2017年06月16日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(16)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(16)

■アジアのハブ・沖縄[下]

2013年無菌充填システムの部品加工、半導体検査機器等の組立企業が旧特別自由貿易地区の賃貸工場に進出した。2015年12月、自社で製造したLED検査装置を香港へ初出荷した。

沖縄の地理的優位性を活かした特色ある企業の進出が目立つ。半導体製造装置の製造・販売目的に進出した企業もある。沖縄の年平均気温は23度が半導体生産基準温度と同一であることに着目。2014年旧特別自由貿易地区の賃貸工場に進出。沖縄進出で恒温クリーンルーム電気代が約40%節減。沖縄貨物ハブを活用した短期的対応やアフターサービスの向上により、海外販路拡大を目指している。

モノづくり再生の処方箋は沖縄にある。アジアの時代、設備投資の低減、国際物流拠点産業集積地域の制度利用、優遇税制の側面から沖縄で製造業がよみがえる。

業種の広がりがビジネスを展開する。化粧品・医薬部外品・健康食品のOEM企業は2015年、国際物流拠点産業集積地域那覇地区(旧自由貿易地域那覇地区)に進出。ファンデーション等の化粧品の充てん作業を行ったうえで、沖縄貨物ハブを活用してアジア各国へ出荷する。物流を担う沖縄ヤマト運輸(株)と連携し、越境通販の総合的な支援拠点として事業展開中だ。

沖縄の地理的優位性に本土企業が進出し、製造業が輝きを取り戻す。日本の製造業は沖縄を足場にアジアとビジネスを展開する。

アジアと日本本土を結ぶ沖縄。ANA沖縄貨物ハブ。経済の磁場としての沖縄。全日空は2009年10月、「ANA沖縄貨物ハブ」を運行開始した。沖縄のアジアにおける地理的優位性を活化し、那覇空港と国内(羽田、成田、関西、中部)、海外(ソウル、上海、アモイ、青島、香港、台北、バンコク、シンガポール、)を深夜貨物便ネットワークで接続する「ANA沖縄貨物ハブ」で国際ビジネスを展開。

アジアを取り巻く経済環境、市場の性格、競争ルールが変化する中で沖縄に着目。経済のグローバル化、ボーダレス化を背景として比較優位の「ANA沖縄貨物ハブ」が新しい発想を生んでいる。





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2017年06月15日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(15)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(15)

■アジアのハブ・沖縄[上]

日本地図を見ると、沖縄は日本の片隅にあるが地図をひっくり返してみるとアジアの中心地に位置する。沖縄はアジアのハブである。航空機で4時間以内に人口20億人の巨大マーケットがある。日本列島はすべて含むが、アジアでは、台北、北京、上海、広州、ハノイ、ホーチミン、バンコク、マニラ等が広がる。

那覇空港は24時間空港だ。アジア経済のダイナミズムを取り組むビジネス拠点としてのポテンシャルを有する。経済の磁場としての沖縄。なぜ今、沖縄か。経済の引力はアジアに重力が移っている。

2012年4月、改正沖縄振興法が施行され、従来の自由貿易地域、特別自由貿易地域が廃止され、「国際物流拠点産業集積地域」が創設された。

沖縄はアジアの中心という地理的優位性を活用し、近隣アジアの成長や活力を取り組むことで、沖縄の産業振興のみならず、我が国全体の経済発展にも波及効果が期待されている。

沖縄県では物流拠点の形成を沖縄振興策の大きな柱として捉え、沖縄特有の経済問題や雇用問題の改善を図る目的で推進している。

国際物流拠点産業集積地域は@那覇空港地区(貨物上屋)、A那覇港地区(野積場)、B那覇地区(旧自由貿易地域那覇地区)、C中城湾新港地区(旧特別自由貿易地区)が指定された。

沖縄進出企業の実績を見てみよう。半導体製造装置向け流量計の製造を手掛けている企業は、東日本大震災を契機に、生産リスク分散のため2011年に旧特別自由貿易地区に進出。国内外から調達した部品を沖縄で組み立て、精度保証し国内及び海外の半導体製造装置メーカーに出荷する。

那覇空港を離発着する国際線、国内線、貨物便への航空機機内食も沖縄で調達する企業もある。将来的には、外国の航空会社向けにも機内食の調整を行う予定だという。

本土食材、沖縄食材を活用した加工食品の製造・販売の進出企業は、現在、国内向け販売であるが、将来的には沖縄貨物ハブを活用してアジア諸国への販売戦略も描く。

自動車を始め、大型建設機械等の排ガス用触媒金型の一貫製造会社も沖縄に進出した。2010年、旧特別自由貿易地区の賃貸工場に入居した。製造した金型は、日本本土はもとより深刻な環境問題を抱える中国、韓国及び欧州市場へも供給している。

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2017年06月14日

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(14)

半世紀後の沖縄振興計画はあり得るのか(14)

観光は沖縄の戦略産業として位置付けられているが、その伸びは著しい。復帰時(1972年)の観光客数は44万4千円であったが2016年は861万3千人と19.4倍に増加した。

同期間の観光収入は324億円から6022億円と19倍に拡大。復帰時の観光客1人当たりの消費額は73232円であったが、現在は75881円で観光客は金を使っていない。1人当たりの観光消費額は、復帰後45年を経過したが消費額はほとんど伸びていない。

特徴的なことは外国人観光客の伸びだ。復帰時の外国人観光客は2万6千人であったが2016年は200万人を突破した。

2012年4月、改正沖縄振興法が施行。観光振興地域に代わって「観光地形成促進地域」が盛り込まれた。沖縄特例通訳案内士の特例もできた。外国人観光客のニーズ、クルーズ船観光に対応したものだ。

沖縄観光はダイビング等の自然体験、独特の歴史・文化資源を背景とした伝統文化体験も重視されている。大型クルーズ船も増えた。世界のウチナンチュー大会や大型MICEの開催時には通訳案内に対する需要も増大した。

沖縄県は、観光リゾート産業をリーディング産業として位置づけ、アジアを中心とした外国人観光客の受け入れ態勢に取り組み改正沖振法で通訳案内士の特例措置が講じられた。

一定の研修を修了したものは、報酬を得て通訳案内を行うことができる(通訳案内士法の適用除外)。 

特定免税店制度も機能している。クルーズ船による観光客増加に対応するため港湾施設に特定販売施設を導入し特定免税店として追加したものだ。新都心DFSの沖縄型特定免税店は多くの観光客に利用され、沖縄の観光地としての魅力向上に寄与している。

ショッピングは沖縄観光の主要な活動内容の一つ。ショッピングの魅力を向上させ、海外リゾート地との競争力を高める。沖縄観光客の活動内容の1位は観光地めぐり65.9%、2位は沖縄料理を楽しむ40.8%、3位はショッピング34.1%となっている。

特定免税店制度とは、免税対象は空路で出域する旅客及び海路で出域する旅客を対象に充実した制度だ。

購入場所は、@空港内旅客ターミナル施設または港湾内特定販売施設、A観光地形成促進地域内特定販売施設(新都心DFSギャレリア沖縄)。

対象品目は、すべての品目(購入限度額20万円)で、期待される効果は、クルーズ船による観光客の誘致拡大、沖縄ショッピングのさらなる魅力向上だ。観光客の拡大、観光客1人当たり消費額増加による観光収入の増加が期待される。

沖縄県が推計した2015年度の観光収入6022億円の経済効果(生産誘発額)は、1兆143億円、付加価値誘発効果は4938億円、雇用誘発効果は2万6千人。

観光は波及メカニズムが期待できる産業だ。外国観光客200万人が沖縄を訪れる時代である。従来の沖縄観光は国内市場を目標にしていた。これからは、外国市場を目標にアジアの富裕層を沖縄に取り組む国際観光マーケティング戦略が重要だ。

国際観光マーケティング戦略としては、@国際観光ルートの改善・拡充、通訳、A国際観光施設の増強、B観光交通手段、C国際観光に対する受け入れ、態度、おもてなしの心─が重要だと思われる。
posted by ゆがふ沖縄 at 00:42| 大学の窓から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする