2017年07月26日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(41)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(41)

■沖縄振興に10兆9,403億円

検証・沖縄振興事業費と国税納付額(2)

第2次振興開発計画の経済フレームを議論していたころの記録、記憶を呼び戻しながら、ブログを書いている。2階の窓から南風原方面の夜景を見ながら赤ワインを飲むと、心地よく体に吸収していく。振興計画に携わっていたころの「想い出」が吹いてくる。現役を離れて長いが、ひとつの新しい息吹がある。

2次振計期間中に国が投じた振興予算は2兆149億円。2兆円の財政投資で社会資本は整備されつつある。この期間の経済成長率は1985年度6.0%(全国は6.3%)、1989年度6.1%(全国4.6%)の伸びを示していた。1990年度は1.2%(全国6,2%)に落ち込んだ。その他の年度は2〜4%台の経済成長を遂げた。

国の沖縄振興開発審議会専門委員会の事務を担当していた。2次振興計画の経済フレームの議論は、人口を120万人設定したが、実績は122万2千人だった。復帰後の人口増加は想定外に伸びつつある。

県内総生産に占める1次産業の構成比は6%設定したが、実績は2.6%だった。2次産業は24%を想定したが、実績は19.1%、3次産業は73%を想定したが81.2%に肥大化した。

この間、国は沖縄から1兆8,754億円の国税を徴収した。振興予算2兆149億円の財政投資の関連で見ると、復帰プログラムをどう解釈すべきか? 戦後四半世紀を超える長い間、本土から分断された沖縄に対する「振興予算」をどう読み解くのか。沖縄の苦難な歴史に対して、沖縄振興に国は全責任を持つとはどういうことか。戦後17年間、日本の財政から見捨てられた唯一の県であることを直視しなければならない。

2兆円の財政投資で道路、港湾、空港、学校教育施設を中心とした本土との格差は解消されつつあるが、水資源の開発、生活基盤施設(病院、公園、下水道、公営住宅等)、産業基盤施設は立ち遅れている。

情報分野、教育問題、企業の誘致、県民所得格差の分野では、積極的な施策展開が期待されたが、取り組みは弱かった。

経済構造では生産部門が弱く、移輸入依存度が高いため大幅な貿易赤字が続き、財政移転でカバーする財政依存体質は改善されていない。2次振計終了時の1991年度の財政依存度は35.7%だ。県民1人当たりの全国との所得格差は65.7%。沖縄経済に占める製造業の割合は5.9%。

自立的発展の課題は残されたまま、産業振興、雇用・失業問題は深刻でほとんど解消されていない。経済指標が空しく響く。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:01| 大学の窓から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする