2017年06月20日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(18)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(18)

■ITのハブ沖縄[下]

情報通信関連産業の進出背景は、安全・低コスト・高品質のサービス提供が影響している。

沖縄におけるIT関連産業は全体として成長。リーディング産業として今後も期待される分野である。災害リスク分散の観点から沖縄の地理的特性が改めて注目される。

就業者の7割をコールセンター等の労働集約型事業が占め、付加価値化が課題でもある。IT関連産業の一層の集積(バックアップセンター、ビジネスプロセスアウトソーシング等)と高付加価値(デジタルコンテンツ、組込みソフトテスティング等)への取組が急務とされる。

2012年改正された「沖縄振興法」の特例措置を掲げる。

■情報通信産業振興地域・特別地区
従来の「情報通信産業振興計画」は沖縄県知事が策定し、主務大臣(内閣総理大臣、総務大臣、経済産業大臣)の同意を求めていた。改正沖振法では、情報通信産業振興計画を含む分野別計画は計画の必要性を含めて沖縄県が自主的に判断して策定し、法定計画としないことになっている。

@ 情報通信産業振興地域
情報通信産業振興地域等の指定は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興審議会の意見を聴いて主務大臣が指定する。主務大臣が対象地域を指定することで引き続き国の責任において情報通信産業の育成を図るという性格を有する。

情報通信産業振興地域は、情報記録物の製造業、電気通信業、映像・ビデオ制作業、放送業、ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、小売業、製造業等のコールセンター、クラウド(インターネット付随サービス業)、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)が対象業種である。

支援措置
投資税額控除(機械装置・器具備品15%、建物等8%)。下限投資額は機械装置・
器具は100万円超に緩和(従来は1千万円)、建物等は1千万円超

事業税、不動産取得税、固定資産税の課税免除等

A 特定情報通特別地区
特定情報通特別地区は、特に集積する事業でデーターセンター、インターネットイクスチェンジ、インターネットサービスプロバイダー、バックアップセンター、セキュリティデーターセンター、情報通信機器相互接続業が対象業種である。

支援措置:所得控除制度と投資税額控除は選択制
〇所得控除制度(40%控除)
・特区内に本店又は主たる事務所を有する企業
・2012年5月24日以後に特区内で設立され、10年以内の企業
・特区内で専ら特定事業を営むこと
・常時使用従業員が5人以上であること(従来は10人)

〇投資税額控除(機械装置・器具備品15%、建物等8%)。下限投資額は機械装置・器具は100万円超に緩和(従来は1千万円超)、建物等は1千万円超

〇事業税、不動産取得税、固定資産税の課税免除等


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2017年06月19日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(17)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(17)

■ITのハブ沖縄[上]

近年、県外から沖縄への情報通信関連産業の立地が増加している。立地企業は2005年度103社であったが、2014年度は346社まで拡大。業種別にみると情報サービス業は22社から75社へ、コールセンターは33社から76社へ、コンテンツ制作業は9社から52社へ、ソフトウェア開発業は33社から113社へ、その他の業種6社から30社へ大幅に増加している。

沖縄へ立地した情報通信関連産業の雇用者数は9926人から25912人へ増加し、沖縄のリーディング産業として成長している。沖縄の持つ優位性、税制上の特例措置の立地メリットが影響したと思われる。

本土と沖縄間の通信環境の整備で通信コストの低減が図られており、沖縄はITビジネスのハブとして企業立地が顕著である。

東京を始め札幌、大阪、九州等から浦添市のフアーストライディングテクノロジー(株)へ国際海底ケーブルがつながっている。ここを拠点にして、うるま市のIT津梁パーク、沖縄情報通信センターと県内の各データーセンター、沖縄IT津梁パーク、OIST(沖縄科学技術大学院大学)を結び、クラウドコンピューティング拠点を形成している。

沖縄から香港、シンガポールへGIX回線が結ばれている。沖縄はわが国の国際情報通信拠点としてアジアの架け橋となっているのだ。

国際海底光ケーブルの整備は、沖縄から直接アジアや首都圏に接続する高速・大容量・低価格の通信ネットワークである。沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)が活用された。総事業費75億円で国費60億円投入。

沖縄情報通信センターは総事業費73億円で国費59億円投入。公設民営で2015年4月供用開始、管理運営は(株)沖縄データーセンター。

沖縄クラウドネットワークは総事業費は5億円で4億円の国費投入。ネットワークは浦添市のフアーストライディングテクノロジー(株)─OIST(沖縄科学技術大学院大学)─名護市のクオリサイトテクノロジーズ(株)─宜野座村のNTT西日本九州沖縄支社─クオリサイトテクノロジー(宜野座村)─うるま市のIT津梁パークを結ぶネットワークである。
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2017年06月16日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(16)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(16)

■アジアのハブ・沖縄[下]

2013年無菌充填システムの部品加工、半導体検査機器等の組立企業が旧特別自由貿易地区の賃貸工場に進出した。2015年12月、自社で製造したLED検査装置を香港へ初出荷した。

沖縄の地理的優位性を活かした特色ある企業の進出が目立つ。半導体製造装置の製造・販売目的に進出した企業もある。沖縄の年平均気温は23度が半導体生産基準温度と同一であることに着目。2014年旧特別自由貿易地区の賃貸工場に進出。沖縄進出で恒温クリーンルーム電気代が約40%節減。沖縄貨物ハブを活用した短期的対応やアフターサービスの向上により、海外販路拡大を目指している。

モノづくり再生の処方箋は沖縄にある。アジアの時代、設備投資の低減、国際物流拠点産業集積地域の制度利用、優遇税制の側面から沖縄で製造業がよみがえる。

業種の広がりがビジネスを展開する。化粧品・医薬部外品・健康食品のOEM企業は2015年、国際物流拠点産業集積地域那覇地区(旧自由貿易地域那覇地区)に進出。ファンデーション等の化粧品の充てん作業を行ったうえで、沖縄貨物ハブを活用してアジア各国へ出荷する。物流を担う沖縄ヤマト運輸(株)と連携し、越境通販の総合的な支援拠点として事業展開中だ。

沖縄の地理的優位性に本土企業が進出し、製造業が輝きを取り戻す。日本の製造業は沖縄を足場にアジアとビジネスを展開する。

アジアと日本本土を結ぶ沖縄。ANA沖縄貨物ハブ。経済の磁場としての沖縄。全日空は2009年10月、「ANA沖縄貨物ハブ」を運行開始した。沖縄のアジアにおける地理的優位性を活化し、那覇空港と国内(羽田、成田、関西、中部)、海外(ソウル、上海、アモイ、青島、香港、台北、バンコク、シンガポール、)を深夜貨物便ネットワークで接続する「ANA沖縄貨物ハブ」で国際ビジネスを展開。

アジアを取り巻く経済環境、市場の性格、競争ルールが変化する中で沖縄に着目。経済のグローバル化、ボーダレス化を背景として比較優位の「ANA沖縄貨物ハブ」が新しい発想を生んでいる。





posted by ゆがふ沖縄 at 00:39| 大学の窓から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする