2012年12月10日

改正沖縄振興特別措置法の解説(58)

2012年7月 内閣府資料から

■改正沖縄振興特別措置法の解説(58)



第八章 沖縄振興の基盤の整備のための特別措置

●今般の法改正においては、沖縄振興における沖縄県の自主性の発揮を支援するため、自由度の高い一括交付金の創設を規定することとし、本章の規定のうち、第百五条の二及び第百五条の三を一部改正するとともに、第百五条の四が新たに盛り込まれたところである。


●一括交付金の制度設計については、他の交付金の例(都市再生特別措置法の都市再生整備計画に基づく交付金、農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の活性化計画に基づく交付金等)に倣い、沖縄県が沖縄振興に資する事業を実施するための計画を作成し、この計画に基づいて国が交付金を交付する仕組みとしている。

●なお、改正前の第百五条の二及び第百五条の三は、三位一体の改革により廃止された補助負担金の対象事業及びこれに関わりのある周辺的事業について交付金を交付するための規定であったところ、改正後の第百五条の二及び第百五条の三においては、これらの交付金についても概念上吸収する形とし、要件を満たせば新たな条文に基づいて引き続き交付できるものとしている。

 また、第百五条の四については、国会での修正により、基金の財源に充てるため、交付金の交付が可能な旨を明示する規定として盛り込まれたものである。


(沖縄振興交付金事業計画の作成)
第百五条の二 沖縄県知事は、沖縄振興計画に基づく事業又は事務(以下「事業等」という。)のうち、沖縄県が自主的な選択に基づいて実施する沖縄の振興に資する事業等(沖縄の市町村その他の者(以下「市町村等」という。)が実施する沖縄の振興に資する事業等であって、沖縄県が当該事業等に要する経費の全部又は一部を負担するものを含む。)を実施するための計画(以下「沖縄振興交付金事業計画」という。)を作成することができる。
沖縄振興交付金事業計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
沖縄の振興の基盤となる施設の整備に関する事業(当該事業と一体となってその効果を増大させるために必要な事業等を含む。)で政令で定めるものに関する事項
沖縄の振興に資する事業等(前号に掲げるものを除く。)であって次に掲げるものに関する事項
観光の振興、情報通信産業の振興、農林水産業の振興その他の産業の振興に資する事業等
雇用の促進、人材の育成その他の職業の安定に資する事業等
教育及び文化の振興に資する事業等
福祉の増進及び医療の確保に資する事業等
科学技術の振興に資する事業等
情報通信の高度化に資する事業等
国際協力及び国際交流の推進に資する事業等
駐留軍用地跡地の利用に資する事業等
離島の振興に資する事業等
環境の保全並びに防災及び国土の保全に資する事業等
イからヌまでに掲げるもののほか、沖縄の地理的及び自然的特性その他の特殊事情に基因する事業等
計画期間
沖縄振興交付金事業計画には、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載するよう努めるものとする。
沖縄振興交付金事業計画の目標
その他内閣府令で定める事項
沖縄県知事は、沖縄振興交付金事業計画を作成しようとするときは、あらかじめ関係市町村長その他の者の意見を聴くよう努めるものとする。
沖縄県知事は、沖縄振興交付金事業計画に沖縄の市町村等が実施する事業等に係る事項を記載しようとするときは、当該事項について、あらかじめ、当該市町村等の同意を得なければならない。
沖縄県知事は、沖縄振興交付金事業計画を作成したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。
前三項の規定は、沖縄振興交付金事業計画の変更について準用する。
【一部改正】

【規定の趣旨】

●本条においては、沖縄県が交付金の対象となる事業の実施のため作成する「沖縄振興交付金事業計画」について定めるものである。


(第一項)
●沖縄県知事による沖縄振興交付金事業計画の作成について定めるものである。第百五条の三においては、この計画に基づいて国が沖縄県に交付金を交付できることとしているが、この計画の対象事業は、沖縄振興計画に基づくもののうち、「沖縄県が自主的な選択に基づいて実施する沖縄の振興に資する事業等」として、沖縄県が事業選択の主体であることを明確にしている。

●対象となる事業は広範にわたることが想定され、必ずしも「事業」に当たらないもの、例えば検討会の開催といった付随的な「事務」も含まれうることから、「事業等」は「事業又は事務」を指すことを明らかにしている。


●また、交付金の対象事業には、県が実施主体となる事業だけでなく、市町村その他の者が実施する事業で県が経費を補助するもの(いわゆる間接補助事業)も想定されることから、それら市町村等が実施する事業についても、計画の対象事業に含むことを規定している。


(第二項・第三項)
●沖縄振興交付金事業計画において定められるべき事項について規定するものである。
改正前の条文では、計画の目標、対象事業及び関連する効果促進事業、計画期間、その他内閣府令で定める事項のすべてが義務的記載事項とされていたが、地方分権改革推進委員会第3次勧告で示された義務付け・枠付けの見直しの考え方に沿って、計画の目標とその他内閣府令で定める事項については、第三項を別に立て、任意的記載事項としたものである。

●対象事業及び計画期間については、引き続き義務的記載事項としている。
このうち、計画の根幹となる対象事業については、投資的経費によるものは沖縄振興の基盤となる施設の整備に必要な事業等(その効果を促進する周辺的事業等を含む。)とし、政令で外縁を確定させることとしている。
経常的経費によるものについては、幅広い事業等に対応できるよう、第四条第二項により沖縄振興計画に定められる事項のうち、原則、投資的経費に係ると想定される同項第十一号(社会資本の整備及び土地の利用)を除き、同項第一号から第十号まで(産業の振興、雇用の促進等)に関する事業を網羅的に掲げることとする。さらに、「沖縄の地理的及び自然的特性その他の特殊事情に基因する事業等」を加え、沖縄振興に資する事業として考えられうる必要十分なものを対象事業に入れることとしている。

(第四項・第六項)
●改正前の第三項・第四項と同様、計画作成の際の沖縄県知事による関係市町村長等の意見聴取及び計画の公表について定めるものである。しかしながら、「義務付け・枠付けの更なる見直しについて」(平成23 11 29 日閣議決定)において、沖縄振興特別措置法失効後の法的措置については、「第12 回地域主権戦略会議(平成23 年7月7日)で承認された「今後の義務付け・枠付けの見直しに当たっての具体的に講ずべき措置の方針」に沿って義務付け・枠付けを見直す。」とされていることに鑑み、改正後の条文では、県知事の意見聴取及び計画の公表を努力義務規定としている。

(第五項)
●交付金対象事業に、補助事業者(この場合は沖縄県)が直接実施する事業だけではなく、間接的に実施する事業も含むこととする場合、間接実施事業の事業主体(この場合は市町村その他の者)の同意を得ることが他法令でも通例となっており、その旨を規定するものである。

【参 考】
他法令の例
・ 都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第四十六条第三項・第四項
・ 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律(平成十九年法律第五十二号)第五条第八項・第九項 等

(第七項)
●計画の変更の際にも、第二項から第六項までの規定を準用する旨を規定するものである。



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2012年12月09日

改正沖縄振興特別措置法の解説(57)

2012年7月 内閣府資料から

■改正沖縄振興特別措置法の解説(57)


第七章 駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置

●改正前の沖縄振興特別措置法と同様に平成23 年度末で失効することとなっていた、「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」(以下「返還特措法」という。)については、今般、沖縄振興特別措置法と共に改正することとされたところである。

 その際、沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用を効果的に推進するため、改正前の沖縄振興特別措置法で定められていた大規模跡地及び特定跡地の指定並びに大規模跡地給付金及び特定跡地給付金に係る制度を含め、一元的に返還特措法の改正法に定めることとしたが、引き続き、本法の規定に基づく沖縄振興計画の義務的記載事項の一つとして、沖縄振興に不可欠な要素である駐留軍用地跡地の利用に関する事項を規定することとしており、本法と返還特措法の改正法とは引き続き密接な関係を有することから、本章に、いわゆるブリッジ規定を設けることとしたものである。


●なお、本章の題名については、政府提出法案段階では、返還特措法の改正法案(政府提出法案段階)の名称に合わせ、「駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置」としていたところであるが、同法の題名が国会で修正されたことに伴い、上記のとおり修正されている。

第九十五条 駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置については、沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法(平成七年法律第百二号)の定めるところによる。
【全部改正】

【規定の趣旨】
●本章の章名に係る解説に記載のとおり、本法と返還特措法の改正法とが密接な関係を有することから、いわゆるブリッジ規定として定めたものである。

●なお、本章の章名に係る解説に記載のとおり、返還特措法の改正法の題名が国会で修正されたことに伴い、本条についても、国会提出後、同様の修正が行われている。

第九十六条から第百四条まで 削除
【全部改正】

【規定の趣旨】
●本章の章名に係る解説に記載のとおり、駐留軍用地跡地に係る規定については、一元的に返還特措法の改正法に定めることとしたため、本法においては当該部分を削除したものである。



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2012年12月08日

改正沖縄振興特別措置法の解説(56)

2012年7月 内閣府資料から

■改正沖縄振興特別措置法の解説(56)



(地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置)
第九十四条 第九条の規定は、地方税法第六条の規定により、地方公共団体が、離島の地域内において旅館業の用に供する設備を新設し、若しくは増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくはその事業に係る建物若しくはその敷地である土地に対する固定資産税を課さなかった場合若しくは離島の地域内において畜産業、水産業若しくは薪炭製造業を行う個人について、その事業に対する事業税を課さなかった場合又はこれらの者について、これらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときに準用する。
【一部改正】

【規定の趣旨】

●本条は、沖縄の離島の振興のため、離島地域の特性を活かした産業の振興を図ることを目的とするものであり、今般、準用元となる条文の変更に伴い、改正したものである。


●地方交付税額算定の基礎となる基準財政収入額の算定に当たっては、地方公共団体が地方税法第六条に基づいて任意に行う課税免除等によるものは控除されないことが原則であるが、この例外として、地方公共団体が行う課税免除等による減収の一定部分に限って、国の政策的配慮として個別の立法措置を講ずることにより基準財政収入額から控除するもの制度(地方交付税による減収補てん措置)である。

 具体的には、地方公共団体が、@離島の地域内において旅館業の用に供する設備を新増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくはその事業に係る建物若しくはその敷地である土地に対する固定資産税を課さなかった場合、A離島の地域内において畜産業、水産業若しくは薪炭製造業を行う個人について事業税を課さなかった場合又はこれらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置がされた最初の年度以降5年間、地方交付税による減収補てん措置を講ずることとするものである。

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