2017年07月18日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(35)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(35)

■沖縄の特殊事情に伴う特別対策(1)
対馬丸遭難学童の遺族に対する特別給付金A

特別支出金は、死没者のうち学童の遺族(父母及び祖父母)に対し1977年10月から1982年9月までに援護法の遺族給付金の2分の1相当額を支給し、1982年10月以降は前年度の遺族給付金の10分の6に、1984年10月以降は10分の6.2に、1989年10月以降は10分の6.7に、1992年10月以降は10分の7に相当する額を支給している。

なお、支給事務については、沖縄県に委託している。

(2017年度予算)
対馬丸遭難学童遺族給付経費 3,280千円(前年度3,327千円)
うち特別給付金 3,754千円(前年度2,754千円)

(対馬丸事件の概要)
・疎開船対馬丸 6,754トン 貨物船(日本郵船所属陸軍徴用)
・遭難日時 1944年8月22日 22時12分
・遭難場所 鹿児島県鹿児島郡十島村悪石島沖
・乗船者数 1,788名
・死没者数 1,482名(学童784名、一般698名)

対馬丸平和記念事業
1998年10年、沖縄開発庁に「対馬丸船体引き揚げ調査特別検討委員会」が設置された。対馬丸の船体引き揚げは極めて困難との結論を取りまとめた。これを受け、遺族からは対馬丸の沈没地点にブイを設置したいとの要望が出されたが、船舶航行の安全上の理由等から、これに代えて「対馬丸記念館」の建設が検討され、2002年度予算において、厚生労働省が建設費等を計上し、2004年8月22日に開館した。

2002年度予算(厚生労働省)
・設計、建設費 2億3千万円 
・展示資料収集経費 3千万円
なお、内閣府においては、対馬丸記念館において行う事業についての企画検討会開催経費を予算化(500万円)

遺族や生存者の高齢化が進んでいる。沖縄戦の悲劇の象徴である対馬丸事件を後世に伝え、対馬丸遭難学童への哀悼と平和を祈念するため、内閣府は、公益財団法人対馬丸記念会が、対馬丸記念館を中心に実施する諸事業のうち、次の事業について2002年度から沖縄県を通じて補助(10/10)を行っている。

@生存者等(語り部)による体験の語り伝え
A対馬丸等の関連資料の収集、展示する特別展の運営
B対馬丸事件等を通した平和学習の推進

(2017年度予算)
・対馬丸平和記念事業経費 20,819千円(前年度20,383千円)
 うち、対馬丸平和記念事業推進補助金 19,618千円(前年度19,674千円)


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2017年07月14日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(34)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(34)

■沖縄の特殊事情に伴う特別対策(1)
対馬丸遭難学童の遺族に対する特別給付金@

沖縄の戦後処理事業として対馬丸遭難者等特別対策が実施された。対馬丸関連事業の経緯について取り上げる。

1944年8月22日、沖縄から九州方面への疎開学童等1788名を乗せて航行中の疎開船対馬丸は、鹿児島県悪石島沖で米軍潜水艦の攻撃を受けて沈没し、学童784名、引率教師30名、付き添え者668名、計1482名が戦死した。

死没者の遺族から準軍属として処遇すること(年金の支給)、船体を引き揚げて遺骨を収集すること等の要望が出された。

遺族からの年金の支給要望に対し、国は戦傷者戦没者遺族等援護法の適用は困難であるとして1962年と沖縄復帰時の1972年に見舞金を支給した経緯がある。

しかし、対馬丸遭難者遺族会からは、遺族年金の支給を求める声が強く厚生省(当時)は1977年度概算要求の中で特別給付金を要求した。これが予算決定の段階で沖縄開発庁(当時)に対馬丸遭難学童遺族特別支出金として支給されることとなり、以後、毎年度予算に計上されている。

1977年10月1日、「対馬丸遭難学童の遺族に対する特別支出金の支給に関する要綱」が定められ、これにより、対馬丸の沈没の際に死亡した沖縄の疎開学童の遺族に対し、戦傷者戦没者遺族等援護法の定める遺族給与金の2分の1に相当する額が支給された。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:59| 大学の窓から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月13日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(33)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(33)

■終わらぬ戦後処理(5)
〜未処理埋没不発弾2033トンにあと70年〜

不発弾の特定処理事業としては、@発見された不発弾等を処理する際に、安全確保のために土のう・保護壁等を設置する事業、A不発弾等の現地処理に伴う非難に要する経費のうち特定のもの(健康及び介護等の理由から非難が困難な者等の避難に要する経費等)を対象とする事業、B不発弾の現地処理に伴う非難の支援に要した県・市町村職員に人件費を助成する事業─も実施している。

磁気探査支援事業としては、国において磁気探査機を購入の上、国が実施する磁気探査研修を修了した民間事業者等が自ら不発弾の磁気探査を行う際に機器を無償貸与している。熟練技能者を現地に講師として派遣し、民間事業者等による磁気探査を支援する事業も行っている。

内閣府の沖縄予算によると、2017年度の沖縄不発弾対策事業費は28億4200万円(うち交付金28億円)。

1972年度から2015年度までの不発弾処理件数は35646件。1742トンの不発弾が処理された。過去5年間の実績は処理件数3577件、102トンが処理された。

祖国に復帰した沖縄の現状だ。2033トンが未処理だという。沖縄の戦後処理は終わっていない。

不発弾等とは、不発弾と爆弾、砲弾(艦砲弾、各種火薬弾及び迫撃砲弾)、ロケット弾、地雷、機雷、手りゅう弾、小火器弾、ガス弾、その他の未使用の爆発物をいう。

住民避難の例を掲げる。2010年10月、那覇市の住宅密集地で不発弾の爆破処理が行われたが、2850人が避難。

2011年9月、南風原町病院敷地内で院内退避に伴う安全化処理の際は院内避難者290人。

2012年4月、那覇市首里で不発弾の安全処理で2350人が避難、ホテル休業。

2012年6月那覇市小禄で不発弾の安全処理化で350人避難、ゆいレールが運休。

posted by ゆがふ沖縄 at 00:10| 大学の窓から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする