱

沖縄予算一括計上の本質㊱
〜敗戦後の財政援助から沖縄予算へ

すなわち、「残された格差の是正と自立的発展の基礎条件整備を進める」とともに、「広くわが国の経済社会及び文化の発展に寄与する特色ある地域として整備を図り、世界に開かれた豊かな地域社会の形成を目指していく」ことが今後の沖縄振興を進めていく上での基本理念となった。

2次振計の期間中に投入された財政投資と評価について触れておきたい。この期間の沖縄開発庁予算の総額は2兆2281億円。そのうち沖縄振興開発事業費は2兆149億円でこのうち公共事業費は1兆808億円であった。

沖縄振興予算の特徴は、国土交通省、農林水産省等に係る公共事業関係費のほか、非公共の文教施設費、さらに沖縄の特殊事情等に対処するための経費(位置協会明確化、不発弾処理、対馬丸関係等)や沖縄振興開発金融公庫補給金等の諸経費を計上している。

コストパフオーマンスを見てみよう。人口は111万人から122万2千人に増加した。計画では人口は120万人設定したが目標を達成した。期間中に毎年0.8%人口を増加する計画であったが毎年1%ずつ人口は増加したことになる。

1次産業の就業者の比率は産業全体の14%を占めていたが計画では12%に減らし、減った分2次産業、3次産業に雇用を拡大する計画であった。実際1次産業の就業者は14%から10%に減った。農林水産業に雇用の比重は置かなかった。沖縄の食糧自給率は改善されなかった。遊休農地も増えた。政策論として経済フレームの設定に問題がなかったか自己反省すべきだろう。

産業構造はどうか。1次産業の総生産は県内総生産の6%であるが、10年間そのまま維持するとした。就業者の比率を減らす計画に矛盾が見られる。実績は6%から1.2%になった。

農林水産業の振興を掲げながら矛盾が吹き出た結果となった。沖縄開発庁の官僚が沖縄の現場を知らずに鉛筆をなめて作った経済フレームの実体だ。

第2次産業の生産額は22%だった。計画は沖縄の自立的発展、県民所得格差を掲げた。達成目標として24%に設定した。実績は19%だった。1人当たり県民所得は全国の65.8%の水準だ。沖縄振興開発事業費は2兆149億円の財政資金は機能したのか。財政投資の費用対効果の実証的分析はおこなわれていない。

専門委員会に話を戻そう。沖縄開発庁の調査審議、沖縄振興法の総点検作業、沖縄振興総合調査の結果、さらなる沖縄振興の継続が必要とされた。沖縄開発審議会の審議の結果は、内閣総理大臣に第3次沖縄振興の必要性を意見具申する運びとなった。その結果は、1992年3月27日、「沖縄振興開発特別措置法の一部改正」及び「第三次沖縄振興開発計画」策定につながった。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:00| 宮田裕の「沖縄振興論」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする